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透明で受け入れ可能なルールと厳格な運用

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限定正社員を始めとする雇用規制の改革は、実際の企業現場での運用面の不安から多くの懸念が投げかけられています。

はてなブックマーク - 解雇規制緩和がブラック企業激増を招く――NPO法人POSSE代表 今野晴貴|シリーズ・日本のアジェンダ 「解雇」で変わる?日本人の働き方|ダイヤモンド・オンライン

また、雇用環境の改善を目指したブラック企業の公開についても、実効性に疑問があるのも確かです。

はてなブックマーク - だから「ブラック企業名公表」なんて最初から無理ですから (1/2) : J-CAST会社ウォッチ

これらは、結局のところ、日本の多くの法規制でいたるところに見受けられる、ルールが曖昧または到底守れそうもないルールが設定されており、実際には多くが目こぼしされ、気まぐれあるいは見せしめなど何らかの意図で摘発されるという、恣意的な運用が行われるという問題に帰着すると考えられます。問題を少しでも解決の方向に持って行くためには、その真逆、つまり、透明で受け入れ可能なルールと、厳格な運用をセットで行うということに尽きます。

例えば、都市部の駅前や繁華街の放置自転車対策では、一定の設備投資や監視員の人件費は必要ですが、短時間無料で利用できる十分な台数分の駐輪場を設置し、放置自転車は有無を言わさず毎日撤去することで、ほぼ解決できているように見受けられます。

雇用規制も基本的にはこれと同じと考えられます。労基法が守れない企業は市場から退出すればいい、というのは正論ではありますが、中小企業など、あまりにも退出しなければいけない企業が多過ぎては機能しませんし、恣意的に有名企業だけが罰せられるのもそれはそれで不公平があります。そもそも、夫婦共働きが前提になるといった時代の変化もありますから、法規制の方を見直す必要もあるでしょう。「受け入れ可能なルール」は、従来の正規雇用ありきの労働団体からすれば、大きな後退に見えるかもしれませんが、どうせ守れなければ意味がないのです。

放置自転車対策とは違い、ギャップが大き過ぎるため、折り合うのは相当大変だとは思いますが、労使の協議のもとで、ステークホルダーが受け入れ可能な透明なルールを決めた上で、違反した場合は、情報公開にとどまらず、経営者への懲役や懲罰的損害賠償を課し、法律違反が割に合わないようにすることです。もちろん、合わせて違反企業を徹底的に摘発するために、労働基準監督署の権限強化や、監督官の大幅増員が不可欠です。予算は必要ですが、雇用者全体の雇用環境、ひいては次世代の再生産を改善し、持続的な社会の実現に繋がるのですから、投資対効果の高い財政の使い方だと思います。

Posted: 2013年07月15日 00:00 このエントリーをはてなブックマークに追加
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