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Columns: Communication

良いところを見つける

Communication

人間には2種類の人種がいる。すなわち、「良いところを見つける」人種と「悪いところを見つける」人種である。

…ということを、人気のBlog、Passion For The Futureさんの「おしゃべりな人」が得をする おべっか・お世辞の人間学を読んで思った。

「おべっか・お世辞」という言葉には余りいい響きがないが、適切なTPOでの「おべっか・お世辞」は悪いどころか、コミュニケーションの潤滑油になる。明らかに的外れな「おべっか・お世辞」はかえって不快感を招いてしまうかもしれない。しかし、どんな小さいことでも掘り起こしてさりげなくほめることができれば、相手も悪い気はしない。似た本として「ほめる」技術なんてのもある。相手の「良いところを見つける」タイプの人と、「悪いところを見つける」タイプの人では、こういった場面での行動が全く異なるものになるのは想像に難くない。

ひとたび、ビデオゲームやPCゲームに目を転じてみると、いわゆる「レビュー」サイトでも、同様な現象が見受けられる。つまり、ゲームの「良いところを見つける」人と、「悪いところを見つける」人の違いである。もちろん、ゲーム製作者にとっては、べた褒めされるよりは、問題点を的確に指摘してもらえる方がありがたいのかもしれないが、一方で悪いところばかりあげつらわれてはモチベーションは下がるだろう。褒める所と課題を指摘する所の適切なバランスが必要となる。

そもそも、ゲームを遊ぶというのは、楽しむためにやっているはず。とにかく欠点を見つけてやろうとあら捜しをするプレイが楽しいとは思えない。出来る限り良い所を見つけ、そしてメーカにはそこを伸ばして貰おう、という姿勢の方が楽しくないだろうか? (欠点を見つけるのが楽しい人はごめんなさい。そのままでいいです。)

一時が万事、物事の「良いところを見つける」ことが習慣になっている人は、「悪いことを見つける」ことが習慣になっている人よりも、「楽しく生きる」という面で、大きな違いになってくるはずだ。

「良いところを見つける」スキル、身につけたいものである。

Posted: 2004年05月04日 00:58 このエントリーをはてなブックマークに追加
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コメント

当然のことながら、このようなスキルは「optimism」や
「object志向」などとともに、個人の適応度に影響を
与えるでしょうねぇ。
性格というレベルよりも手前の、「思考という名のカード
の性質とカードの種類」を変化させるだけでも、
適応水準はかなり上下するのではないかと推定
しますが、どうでしょう?(今は、人格障害とか
精神病を罹患している時はとりあえず留保しますが)

 思想や宗教、ものの考えの捉え方、哲学が個人の
適応度に対して実際的な効果を発揮しうる点に
ついてもっと学びたいものです。
(構造主義系の哲学家の誰だったかが、この事に
ついて比較的体系的に書いているようなのですが、
訳本がなかなか見つからず苦労しています)

Posted by: シロクマ : 2004年05月04日 09:20

追記:
しかし、物事の悪い点をはっきり悪いと書くのは
なかなか難しいことですよね、そこら辺を解って
「これはダメだ」と言い切るのはとても勇気のいる
事か、無思考でなければできない事のように
思えてなりません。
「これは俺の好みじゃない」と主観を述べるのは
いいんですが、「これは○○の点がダメである」と
客観を呈示するのって怖いです。そういう意見を
呈示するということは、読者に対して自らの
識見のレベルを露呈することなわけで、自らの
HPであれもダメこれもダメと書いている人を見ていると
気の毒になる事も時々あったりします
(2chはこの問題をクリアしちゃってますよね、
どんなに粗悪な批判も、無名でできちゃうから)。

 長所を見つけてポジティブに捉えるのは大切な
のと同じように、明らかな短所を的確に
指摘してしかも世間様に顔見せできるような
識見が欲しいなーと思ったりする今日このごろです。

Posted by: シロクマ : 2004年05月04日 09:26

シロクマさん、こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。

よく性格テストなどで、性格に優劣はないとか書かれていますけれど、実際にはある環境においては、明らかに優劣があるんですよね。シロクマさんの言葉では適応度ということになると思うんですが、この辺がすごくもどかしく感じたりします。

この適応度が思想や信条、宗教その他によっても変わってくるというのはかなりドキリとする指摘です。選択は自由だけど、実は損得がある訳ですよね。この辺、体系的にまとめられていると非常に興味深いと思います(あくまで置かれている環境との関係によって変わる部分はあるでしょうけど)。

---

いわゆる「人間の底が見えてしまう」というヤツですかね。理性的な批評は、確かに長所を指摘するより短所を指摘する方が難しい気がします。

Posted by: 秋風 : 2004年05月08日 21:59

学生時代にアルバイトでコピーライターをして依頼、良いところを見つけるのが得意技になりました。

当時のディレクターに誇大広告や嘘は絶対に書いてはならない。どんな商品にでもどこか良いところがある。その良いところを探し出して、嘘にならないように書くことを徹底的に仕込まれました。
それと同時に欠点もしっかり把握するようにも言われました。良いところ、悪いところを把握した上で、良いところを書く。これがアルバイトを離れても、今も続いている仕事です。

人でもそうですが、ポイントは、心にもないお世辞で褒めても駄目で、本人にはそう思っていなくても第三者から見れば良い所を見つけること。悪い所を見ないのではなく、なぜそうなのか、その人の環境や生育歴にまでさかのぼって、ああ、だからこういう癖がついてるんだなとできるだけ想像し、できるだけ理解すること。
他人のことが全部わかったり理解できるわけないですが、なぜその人が相手に不快感を与える言動などをするのかまで考え続けていると、その人自体に悪い思いはなくなってしまうんですよね。

それが癖になっているので、私これまで、根っからの悪人に出会ったことがありません。みんなどこかいい人です。

まあ、ブログなどでは、あえて、怒りを入れて書いてみたりもしていますが、それは社会システムなどを良くするためには、時には怒ることも必要だからと考えているからで。

Posted by: 優子 : 2007年05月03日 02:37

はじめまして。突然のコメント。失礼しました。
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Posted by: モンクレール : 2013年01月12日 00:49
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