Columns: Partner Style
「見合い」はなくなったのか
Partner Style草食系という言葉を使うかどうかは別にしても、恋愛結婚が一般化した中、自分から行動しない受け身の男性は極めて結婚しにくくなっています(もともとは草食系と受け身は意味が違ったはずですが)。日本で経済力的には十分なはずの大手企業の理系男性が多数残っている要因は、大体、自分から行動していないからと言えるでしょう(30代半ばぐらいまでは、自由恋愛の機会を失いたくないからという場合もあります)。
[partner style] はてなブックマーク - 2時間ほど前に魔法使いになった
そのため、未婚率の上昇として挙げられる要因の1つに「見合い結婚の減少」(国立社会保障・人口問題研究所)が挙げられ、元エントリにレスにもあるような、時に「見合い」の必要性が語られる訳ですが、そもそも日本で「見合い」の風習は本当になくなってしまったのでしょうか。
結果が出ていないため、統計上には出てきませんが、見聞きする範囲では実際にはそうは思われません。釣書のような昔ながらの形式ばった「見合い」こそ減っていても、親や親戚から紹介されるパターンが全くなくなってしまった訳ではありません。特に、地方やコンサバティブな家庭であれば、親も心配していますし、大手メーカに所属している上記の男性のような例であれば、30代で年収800万、40代で年収1000万円が狙え、商社や金融ほどではないにせよ経済的には十分。安定性こそ公務員ほどではないにせよ。いわゆる「婚活」市場も含めれば、それなりに機会もあるはずです。
ただ、変わったのは、「見合い」の中身です。背景には、結婚の社会的圧力の減少や、男女共同参画による女性の経済力の向上により、結婚の必要性が子どもを持つ以外に低くなっていることがあります。昔であれば、特に受け身な男性が自分から断ることはありませんから、女性側が(経済的な理由などから)進める気になれば、「見合い」経由で結婚が決まる確率は高かったと言えます。もっと昔であれば、あまり知らない相手と、結婚してから関係構築が始まるということさえ珍しくなかった訳です。
しかし、今の「見合い」はあくまでも最初の機会の提供であり、先に進めるかどうかは完全に本人たち次第です。経済環境や学歴など、ある程度バックグラウンドが分かったり、親レベルのある程度の同意があるという点こそあれ、他の婚活のきっかけ作りとあまり変わりません。求められるのはほぼ恋愛力そのものです。特に、親や親戚の紹介による「見合い」を必要とする男性は、恋愛に慣れている訳ではありませんので、恋愛経験の豊かな女性から見れば不満でしょう。これでは次に繋がる可能性は低くなります。
「見合い」は今でも行われていますが、ただ、今の「見合い」ではそんなに簡単には決まらない、ということではないでしょうか。
関連: [partner style] 「未恋男子」30代で15%、新成人は50%:日経ウーマンオンライン【白河桃子のお仕事・恋愛塾】
参考: [partner style] 【1】年収1000万円以上男の「結婚の条件」
「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま 山田 昌弘 東洋経済新報社 2010-06-11 by G-Tools |