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Columns: Society

無縁社会の何が問題なのか

Society

昨日NHKで放映された「日本の、これから 無縁社会」が、Twitterの自作自演疑惑を含め、評判が悪いようです。

[society] はてなブックマーク - 池田信夫 blog : 「無縁社会」キャンペーンの恥ずかしさ - ライブドアブログ

無縁化は私たちが望んだものであり、後戻りはできない、というのは同意です。社会のサービス化が進んだ現代では、「縁」よりも「円」(カネ)があれば、孤立していても十分に豊かな生活をしていくことはできます。ただ、だからこそ「無縁社会」キャンペーンが不要ということには必ずしもならないかもしれません。まさに、

政府の役割は縁を作り出すことではなく、個人の自立を支援する最低保障だ。

が正しいからこそ、「無縁社会」は将来的に私たち自身が困ることにならないでしょうか。

現在、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を守るセーフティネットであるところの生活保護の受給者は、景気の悪化や、あるいは高齢化で年金が貰えない高齢者層が拡大することで、増え続けています。年金保険料を払っていないロスジェネ世代が、年金受給開始年齢になる頃には、社会保障制度は果たしてどういうことになっているか、あまり想像したくない未来です。

昨今、「新しい公共」という言葉、大きな政府ではなく「大きな社会」という言葉を度々見かけます。これは、単純に言えば、地域社会やコミュニティ、NPO、民間などの力を得て社会保障を実現しようということですが、裏返せば、社会保障に必要な予算が高齢化の進展に従って増大しつつけ、ただでさえ財政を再建しなければいけない中で、とても国や自治体が支えられなくなっているということを意味しています。「新しい公共」や「大きな社会」を実現する上で、地域などのコミュニテイを通じた繋がりはより大きな役割を持つことになります。

「無縁社会」は、誰とも繋がっていないのは可哀想、といった温情主義や、「昔は良かった」程度の懐古趣味から解決すべき問題なのではありません。財政上の問題から、社会保障を「新しい公共」に丸投げしたい国や自治体、そして社会保障を支えるために税金を払っている人たちにとって問題なのです。

Posted: 2011年02月13日 00:00 このエントリーをはてなブックマークに追加
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コメント

テレビを見て考えるだけでは足りない。
行動しなければならない。

自戒を込めて。

Posted by: : 2011年02月20日 15:04
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