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Columns: Subculture

通過儀礼

Subculture

特定の誰かを想定している訳ではないとして。

[subculture] はてなブックマーク - あるオタク精神科医の歴史 - シロクマの屑籠

アニメ・漫画・ゲームを中心とした趣味は、通常、中二病という言葉に代表されるように、中高生のうちにハマって卒業しておくべき、はしかみたいなものなのでしょう。ここでの「卒業」とは、全く触れなくなる場合もあるかもしれませんが、むしろ、家族・恋愛・友人関係などとのバランスを取りつつ、他の趣味を含めて相対化して娯楽の1つとして楽しむことができるようになる、ということを意味します。

しかし、教育熱心であるとか、規範意識の強い家庭で抑圧され、アニメやゲーム的なものへのアクセスが限定されたまま中高生の多感な時代を過ごすと、いざ大学や社会人になって解放され、時間やカネの余裕ができ、場合によっては大学に馴染めず孤独感を感じているところに触れることで、反動的にはしかが重症になってしまう場合があるのかもしれません。2000年前後の「論壇」が、京大勢をはじめとして異様に高学歴(学校)率が高かったのも、何らかの家庭環境的な背景を想起します。

現在は、アニメやゲーム的なものが一般化したとは言わないまでも、マーケティングの手段として使われるなど、ライト化、コモディティ化しています。親世代もがゲームをしていますから、昔のように「ファミコンを買ってもらえない」というような悩みも少なくなっているでしょう。だとすると、家庭の規範意識に基づく抑圧も弱くなっており、その反動として現れたとも言える、あの頃の「論壇」のような熱量は、もはやもう期待できないのかもしれません。

Posted: 2011年07月18日 00:00 このエントリーをはてなブックマークに追加
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