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長期雇用と年功序列は別の問題

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[society] はてなブックマーク - Joe's Labo : 経団連、ようやく公式に「長期雇用のメリットはないです」と認める

城氏は自身が雇用が安定していないので皆を同じ状況に陥れたいのか、昔、所属していた企業および上司・同僚たちへの私怨があるのか、経団連の定期昇給制度の見直し提案を長期雇用の否定と解釈していますが、これは必ずしも長期雇用の否定ではなく、字句通り、年功序列制度や定昇時代の終わりということだけでしょう。

要は、マネジメントの仕方を見直す訳ではなく、単に総人件費を減らしたいだけです。

日本企業は高い成長と利益率がなかなか見込めない中で従業員の年齢構造の逆ピラミッド化に苦しんでいて、中高年世代の賃金を圧縮したいと考えており、賃金カーブのフラット化に着手しています。20年来のデフレの中ではベースアップ(ベア)はすでに遠い過去の話ですが、定期昇給(定昇)も今後はないですよ、と言っている訳です。役職が上がらなければ賃金は上がらない、というのは外資系なら普通ですし、日系の中堅以下の企業もそうなってきているでしょう。年功序列で上がっているのは、すでに大企業と公務員だけです。

一方、長期雇用が良いかどうかは、企業によって異なる話です。オペレーションを完全に標準化して仕組みに強みを持っている企業なら、短期雇用人材だけでも十分回せるでしょうし、組織文化や独自の技術蓄積を重視している企業であれば、コアな業務は長期雇用の社員を中心に組み立て、労働力需要の増減を非正規雇用でカバーするという「新時代の日本的経営」の運用が、引き続き残ると考えます。もちろん、成果を出せない人材を切りたいという欲求は、長期雇用の堅持とは別にあるとは思います。

Posted: 2011年12月27日 00:00 このエントリーをはてなブックマークに追加
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