◆ まみむめも - 魔魅夢MEMO ◆ HOME
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炎を放つ少女を描いたあとにこんな事件は困るよ。暗澹としてしまうではないか。
女子短大生焼殺。
ステレオタイプな反応しかできないが、こんなことをした犯人には、火炙りの刑しか選択肢はないのではないか。
少なくとも犠牲者の親御さんにはその権利がある。
NHK衛星映画劇場『
手錠のままの脱獄』。
1958年、監督:
スタンリー・クレイマー、主演:
シドニー・ポワチエ、
トニー・カーティス。
内容は
よそさまでご覧いただくとして、最近のハリウッド映画とおおいに違っているところがある。モノクロだというところが一番だが(デジタル修正されてるのか実に美しい画面だ)、手錠でつながれたまま脱獄・逃亡する白人と黒人が『
リーサル・ウエポン』のようには簡単には仲良くならないところ。
うちの子供たちはリンチのシーンがよくわからなかったようだ。アメリカで黒人が差別されていた(いる)という知識自体がない。途中で助けられる民家の女(
カーラ・ウィリアムズ)がトニー・カーティスにだけ食べ物を出し、彼が相棒の分を催促すると女が不可解な顔をする、なんてシーンが理解の外なのだろう。「黒人の人の方がかっこいいじゃん」なんていってる。知らないことがいいことか悪いことか迷うところだ。
モハメド・アリが金メダルを川に捨てたエピソードを話してやったりしたけどね。
◇
上記、
カーラ・ウィリアムズはたいした美人ではないが、くびれたウエスト、蜂のような曲線を描いた腰がセクシーで、いかにも50年代のハリウッド女優というプロポーションの持ち主だ。
やはり、ボディラインにも流行というものがあるのだね。
こちらが
今年のもっともセクシーな男性女性。綺羅星のごときメンバーだが、気がつくのは平均年齢が高いこと。ざっと見た感じでは三十代後半くらいか。
日本で同じような選出をしたら、おそらく平均で十歳は若い人たちが選ばれるに違いない。
理由は、たぶんみんなが考えているとおり。
◇
朝日新聞の本日(1月24日)付け「
天声人語」。
雪印食品の牛肉すりかえ事件について。
内容については、まあおっしゃるとおりだが、最後に「
モー我慢できない」でしめるというのはどうか。
私のような年代の者にとっては、名文といえば「天声人語」だった・・・・はずなんだけどね。
天は語らず人をして語らしむ
いやあ、みました?昨日の
栃東・朝青龍戦。
朝青龍の凄まじい顔面張り手攻撃に栃東が鼻から大量出血。いったん止血のため中断するというボクシングのような展開。再開後、青龍の攻めをしのいだ栃東が脇を完璧に締めた上手出し投げで業ありの一勝。
ひさびさに興奮させられる一番でした。
いくら張られても顔をそむけたりせず最後まで頭を上げずにしのぎきった新大関もさすがだが、常に闘志を全面に出して勝負してくる朝青龍の相撲はいつも楽しみだ。
ただし、最近多用している張り手は顎のあがる相手には有効だけど、栃東のようなしっかり顎をひく基本が出来ている相手にはそう効くもんじゃない。もっと前さばきなど相撲の基本技を身につけないと栃東や琴光喜にはなかなか勝てないだろう。
それでも朝青龍の台頭で相撲が面白くなったことはたしかだ。礼がどうの土俵の美がどうのと、小錦が横綱になろうかというときに聞こえたきたのと同じようなバッシングがちょろちょと目についてきたが、そんなことをいっている奴は、なにが今の大相撲の低迷を招いたかわからないのだろうか。
なかよしクラブのようななまぬるいどっし〜んひらりぱった〜りというような相撲はもうたくさんだ。ああいうのが土俵の美なのか?
貴乃花の
鬼の形相に感動したのなら、相撲が本来の格闘技としての魅力をとりもどせばまだまだ面白いものだということがわかるだろう。
そして朝青龍の殺伐とした雰囲気は格闘技そのものだ。
マイク・タイソンにも通じるナチュラルな強さが相撲っぷりやたたずまいからオーラのようにはなたれている。(このオーラのあるなしが、たとえば「ボクサーとK1どっちが強い」なんていうしょうもない話題のときに名があがるのがレノックス・ルイスでなくタイソンである理由でしょう)
ただし、朝青龍には文句もある。なぜあの相撲を千代大海あいてにやらん?八百長か?といわれちゃうぜ。
殺伐とした話題のあとは笑える相撲話を。
初日のNHKの相撲中継を見た人なら確実に笑える→
まいのうみはいろいろかんがえた
ブッシュ大統領、菓子を喉につまらせ失神。
フットボールをTV観戦中に、菓子(「プレッツェル」)をのどにつまらせ、意識を失って転倒、顔にすり傷を負った。
・・・・もし死んでいたら、「史上もっとも間抜けな死に方をした大統領」として名を残せただろうに、ジョージも残念なことをした。
もっとも、死んでしまったら、まぬけな原因が周囲の状況からどんなにあきらかでも、「イスラム過激派の暗殺説」がでたことだろう。
それにしても、よく正直にマスコミに発表したと思うが、傷も残ったことだし、へたないいわけは余計なかんぐりを受けると読んだのだろう。
クリントンばりに浮気をしてローラ夫人にぶっとばされた、とかね。
◇
古川日出男『アラビアの夜の種族』(角川書店)購入。ちょっと高め(\2,800)なので迷っていたのだが、たまたま八重洲地下街の古書店で千六百円で出ていたのを見つけた。また未読が・・・・
日劇プラザで『
シュレック』を観た。
私好みで面白かったけど、すいてたなあ。アメリカでは抜群の興行成績だったらしいが。アメコミと一緒で日本ではうけないタイプなのかもしれない。
主要キャラの怪物シュレック、プリンセス・フィオナ、おしゃべりドンキーはどれもチャーミング。CGとは思えない、しかしCGでしか出せない表情表現は、ある意味実写の演技を超えた魅力を放っている。
中でもフィオナ姫の単なるかわいこちゃんではない美しさは秀逸で、CGでここまで肌の輝きを出せれば完璧の域といえるのではないか。胸元にかすかにちらばるそばかす(ほくろ?)がセクシーだ。
特にシャープなボディはリアリズムとはちょっと違う理想化されたラインだと思うが、その理想化の具合が旧来のグラマラスボディではなく、シェイプアップされたスポーティな造形なのが現代的だ。
ディズニー(等)の「お伽話アニメ」をおちょくったストーリーはたしかに新鮮で、プロレスばりのアクションやグロい描写もパロディも面白い。お城の入り口がディズニーランドそのもののパロディなのは笑えた。
ただ、どのアイデアも「みんなで考えた」という感じでもう一つ徹底していない印象はうけた。たとえば
ティム・バートンのグロティスク、
メル・ブルックスのパロディのような、監督の個性が全編を一色に染め上げる域には達していない。そうだ、スタッフはドリームワークスのままで、監督はメル・ブルックスで撮ったら徹底的に面白いパロディアニメになったかも。もっともっと下品になったろうけどね。
ラストもあっさりとしていてやや駆け足な印象。もう20分くらいかけてじっくりクライマックスを盛り上げてほしかった。ラストの意図はわかるが、ここはやはり、シュレックが[
呪いがとけない姫に「十分美しい」といったときに、もう一度姫が変身して美しい姿にもどる]、にしてもらいたかったところだ。それに[
姫は変身した自分を「こんなにみにくい姿」と言っているが、単に太っただけではないのか?やせれば元にもどるような感じだが]?
なんにしても草や森などのCGによる自然描写のすごさはただごとではない。描画したのは
シェイダーというシステムで、なんでも30億枚以上の葉と2万8千本以上の樹を
育てる「デジタル温室」なんだそうだ。なんだか「学習して成長する人工知能」を連想させられるなあ。
もう、なんでもありだね。
◇
『シュレック』みたいな作風、画風はきらいじゃないし、今リクエストされているテーマは「童話」だけど。
このパターンではいかない。
NHK『
その時歴史は動いた特集
日本を動かした15人』。
アンケートによるその結果は
1 織田信長
2 坂本竜馬
3 徳川家康
4 豊臣秀吉
5 聖徳太子
6 マッカーサー
7 源頼朝
8 ペリー
9 西郷隆盛
10 徳川慶喜
11 勝海舟
12 新撰組
13 東条英樹
14 明智光秀
15 手塚治虫
まあ、妥当な結果ですな。
明治政府の政治家は選ばれてないな、とか色々感想はありますが、私的に特筆すべきは、やはり文化人としてただ一人ランクインした
手塚治虫でしょう。
今の四十歳代以下の日本人の「未来像に及ぼした影響」という点では、今から二十年後、三十年後に同じアンケートを取ったとき、手塚治虫の存在感は今よりさらに増しているのではないか。
それとも手塚マンガを直接楽しんだ世代が交代してしまえばそれまでか。
大きくいえば日本の未来が左右されるような気がしますが、やはりおおげさ?
◇
『逆襲の野獣館』読了。→レビュー。
ロレンス『ロレンス短編集』(上田和夫編訳/新潮文庫)購入。
うううう、どんどん未読リストが増えていく・・・・
NHK-BS1で『
スケーターズチャンピオンシップ』を観る。
フィギュア・スケートを見るのは好きだけど、現在女子シングルの頂点がだれなのか知らなかったことに気がついた。
ミッシェル・クワン?ではない。「スケーターズ・・」はプロの大会なのでクワンなどの現在の五輪代表選手は出場しないが、ついこの間までの世界チャンピオンなどの名選手が、綺羅星のごとく登場する。表現力まで含めた総合力はこちら(プロ)の方が上だろう。その中でアルベール五輪のチャンピオン
クリスティン・ヤマグチと争ってチャンピオンの座についたのは、
タラ・リピンスキーでも
陳露でもない。もちろん
トーニャ・ハーディングなんて影も形もない。
七人の審査員の一人が10点満点をつけただけで観客がどよめくという中で、芸術点がオール10点のパーフェクト、技術点も最高というぶっちぎりの成績で優勝したのは日本人、94年の世界チャンピオン
佐藤有香だった。フロックではない。それどころか、これで二連覇だというのだから驚きだ。
佐藤有香の名前はもちろん知っているし、世界チャンピオンになった大会もTVで見ているけど、五輪直後大物がのきなみプロ転向してライバルはジャンプ力があるだけの
ボナリーぐらい、しかも開催地は日本という有利すぎる条件での優勝で、演技の印象もそれほど残っていない。最近も解説にはよく出てるし
伊藤みどりより的確で聞きやすいけど、えらそうなこというほど実績ないじゃん、なんて失礼なことをいつも思っていた。失礼しました。
なめらかなスケーティング、軽やかで正確で安定したジャンプ、体格のハンディを補う豊かな表現力。私のような素人目にも出場選手中で群を抜いていると感じられた。すごい人だったんですねえ。解説でてきびしいこというのもしかたがない。
外国選手と比べて体格は日本人的で太め短めなのはもちろん変っていないが、アマ時代よりしまって筋肉質になった印象。顔も大人びてあかぬけてアマの時にはなかった色気を感じた。流暢な英語でインタビューに答える姿には貫禄さえただよう。
佐藤有香さんはシングルだけでなく二枚目の白人男性と組んでダブルスでも準優勝。パートナーと得点見ながらにこやかに話したりキスしたりしてましたよ。彼ははげますように肩というかほとんど胸元にまでキスしてたな。う〜ん、どういう仲なんだろ<余計なお世話
と思ったら、
ご夫君なんですね。納得。
え、男子ですか。
やはり
カート・ブラウニングがすばらしかった。若い
クーリックには勝てなかったけど。
そのふたりではない?
はいはい、わかってます。
キャンデの
ロロたんですね。出てましたよ。ターザンみたいなかっこうで着ぐるみのゴリラとコント?をやるというと反則すれすれのプログラムで、アマ時代よりずっとはじけてました。ラストではビキニパンツ一丁で審判席に飛びこむという、お前は男ストリッパーかという飛び道具までくりだしてたけど、点数は延びず5位どまり。
なんというか、意あまって力足りず?
名作『
三銃士』みたいなのをまた見たいものです。
娘が借りてきた『
バトル・ロワイアル』を観る。
さすがに
深作欣二監督の演出はテンポが良くておもしろい。
北野武の存在感もさすがだし。
それだけに、国家がこのサバイバルテスト制度を作ったというのが、もうひとつリアリティを欠いた感じがしてしかたがない。近未来という設定も妙に社会風刺くさくてしらける。
むしろ教師が一人でかつての教え子を拉致して殺し合いを強要する、という方が緊迫感があっていいのではないかな。富豪のあとつぎなのに教育に情熱を持って教師になったという設定にすればなんとかなりそうだ。現実の荒廃した現場に挫折したうえに、不良生徒のために心身ともに傷を負ったとすればリアルでしょう。
そういえば、そういう設定の小説が『バトルロワイアル』のあとで出たような気がするな。題名が思い出せないけど。
◇
澁澤龍彦『幻想の画廊』(河出文庫)、リチャード・レイモン『逆襲の野獣館』『殺戮のキャンパス』(扶桑社文庫)購入。
大晦日に「明日から書きこみます」なんていっておいて、結局3が日はネットにつながずじまい。
ひさしぶりにスキーに行かず自宅ですごした「昔ながらのお正月」なので、当然朝からワインだ、酒だ、とおせち料理で酔っぱらい。PC立ち上げるのもおっくうだった。
で、年始に行ったり来たり以外はのんびりとTV桟敷と読書で時を費やす。こんなのもたまにはよきかな。
しかし、だらだらしたバラエティ番組はきらいなので、正月番組というのはどうにも口にあわない。年末に録画した『宇宙船レッドドワーフ』ばかり見ていた。まあ、こっちも下品なお笑いなので大差ないともいえるけど、ぬるいバラエティよりはずっと面白い。
あとは『名探偵ポワロ』の新作2作と昭和50年代の『松本清張ドラマシリーズ』の再放送が私にはよいお年玉。やはりNHKはたよりになる。紅白と大河はいらんけど。
あ、バラエティはきらいといいながら、TV東京の『大食い選手権』は見てしまった。TBSがパクった『フードバトル』とやらに負けたらかわいそうではないか。だいたいTV東京は昔からそういうとこがあって、こつこつと世界ヘビー級ボクシングを放映し続けてモハメド・アリの再起を盛り上げておきながら、世界タイトルなどのおいしい試合は他局にとられたりしていたのだ。
そんなこともあってうちはNHKとTV東京の視聴率が高いのです。私のいないときは知らないけどね。
ということで、遅ればせながら、
みなさま、あけましておめでとうございます。
年賀状、年賀Eメールいただいたかたがた、ありがとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今年も残るところ一日。恒例?の読了本ベスト10です。
1.『祈りの海』 グレッグ・イーガン
2.『ゴッホの遺言』 小林英樹
3.『模倣犯』 宮部みゆき
4.『語り手の事情』 酒見賢一
5.『一九三四年冬−乱歩』 久世光彦
6.『族長の秋』 ガルシア・マルケス
7.『チャタレイ夫人の恋人』 D.H.ロレンス
8.『侯爵サド』 藤本ひとみ
9.『なぜ人を殺してはいけないのか』 小浜逸郎
10.『ボトムズ』 ジョー・R・ランズデール
次点.『「こころ」はどこで壊れるか』 滝川一廣
あくまで、私が今年読んだ本が対象、当然はるか昔に出版された本もある。
なんらかのかたちでレビューを書いたり書名だけでも挙げた読了本が61冊、レビューが書けずに待機中が7冊あるので、68冊。さっぱり更新しなくなってしまった読了記、来年早々にはちゃんとまとめたいと思います。
鬼が大笑い?
映画はベストを書けるほど全然観られなかった。これは来年も変わりそうもない。今年は強いてあげれば『
ギャラクシー・クエスト』。これは傑作でした。
◇
正月スキーにはいかないので、明日からまたすぐ書込みますが、なにはともあれ本年も大団円。色々お世話になりました。
来年も引き続きよろしくお願いします。
◇
ジョン・メイナード・スミス&エオルシュ・サトマーリ『生命進化八つの謎』(長野敬訳/朝日新聞社)、イアン・ワトスン『オルガスマシン』(大島豊訳/コアマガジン)、ジョン・G・バラード『コカイン・ナイト』(山田和子訳/新潮社)購入。
さすがに師走、一週間以上も書き込めない程度には忙しい。
しばらく書いていないとネタも湧いてこない。読了した本は何冊かあるのでレビューを書けばよいのだが、あんなものでも少しは落ち着かないとさすがに書けない。
ということで、笑えるページを紹介してお茶をにごそう。
先行者ほどではないけどやっぱり中国ネタ。香港か台湾製っぽい。かなり(だいぶ)エロだけど、バカバカしさの炸裂ぐあいがなかなかよいです。
→
中華奇天烈動画との遭遇。
こんな技術で
山田風太郎の『
くノ一忍法帖』を作ってもらえないものだろうか。ただし、くノ一役はもう少し美形を希望。
そこのページを読んだら、どうしても動画をみたくなった方もいらっしゃるでしょう。
はい、ちゃんとさがしてありますよ。
■ここのメニューの「イナバの物置」からリンクをたどって「fuckfu.mpg」と「Real_Kung_Fu2.mpg」というファイルをさがしてみてください。
途中にある「elephant.mpeg」も笑えます。さらに同じところにあの
先行者の試運転のAVIがあります。これも必見。
◇
『殺戮の野獣館』読了。→レビュー。
『ボトムズ』読了。→レビュー。
速水融『歴史人口学で見た日本』(文春新書)購入。
仕事で、あるジョブを二つのPCで流すことになった。メインのPentiumIII667では処理時間約20分。いつもはFAXサーバーにしているP5-166だと2時間40分もかかった。メモリやハードディスクの性能も違うし予想通りとはいえ、実に8倍の差がある。二つのマシンの設置は4年ほど違う。オリンピックの開催間隔と一緒だが、どんな競技もその間に記録が8倍にはなるまい。
ならば旧い機械はとっとと廃棄して8台分の仕事を1台でこなせれば、管理コストもなにも大幅に改善されるだろう。が、もちろんそうはいかない。
今回のようなひたすらCPUを酷使して処理する仕事ばかりではないからだ。P5-166クンがいつも黙々と仕事しているFAXサーバー業務は通信回線が相手だ。いくらCPUが画像を早く処理しても相手がそんなに早く送ることはできない。P5-166クンののんびりしたペースでちょうどいいのだ。
ワープロやデータ入力のような人間相手の仕事も同じだ。CPUの処理性能にとって人間が手で入力してくる速度など亀より遅い。PentiumIII667が私の相手をしているときは居眠りしているに違いない。
なにか、人間に似てるなあと思ってしまう。バグがあるソフトを流せば、速くても遅くてもこける、なんてとこも人間にはあるでしょう。速くなくても安定していることが大事な仕事もこの世にはたくさんある。
てなこといっても、わたしも昔は相手が遅いとすぐいらいらするタイプだった。年とって自分の性能が落ちてくると、抵抗勢力と化して遅いマシンに同情したようなことをいいはじめる。あまり、いい了見とはいえんな。
でもさ、最近の速いマシンほど早く壊れるように思えるのは、気のせい?
◇
『キス・キス』読了。→レビュー。
もうそろそろ上映も終わりという頃で恐縮だが、昨日の続きで、『
千と千尋の神隠し』を観て、連想したこと。
ハク龍と千の飛行シーンは『
ネバー・エンディング・ストーリー』。
魔界への入口のトンネルは『
ツィゴイネル・ワイゼン』の鎌倉の切り通し。
湯屋の従業員の男女(?)は『
百鬼夜行図』。
油婆々がカオナシを攻撃した業(わざ)は「
かめかめ波」。
で、湯屋の外の廃墟にあった店の看板に「
めめ」というのがあって、千が銭婆々の家に向かう電車の中にも、「めめ」印の荷物が積んであった。
これは
つげ義春の『
ねじ式』の「メメクラゲ」となにか関係があるのかなあ、と思っていたら、
m@stervision氏も同じことを書いていた。
やはり、m@stervision氏の映画レビューは面白い。『千と千尋・・』のクライマックスについての意見なんて、感心して読んでしまった。たしかにたしかに。
たしかに宮崎アニメって、最初テンポゆっくりで後半もりあがってくるのはいいが、ラストがあっさりしすぎではあるよな。単純に製作時間切れが理由のような気もするが。
次にこの手でみたいのは・・・・『
シュレック』かな。
『千と・・』の上映館の予告編で観た中では『
助太刀屋助六』。
岡本喜八、6年ぶりの新作とくれば観たいではないか。腕は衰えていないだろうな。
日比谷スカラ座『千と千尋の神隠し』
娘はとっくに見に行っていたのだが、親はやっと今ごろ見ることができた。
たしかに映画史に残る傑作です。
全編、いつか夢で見たような光景ばかりではじめてなのに懐かしいのには参った。
なんといっても『もののけ姫』のたたら場がスケールアップしたような湯屋(油屋)が圧巻。あんなところがあったら私も八百万の神になって湯治にいってみたいものだ。まあ、私の食い意地の悪さでは妻と一緒にたちまち豚になってしまうだろうが。
その他色々なイメージを連想させてもらった。
あの湯屋の光景は谷崎潤一郎の『美食倶楽部』を連想させた。
「坊」と「子供部屋」と「湯婆々」は『アキラ』の似たようなキャラと部屋を連想させる。
河の神のエピソードや釜爺のキャラクターや海に沈んだ鉄路など、ツボにはまりまくりなシーンの連続。千とハクが空を飛んで、記憶が戻るシーンでは、珍しく目頭がうるんできてしまった。
気になった点は二つだけ。
CGを駆使したリアルな部分と手描き風味の背景と伝統的なアニメキャラと三つのテイストが少々違和感を感じる部分があった。そのうち自然にシームレスに融合するようになるのだろうか。
ラスト直前に銭婆がくれた髪止めが、クライマックスで全然使われなかったこと。ちょっとだけ拍子抜け。
ということで、今日は満足満腹感で眠りにつけそうだ。
近頃のコンピュータウイルスは、システムをダウンさせる、データを破壊するといった「粗暴犯」は減って、ヘンな画面を表示させる「愉快犯」や情報を漏出させる「詐欺犯」が目立つようだ。
現実の人間に感染するウイルスや病原菌や寄生虫も、発生初期は激烈な症状を引き起こして感染者や宿主を死にいたらしめるが、段々毒性の弱いものになって宿主と共生するようになっていく。
考えてみれば当然で、大事な宿主を殺してしまっては、共倒れになってしまい、病原体も子孫を増やす機会が減ってしまう。だから致命的かつ迅速に症状が悪化するような病気は短い期間に菌をばらまけるよう、伝染力も強いが、宿主集団が全滅すれば、寄生体も滅亡である。長い目で見れば、感染しても宿主がちょっと不快をおぼえる程度の寄生体の方が、子孫をたくさん残すのには有利なのだ。
ヴァーチャルな世界のウイルスも似たような進化をしているのかと思うと、なんだかおかしい。
そのかわり感染力は一頃より格段にアップしている。もちろん、最大の主因はインターネットの普及だろう。スタンドアロンでPCを使うのがスタンダードだった頃は、感染の経路の大部分はフロッピーディスク、せいぜいがパソコン通信だった。
今のネットを介しての爆発的な感染は、かつて一地方の風土病にすぎなかった梅毒が、コロンブスのアメリカ「発見」とともに一気に世界中に広がったことを連想させる。日本にもすぐ鉄砲とともにポルトガル人が持ってきて、あっというまに蔓延した。
しかし、いくら本当のウイルスや病原菌に似ていても、所詮コンピュータウイルスはプログラム。人間がシコシコ作ったもので、自然発生したものでも「進化」したものでもない。
ただ「自己複製」するところは生命の萌芽を感じさせないでもない。
これが複製するときのコピー間違いによって突然変異が起き、それが自然淘汰によってふるいにかけられて、強力なウイルスができれば完全な人工生物でありヴァーチャル進化だ。
まあ、生物ではなくプログラムだから、突然変異体は単に「動かないプログラム」になって、とても淘汰されるところまではいかないだろうが。
そこでアイデアがある。
「二倍体ウイルス」である。
通常の生物が染色体を二組持っているのは周知のとおりだ。それと同じようにプログラム本体を二組持っているコンピュータウイルスを作る。ルーチンごとに優性劣性があり、どちらが働くかは決まっている。普通の自己複製はまるごとコピーして増えていくが、同じPC上に同種のウイルスを発見すると、プログラム染色体一組だけをコピーする減数分裂をする。そして別のウイルスが減数分裂して複製した配偶子と合体して新たなウイルスプログラムを誕生させる。
「交配」するわけですね。ひらたくいえばセックスするわけであります。
もちろん、ちゃんと動くかどうか保証の限りではないが、突然変異が起こってもそのプログラム遺伝子が保持されて次代に伝わる可能性は高くなるだろう。対になっている染色体のルーチンの補助動作が期待できるからだ。
もちろん、ウイルス本体の動作はただ増えるだけにして、環境を破壊するような致命的な動作を組みこまないことが肝要だろう。これは倫理的理由からではなく、そうした方がプログラム遺伝子の繁殖に有利だからだ。
こうしてネットの海にばらまかれた二倍体ウイルスが進化して、知能を持ち、いつの日か人類をおびやかすような怪物があらわれるかもしれない。
危険?
もちろん、今の技術ではできっこないから、いくら夢想を綴っても安全だが、本当の人を継ぐものはそういった意外なところからでてきそうな気はする。
もし、そうなったら、後継者を創ったという満足感をもって、人類は彼らにいさぎよくバトンタッチをすることができる、かな?
今度苦労するのは彼らなのだ。
それとも彼らには「苦労」なんて感覚はないのかな?ちょっとくやしい。
いやあ、あの有名ウイルス
Badtrans.Bワーム氏が、やっと、わがやにもご来駕くださりました。巷では「十通来た」「おれなんか百通だ」と大ブレイク中らしいのに、さっぱりお目にかかれなかったので、なんだか嬉しい気分だ。
うちは
InternetExprolerと
OutlookExpressという悪名高き組み合わせだが、最新版にしてプレビューオフにしてウイルスチェックソフト入れて、と一応対策は施してあるので、今のところさしたることはない。
対策をしていない、知らないうちに感染してるか心配な人は、PCのハードディスクに下記ファイルが無いか「検索」で確かめてみてください。
●
whatever.exe 複数感染するとwhatever[n].exe (nは数字)になる。
●
kernel32.exe ワームの本体でc:\windows\systemディレクトリーに入る。
kernel32.dllはウイルスと無関係な重要なファイルなので、間違えて削除しないように。
●
kdll.dll キーボードの入力をばらすソフト。同じディレクトリーに存在。
もしワームが活動してるとレジストリが下記のように書き換えられている。
キーワード:
\HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce\Kernel32 値:kernel32.exe
以上のレジストリの値とファイルを削除すれば駆除できますが、詳しくは下記のURLあたりを参考にしてください。
http://www.ipa.go.jp/security/topics/newvirus/badtrans-b.html http://www.symantec.com/region/jp/sarcj/data/w/w32.badtrans.b%40mm.html◇
対策を施せないような奴は端迷惑だからPC使う資格なし、的な論調も見かけるが、これだけネットが普及した現在、それは言っても詮無いことだ。なんといっても悪いのは、一にウイルスは造った奴、二に穴だらけのメイラーやブラウザーを作ったメイカー、三に雑駁な使い方のユーザー、というところだろう。
二のメイカーであるMicrosoftはボロクソにいわれているが、メジャーだからこそ狙われるので、他のマイナーな製品なら完璧かといえば、そんなことはあるまい。だいたい完璧なOSやソフトなどありえないので、悪意と技術と根気をあわせ持った人間をシャットアウトすることは現在も未来も不可能だろう。
当然、一の犯罪者にしても、三の被害者(兼悪意なき共犯者)にしてもゼロにすることは人類の見果てぬ夢だ。法律を整備して教育に力をいれれば、限りなくゼロに近づけることは遠い遠い将来にはできるかもしれないが、今は実現可能性の方がゼロに等しい。
秘密は洩れるもの、データは消えるもの。当分は「こういう社会なんだ。システムなんだ」と割り切ってネットに接していくしかないだろうと思っている。個人的には、被害に会う確率を低くするため常識的な対策は面倒がらずやっておく、大事なデータは外部媒体にバックアップをこまめ(最低一日一回)に取る、ぐらいのところか。
もし、被害にあったとしても、たかがデータだ。爆弾が降ってくるわけでもあるまいし、少々機密やプライバシーが洩れたところでどうだというのだ。
死ぬわけでもあるめえさ。
◇
ヴィンセント・ファン・ゴッホ『ファン・ゴッホの手紙』(二見史郎編/圀府寺司訳/みすず書房)購入。
さて、いよいよ皇室典範改定かな。
もし、女性天皇の可能性もあるとなると、困ったのは財団法人日本相撲協会だろう。神道の元締めのような天皇が女性では、「土俵が穢れるので女性は絶対上がらせない」というのは通るまい。
文字通り、土俵際に追い詰められたか。
さてさて、どうする。
◇
『うまい犯罪、しゃれた殺人』読了。→レビュー。
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