May 04, 2004
良いところを見つける
Communication | Game人間には2種類の人種がいる。すなわち、「良いところを見つける」人種と「悪いところを見つける」人種である。
…ということを、人気のBlog、Passion For The Futureさんの「おしゃべりな人」が得をする おべっか・お世辞の人間学を読んで思った。
「おべっか・お世辞」という言葉には余りいい響きがないが、適切なTPOでの「おべっか・お世辞」は悪いどころか、コミュニケーションの潤滑油になる。明らかに的外れな「おべっか・お世辞」はかえって不快感を招いてしまうかもしれない。しかし、どんな小さいことでも掘り起こしてさりげなくほめることができれば、相手も悪い気はしない。似た本として「ほめる」技術なんてのもある。相手の「良いところを見つける」タイプの人と、「悪いところを見つける」タイプの人では、こういった場面での行動が全く異なるものになるのは想像に難くない。
ひとたび、ビデオゲームやPCゲームに目を転じてみると、いわゆる「レビュー」サイトでも、同様な現象が見受けられる。つまり、ゲームの「良いところを見つける」人と、「悪いところを見つける」人の違いである。もちろん、ゲーム製作者にとっては、べた褒めされるよりは、問題点を的確に指摘してもらえる方がありがたいのかもしれないが、一方で悪いところばかりあげつらわれてはモチベーションは下がるだろう。褒める所と課題を指摘する所の適切なバランスが必要となる。
そもそも、ゲームを遊ぶというのは、楽しむためにやっているはず。とにかく欠点を見つけてやろうとあら捜しをするプレイが楽しいとは思えない。出来る限り良い所を見つけ、そしてメーカにはそこを伸ばして貰おう、という姿勢の方が楽しくないだろうか? (欠点を見つけるのが楽しい人はごめんなさい。そのままでいいです。)
一時が万事、物事の「良いところを見つける」ことが習慣になっている人は、「悪いことを見つける」ことが習慣になっている人よりも、「楽しく生きる」という面で、大きな違いになってくるはずだ。
「良いところを見つける」スキル、身につけたいものである。
January 21, 2004
「キャラクタが似ている」とはどういうことか
Game | Subculture2つ続けてやや真面目な(もしくは深刻な)エントリだったので今回は軽い話題で。
昨年の紅白の大トリでも歌われたSMAPの「世界に一つだけの花」(槙原敬之作詞)では、人は皆個性を持ったオンリーワンなのだから、人と比較しないで、ということであるのだが、現実的には、人をある場面である機能を果たす存在としてみた場合、私を含めて99%の人は差し替えが可能な程度の「個性」でしかないし、仕事、資産/収入、恋愛、学校など様々なところで弱肉強食の階層化が進んでいる訳で、それを一切比較しないというのは難しく、余り慰めにならない。
唯一、恋愛のみが盲目的に人を「オンリーワン」にし得る魔法(幻想)であるのだが、ここではそれは本題ではなく、恋愛アニメ/ビデオゲーム(以下単に恋愛ゲーム)において、「キャラクタが似ている」というのはどういうことか、を考えるのが今回のテーマである(強引な前振り)。
手前味噌ではあるが、当サイトのヒロインデータベース「Ragna」においてキャラクタAとキャラクタBが似ている度合いを示す「類似度」は2004/01/21現在以下の評価式で行われている。
類似度=(基準類似度)
+k1Σ(各属性強度)*(キャラクタAとキャラクタBで一致している属性)
-k2Σ(各属性強度)*(キャラクタAとキャラクタBで一致していない属性)
-min(k3(キャラクタA年齢-キャラクタB年齢)2,(年齢補正値上限))
-min(k4(キャラクタA身長-キャラクタB身長)2,(身長補正値上限))
-min(k5(キャラクタAバスト-キャラクタBバスト)2,(バスト補正値上限))
-min(k6(キャラクタAウエスト-キャラクタBウエスト)2,(ウエスト補正値上限))
-min(k7(キャラクタAヒップ-キャラクタBヒップ-)2,(ヒップ補正値上限))
+(血液型補正値)
※min(x,y)はxとyのうち小さい方の値。
※k1~k7は定数。
※年齢や身長など設定がない部分は固定の補正値が適用される。
基本的に、キャラクタにおける「機能」であるところの「属性」を中心として類似度が計算されている。加えて、想像上のキャラクタは、現実世界とは異なり、体格および血液型といった設定の全てに多くの場合、「個性」が仮託されている(誕生日のみ、相関が低いと考えて評価に入れていない)ので、これらも類似度に反映されている(例えば、身長が高い妹系キャラ、というのはほとんどいない)。
さて、この評価式は皆さんの感覚にうまく合致しているだろうか。こんなことを考えたのは、どうも最近、類似評価の精度が低いように感じたからである。「眼鏡っ娘」「内気」「真面目」「文学少女」とか、「ロリ系」「お兄ちゃん」「ツインテール」のようにステレオタイプなキャラクタを持ってこればともかく、そうでない場合、これは違うんじゃないか? という違和感を覚えることが少なくない。
類似評価の精度が低いのは、言うまでもなく、この評価式がシンプル過ぎるためである。例えば、精神年齢を軸に属性を振り分けてみると、「お姉さん系」「お姉さま系」「姐御肌」のグループと、「ロリ系」「子供系」「お子様」のグループは、反対側に属することになっていいし、同じグループ内では比較的相性が良いはずだが、上記の評価式では属性が一致しない限り(属性強度係数の差はあるにせよ)全て対等に「異なる」、という評価にしかならない。これでは精度が上がらないのも当然であり、この辺りに改善のヒントがありそうな気がする。
恋愛ゲームはキャラクタビジネスの最も典型的な形のひとつであり、全く突飛なキャラクタでは受け入れられないし、かと言ってベタ過ぎるのも、一時は受け入れられたがそろそろ受けが悪くなってきており、どこにオリジナリティを入れていくかということは、マーケティング面から見ても非常に興味深いテーマである。
皆さんは「キャラクタが似ている」と言う時、何をもってそういった判断をしているだろうか。こうすればもっと精度が高まる、という良いアイデアがあれば、教えて頂ければ幸いである。