Columns: Partner Style
出会わない系
Partner Style | Society以前、ラブハラスメントの「発見」において、「恋愛のグローバル化」ということを自明のように書いたが、ちょうど出会い系というビジネスモデルという興味深い記事が出ていたので、これに絡めて若干補足しておきたい。
この記事で、「出会い系」について、社会悪か? 社会システムか?という副題がついているが、恋愛のグローバル化、全体最適化を支える社会システムであることは間違いない。しかし、悪かどうかは、人によっては悪であり、人によっては善である、としか言えない。
グローバル化というのは、要は商品価値がグローバルレベルで比較されるということである。今、人件費の高い日本から製造業やIT産業がどんどん中国やインド、そして東南アジアへとシフトしているが、同じことができるのなら、よりコストメリットのあるところを選ぶというのは避けられない方向性だろう。
恋愛や結婚のシーンでも全く同じである。先の記事では、
まさに男女の出会いも従来は組織依存であった。村社会の中での長老に決めてもらう、地域コミュニティの中でのお見合、企業がお嫁さん候補として女性社員を雇う時代など出会いは組織体の信用構造の中でメカニズムとして作られていた。しかし,出会い系は自分一人の力で数多くの中から自分に会う女性と出会うことを簡単にしている。
とあるが、恋愛や結婚のグローバル化は、商品価値の高い人によりパートナの選択肢が広がるというメリットをもたらす一方で、商品価値の低い人の機会がますます失われることになった。
かつて、非婚者への風当たりが強く、地域社会や企業内の比較的狭いマッチングシステムによって、「よほど」でなければ自分の商品価値に見合ったパートナを見つけられていたところでは、非モテ性が隠蔽されていた。「たで食う虫も好き好き」というのはそうしたシーンでのある種の慰めの言葉であった訳だ。しかし、恋愛や結婚のグローバル化とともに、結婚圧力の低下・シングルの肯定によって、人は自らの非モテ性に自覚的にならざるを得なくなった。言い換えればもはや「誰もたでなんて食わなくなってしまった」のである。
お馴染み「Simple -憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向な日々-」の「モテない者はますますモテない -男女交際におけるマタイ効果- 」「モテない者はますますモテない -男女交際におけるマタイ効果- その2」もかなり手厳しい。
(すこし脱線するが、ここで興味深いのは、女性と男性のパートナ保有率に差があることである。恐らくここで起こっていることは、逆向きの矢印をつけてあげるとこういうことではないだろうか。
つまり、男性の方が女性に対する敷居が低い、ということ。)
非婚化による少子化が懸念されて久しいが、問題なのは、自分の商品価値に見合ったパートナでなければなかなか上手くいかないにも関わらず、自分の商品価値がビジネスと違って分かりにくく、しばしば必要以上に高く値付けしてしまうことだろう。女性の社会進出によって、昔に比べれば男女の出会いは、遥かに増えているにも関わらず、ハナから「ありえない」と対象外にしていることが多いのではないだろうか。もう一度引用させてもらえば
たくさんの異性と接していれば、それだけ異性に対する評価・判断も厳しくなり、恋愛対象外の人は増えてしまう。
ということになる。
加えて、恋愛や結婚のシーンでも、更に一歩進んだグローバル化、国を越えたそれに関心が寄せられている。ただし、その内容は女性は欧米や(韓流ブームによる)韓国志向、男性はアジア「志向」と、微妙に異なっているようだ。いずれにしても、様々な理由で、商品価値がグローバルで比較されるという時の、グローバルがより広い範囲を意味するものになってきているのは確かである。
誰ですか、今や次元をも超えるとか言ってるのは。
Posted: 2004年04月11日 02:24 ツイートsimpleさんところのマタイ効果が引用されてますね。
これは私も感じるところで、(ここでいうところの)
グローバル化が促進されれば、確率論的な意味だけ
から言ってもこのような事態は加速されると私も
思っています。男性も女性も選択の機会が増えれば
増えるほど、モテ-非モテの連続的序列化は
顕著になり、対異性コミュニケーションスキルの多寡が
モノを言いやすくなるでしょう。
そして、銀座や青山と私の住む長野や上田を比較
すると、よりグローバル化が進んだ都会のほうが、
実際問題この事態が促進されているでしょうし、
(それを反映してか偶然か)都会のほうが、遙かに
対異性コミュニケーションスキルが洗練された
男性をよく見かけます(たぶん、これはこの問題と
相関があるとはいえ、偶発的なもので、単に
田舎と都会の文化格差のように思えはしますけど)。
一方、秋風さんが付け加えたことを私も感じて
いました。Simpleさんとこでも書いている通り、
女性のほうが「選ぶ権利」を保有しているせいか、
女性のほうが「いい男」にうるさいように思えます。
ただ、これを進化生物学を引用すると、「男性は
配偶者を換えたり複数の相手と密かに換える事が
繁殖戦略として繁殖率を最大化しがちであるがゆえに
そういう性質を持つ傾向が強く」、「女性は反対に
(男性と比較してですが)一人の優秀な配偶者を
しっかりキープしたほうが良く、少なくとも異性を
とっかえひっかえする事にメリットが殆ど無かったが
ゆえにそういう性質を持つ傾向が強くなっている」という
淘汰圧による生物学的特徴と一致します。
ゆえに、異性に対するうるささの傾向は、社会的な
圧力によって出てきたものというよりも、恋愛の
グローバル化を通して、生物学的特徴がわかりやすい
形で出現した、という風にも見えなくもないです。
ただし、生物学的特徴が今までの時代に無かったか
というと、話は変わってきます。詳しくは、J.ダイアモンド著『セックスはなぜ楽しいか』をご覧ください。
ともかくも、恋愛についてのグローバル化によって
促進される現象は、生物学的に見ても妥当で、自然な
もののように思えます。そして、このような状況下の
配偶者獲得競争では、個々人にとっては(容姿や感情
表出も含めた)コミュニケーションスキルの高低・経済力
等々が極めて重要になってくるのでしょうね。そして、
女性はどーだか知りませんが、男性は競争と淘汰が
極めて鮮烈になる事疑いありません(女性のほうが
うるさいですからね)。
精進したいものです。
Posted by: シロクマ : 2004年04月11日 12:12うわっ!これって表に残っちゃうのか!?ひー
Posted by: シロクマ : 2004年04月12日 12:01お久しぶりです。
萌えゲーの最前線プレイヤーを退いても時々ネタの為に巡回していたのですが、国際結婚者として気になる話だったんでコメントをば。
結婚のグローバル化の話ですが、日本人男性対外国人女性と、日本人女性対外国人男性の場合、だいぶ事情が違うように思えます。
日本人男性対外国人女性の場合、日本人男性の側が容姿や趣味嗜好の問題、地域的事情等で日本人女性に相手にされないケースの人が考えていることが多いように思えます。
で、外国人女性は大概、家柄や国情による結婚圧力が強かったり、家庭に縛られる生活をしたくなかったり、経済的に豊かな生活を望んだりするケースが多いようです。それ故、多いのはアジア系。時々中南米やロシアとかがいるかなぁ。西ヨーロッパやアメリカとかは少ないと思われます。
ただ、国際結婚したからといって、実際のところ上手くいかなくなる率は高いようです。
金銭目的の結婚に引っかかる方も相当数に上りますし、離婚歴のある方と結婚したケースなんかだと、母国で巨額の借金抱えて逃れてきたようなケースも少なからず聞きます。良心的でない結婚相談所等の紹介なんかだと、そういう情報は言語の壁を利用して故意に双方に伝達しないケースが多く、金銭的に結婚が壊れるケースも後を絶たないようです。(一種のヒモにされてしまうケースですな。)
そうでなくても、文化の壁は想像以上に厚いものです。「日本文化に理解を示せる人」でなきゃ、日本人との結婚なんて無茶以外の何者でもないんですが、仮に自身がそう思っていても、日本に来て自身の想像が全然違っていた、なんてことも多々あるわけで。で、結果的に妻が日本での生活になじめなくなることも少なからずあるようです。
勿論、当たりのケースも結構ありますよ。日本だけをターゲットにしたら探せないような思わぬ掘り出し物を見つけるケースも高いですし。
全般的に、リスクも高いが当たりを引いたときのリターンも大きいのが国際結婚なんじゃないかというのが、私観ですな。
ただ、決断するなら早めに。早めなら当たりを引く率はそれだけ高くなると、私は思うんで。流石に40代以降だと、金目当ての者とか借金逃亡者とかを引く率が高くなるようなんで。
逆に日本人女性の場合は、日本人男性を見てみんなつまらないから外国人に白馬の王子様を見るってなケースが多いのかと。
多いのは欧米系(白人・黒人問わず)、イスラム系の方、あと韓国人とか。各個毎決め打ちになるけど、ジャンルは結構幅広いのではないかと思われますな。
こちらの方は上手くいくのでしょうか?私には分かりませぬが。
与太話、スマヌ。
Posted by: きむてぃー : 2004年04月12日 21:38追加。
>誰ですか、今や次元をも超えるとか言ってるのは。
次元が違うのは別腹です(爆)。
Posted by: きむてぃー : 2004年04月12日 21:48To: シロクマさん
#Blogツール上必ず表に出てしまうようです。
#まずいと思われる箇所がありましたら編集しますので仰ってください。
「繁殖戦略」は書きませんでしたが、頭にはありました。あとは、年上男性-年下女性の関係が比較的多い中で、少子化により需給バランスが崩れてきているということもあるのかもしれません。いずれにしろ男性にとっては競争が厳しいということは間違いないですね…。
都会と地方では、店揃えが違いますので、ファッション面で格差ができてしまうのは避けられない部分があるかと思われます。ただ、「見られる」頻度の違いもあるでしょうね。
Posted by: 秋風 : 2004年04月18日 01:22To: きむてぃーさん
お久しぶりです。
与太話だなんてとんでもない。大変参考になるお話、ありがとうございます。日本というブランド、比較的安定・安全な自由社会、経済格差、といったウリを持っているので国内より有利に立ちやすい反面、動機が素直じゃなくなる場合が多そうな感じですね。一番腹立たしいのは人の弱みに付け込む業者ですが。
>次元が違うのは別腹です(爆)。
「脱オタ」から「兼オタ」へ、ってヤツですか。(笑)
Posted by: 秋風 : 2004年04月18日 01:41今日は~^^またブログ覗かせていただきました。よろしくお願いします。
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