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2007年04月26日

ニュースメモ(2007/04/22-2007/04/28)

News

【2007/04/26】
[society] 2007年度 新入社員意識調査(要旨)
安定志向が一段と上昇。

[society] 「少子化と生活の安定感との関係」調査結果 ~日常生活の不安定感が少子化を促進している~
日常生活の安定感が高いほど、予定の子どもの人数が多くなる傾向。

[society] 日本企業の労働生産性問題~中堅・中小企業の生産性は趨勢的に低下~ (pdf)
つまり「生産性低下」は内的な問題以上に個人消費低迷により価格競争が激しくなりデフレ化していることが原因、と。

【2007/04/25】
再放送で「介護の人材が逃げていく」を観ました。今更な内容かもしれませんが、今まで意識していなかった人に危機感を持って貰うにはまずはこれでいいのでは。しかし、これは…散人先生の仰るように使い方の問題もあるでしょうけど、サービスの対価を意識するという意味でも、利用者が自分で払う割合を高くして、総原資を増やす方向でもいいのでは。むしろ今であれば、高齢者や団塊世代の資産は比較的ゆとりがあるかもしれませんが、将来的にシニアフリーター層が介護対象になる頃には老後の資産的にぐっと厳しくなってくるはずなので。
関連: [society] 天漢日乗: Nスペ 介護の人材が逃げていく@3/11 21:00-21:50 NHK総合
関連: [society] NHKスペシャルが報道しない老後における格差社会
関連: [society] NHKスペシャル「介護の人材が逃げていく」 あなたの老後は大丈夫?▽高齢都市東京の落とし穴
関連: [society] mocobakaの徒然日記:介護の人材が逃げていく(2007.03.12)

[society] 人手不足下で賃金が伸びない理由 (pdf)
今後は人手不足によりパート労働者に依存することが難しくなることで(平均は)上昇方向。

[society] 即興政治論 考えるポイント見方のヒント「今の日本、希望が持てますか?」 (pdf)
個人の希望の行き詰まりをマクロの希望で解決しようとすることの危険性。

[society] 狂童日報 - 自殺について
景気が回復すればいいのかということへの疑問。

[society] はてなブックマーク - 痛いニュース(ノ∀`):「消費税を16%に上げ、法人実効税は35%に下げよう」 経済同友会、税制改革提言を発表
[society] 社会のために皆が願いを込めて納める税制への改革
税制をガラガラポンして何歳代の年収いくらのどういった世帯構成の人の負担がどれぐらいになるのか、ということが分かりにくいですが、中間層が辛いだろうな、ということは想像つきます。消費税を基幹に置いていくことは、賃金労働者にとってはウェルカムではあるはずと思うんですが。

[business] 消費の行方―市場は「心」の領域へ― (pdf)
個人消費の停滞は一時的なものではなく、今後は平時のこと。機能から体験、モノからコト、など色々言われているところ。

[business] サービス研究の現状と今後の展望
うーん…数年前からの研究ステータスの進歩がちょっと分からない。

[business] 新生日本の幕開け
週刊ダイヤモンドのタイミングを狙ったんでしょうか。

[work] 派遣社員は同僚じゃないのか
[work] 派遣社員は同僚じゃないのか:補足記事
人としての心配と、ビジネスとして結果を出すことはまた違いがありますから、チェンジして新たな労働力を「派遣会社に」要求するのは当然な気もしますが、他の会社の社員の個人の人生まで配慮してるのはかなり志が高くないとできないだろうなと。
関連: [work] ワーキングプア1
関連: [business] 楽天市場、売上責任者のジレンマ?

[work] 平凡な人は平凡な就職活動をすればよい
これは確かに学生が正しそう。新卒カードは1度しか切れないですから、(普通の人は普通の人は)最初はできるだけブランドや規制、設備などのある「元締め」を選んだ方がいい。

[subculture] なぜオタクは子供向けコンテンツから卒業出来ないかが、相対的な視点でわかる「ジャニヲタ 女のケモノ道」
[subculture] 神谷巻尾・編『リビドー・ガールズ』を読む。
2種類の。どちらも凄い面白い。

【2007/04/23】
[society] 格差論バブル
実際の格差よりも、格差論の方が盛り上がっていることに対する批判。もっとも、経営層と社員の間の格差は誰も問題視しておらず、資本家と労働者、正規社員と非正規社員間の格差や、世代間格差が問題視されているのだと思います。

[society] 採用試験がピーク 企業は“使える学生”をどう見抜く?
(何に対してか分かりませんが)受験組が3割はびっくり。日本の大卒の場合、その大学に受かったことぐらいにしか価値を見出していませんから受験してないとなると話が変わってきます。
関連: [society] トンデモ内定社員 「ゆとり」チルドレンの就活

[society] 急がれるわが国労働市場改革~フレキシキュリティ政策への転換~ (pdf)
「フレキシキュリティ」は初めて聞く言葉ですが、「フレキシブル」+「セキュリティ」で、柔軟で流動性が担保されており、かつ雇用確保を目指す。

[society] Who are ''You'' ?:ヴァージニア工科大学の犯人について
どちらかというと、Person of the Yearを想起した。

[education] 学力低下と格差解消のジレンマ-教育版ネオリベ政策と復古主義のグロテスクな結託
学力と復古主義的規範意識はセットではない。
関連: [education] 〝風通しいい〟学校目指せ

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2007年04月21日

ニュースメモ(2007/04/15-2007/04/21)

News

【2007/04/21】
[society] 生産性向上論議の問題点
観光で消費が増える業種とそうでない業種がありますから、そうでない業種をどうするかはありそう。

[society] 官民協力による若年者雇用対策の充実について-労働市場のマッチング機能強化に向けて- (pdf)
トライアル雇用制度や実践型人材養成システムの活用を提言。

[society] 人材が集う企業へ~多様な働き方を尊重し、自ら考え選択できるしくみを~ (pdf)
雇用形態の多様化から自分で選択できる多様化へ。

[society] “黄砂テロ”は、中国の、そして世界の水危機の表れだ
人口増加や環境問題により、中国を始め水資源が不足化。

[society] 介護危機
介護報酬を原資にしてるため人が不足していることで賃金が上がるという市場機能が働かない。

[society] キャバクラで考える日本の将来。
欲しい移民のルールを明確化することで、海外からの移民の魅力を高める。

[society] ワーキング・プアから抜け出せないシングル・マザーたち
偉い人は現状を見えているか。

【2007/04/17】
[society] 今ここにある格差社会の性格——進行した分配革命
ブーメラン?

[society] 日本の労働生産性、米国の7割 サービス業が低調
EU:求められるサービス貿易の活性化を通じた統合の深化」が関連するのでしょうけど、まだ本体はネットでは出てないですかね。とにかく、中身を掘り下げないと何とも。一言にITといってもハード・デバイスは製造業ですが、インターネットサービスやSIはサービスでしょうし。記事にある「流通、運輸、飲食・宿泊」に含まれてない、金融・医療・福祉・人材サービス関係の広義サービス業の方がインパクトでかい気がしますが。

[society] 世界中で人手が足りない! 中国やインドの労働者は無尽蔵だったはずが…
絶対数が足りないというよりは世界中でのミスマッチ。

[society] 大学生の就職希望企業(『就職ブランド調査2007』より) (pdf)
給与や雇用の安定性を重視する傾向が強くなってることが分かります。

[society] 総合的な自殺対策の推移に関する提言 (pdf) / 参考資料 (pdf)
青少年・中高年・高齢者に分けてそれぞれに対策を提言。中高年ではうつ病が最大要因。青年のインターネット自殺では「孤独化」も。自殺未遂は2,30代女性が、自殺は4,50代男性が多い。

[business] ブラジル、露は低成長の恐れ BRICsブームの実態 (pdf)
(当前ですが)個別に判断する必要。

[business] 農業2.0 「強き国内農業市場を、活力ある地域社会の実現を目指して」
[society] NHKクロ現:忍び寄る穀物高騰……誘導の方向がとてもクサイ!
先生はいつものですが、いずれにしても逆に日本から海外への輸出を含めて考えて行かなければならないのかなと。
関連: [business] 農業農林水産省: 農業生産法人以外の法人の農業参入の状況 (pdf)
関連: [business] 国内市場の縮小

[work] デイトレーダー型新入社員を見くびるな
本人が楽しいと思うことと、企業・組織のミッションをどうすり合わせるかですかね。自分が楽しいことでも、新入社員がどうかは違うでしょうから。

[work] 部下育成の心理学~学習する組織の本質~
成功の原因は能力、失敗の原因は努力。

【2007/04/16】
再放送の「BS特集「オーストラリア大干ばつの波紋~岐路に立つ日本の食糧依存~」」を観てましたが分かっていることとは言えすでに現時点でさえここまで中国などとの食料輸入競争が厳しくなって来ているというのは衝撃でした。(番組のあらましはこの辺とか。) ある意味では輸入食料価格が上がることで国内との差が小さくなるとも言えるのかもしれませんが。

[society] ゲーリー・ベッカー、日本の経済格差を語る
好景気によってある程度底上げはされるとは思いますが、新卒の売り手市場の中でも2極化が起きてるぐらいですから、相当景気が突き抜けないと、まだまだ労働需要の逼迫は起きない気もします。

[society] ワーキングプアを救済する方法
仕組みをシンプルにすることで、運用にかかっている無駄を省く。

[society] 長野市にも増えるワーキング・プア。
変化を直視しない国。

[society] マイケル・ジーレンジガー『ひきこもりの国』紹介続き・書評・感想
日本の弱点。「安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方」にも通じる話?

[communication] 友達は労働。
ドキリとした。

【2007/04/15】
[society] 「金利」から「配当」への流れ~「貯蓄から投資へ」の背景にある資金フロー~ (pdf)
企業から家計への資本移転が、金融機関による預貯金の利子から、企業による配当に変化することで、投資の余裕がある世帯がより有利に。

[society] [ゴーログ] この国は企業を存続させるためのお金がかかりすぎる!
法人税率の適性化問題では、法人税が高いと企業が海外に逃げてしまうということが挙げられますが、すでに企業を存続させるためにお金がかかり過ぎてるのだとしたら、どんどん移転してもよさそうなものですが…。

[society] 「職場は上海」求むフリーター、パソナが20代対象に
[society] 「フリーターの皆さん、上海で働きませんか」人材派遣のパソナが20代対象に …月給約12万円、研修参加費12万円
一見酷い話ですが、最低賃金の引き上げが進むと、それ以上の経済価値を産まない人をどう雇用するかという課題が出てくるため、1つの解でもあるのかも、と。ただ、ほぼ2度と日本に帰ってこれなくなりますが…。

[society] 他殺による死亡者数の推移
景気や失業率と相関。

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2007年04月12日

ニュースメモ(2007/04/08-2007/04/14)

News

【2007/04/12】
実験的コンテンツとして、非コミュ指数テストを作ってみました。フィードバックを頂ければ幸いです。→統計モードを追加しました。集計してみると、非コミュ基準が低くて乱発され過ぎ感もあるかも。

[society] 日経:日本の労働生産性、主要国で最低
この辺の生産性の議論は気になっているんですが、内閣府には印象じゃなくて是非中身のどの部分で落ちているのかの要因を分解し掘り下げて欲しいところ。印象レベルだと、大企業の雇用保障の高さゆえ生産性の低い人がたくさんぶら下がってるため、とかコミュニケーションコストがかかり過ぎて1人当たりの原価が上がっているためと思えますが。

[society] 「日本の未来は本当に大丈夫か」―改めて問う少子化対策―
今後50年を見据え、「繁栄とは言わないまでも衰退や没落を免れ、子孫に悲惨な運命をもたらさない」ために取り組むべき対策について、政府や民間企業への経済同友会による提言。

[society] 格差是正の「本当の線引き」はどこにあるか
「中流層とワーキングプア層」「40歳以上と30代以下」の2つの線引き。40歳以上中流層のマジョリティの税負担が増加する政策が取れないということだけからすると、マイノリティから取るということもありそうですが。

[work] 営業力かぁ
長期的関係を築くならまさに。

[work] 組織で働くということ
個人の目標と組織の目標の接点を見出す。

[subculture] MMORPGにおけるMBTIのプレイスタイルへの影響
MBTIタイプとMMORPGプレイスタイルの関係の分析。

【2007/04/10】
[society] 米国の高額役員報酬への批判の背景
超・格差社会アメリカの真実」が詳しいですが、米国と比べると日本の(ベンチャーとかを除く)企業のトップマネジメントの報酬は笑えるぐらい低い(不労所得者は高いが)。その辺が日本では不満でしょうけど。米国のそれは株主を向いた経営である以上避けられない部分もあります。

[society] 2006年度「能力・仕事別賃金実態調査」結果概要 ホワイトカラー18職種の職種別賃金を全国調査
入ってからの伸びが違うため、新卒で見ても全然意味ない、ってやつ。

[society] ホームレス人数
元ネタは「ホームレスの実態に関する全国調査報告書の概要」。先日のマック難民とか、ネットカフェ難民はカウントされていない? より分断・不可視化する傾向か。

[business] ガールズバー
新しいコミュニケーションサービス形態として。

【2007/04/09】
Bunkamuraの「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」を観てきました。素描が多くて密度的にはかなり物足りないですが、「肩をあらわにしたジャンヌ・エビュテルヌの肖像」が良かったです。モディリアーニのイメージ変わった。

[society] 望まれる主婦の労働力強化
テレワークの活用により、M字型カーブを解決していく可能性。

[society] 医療現場もう限界…日本医学会総会で“崩壊寸前”報告
医師のQOL。

[society] 道州制の導入に向けた第1次提言-究極の構造改革を目指して- (pdf)
徹底した地方分権に向けて2015年の道州制導入を目指す経団連提言。

[society] はてなブックマーク > ライブドア、独身30代実家暮らし男性向けニュース開始 - @IT
いや、女性版はすでに人気コンテンツの独女通信がありますから、男性版もないと不公平ということかと。ただ、「実家暮らし」という条件が付加されてるので対称じゃないんですが…。

[business] 高齢化する消費~リタイアすると住宅リフォーム・旅行の支出が増える~ (pdf)
高齢消費者の増加により、消費の多いカテゴリが変化する。

[business] 人事マネジメント「解体新書」 第一回:「採用力」の時代
採用難時代には企業の差別化のためのマーケティングが必要。

[subculture] 最速レビュー 古橋秀之『冬の巨人』を読みつつ、なんでジブリに後継者が育たないかを論ずる
早速注文してみた。

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2007年04月07日

ニュースメモ(2007/04/01-2007/04/07)

News

【2007/04/07】
[society] 活力ある経済社会を支える社会保障制度改革
経済同友会による年金、医療、介護、若年支援の社会保障制度改革提言。

[society] 少子化の進展と育児の社会化 育児保険導入により育児の社会化は進むか (pdf)
育児の社会化(親だけでなく社会全体で育てる)のための育児保険構想の評価。

[society] 拡大が続く大企業と中小企業の労働生産性格差
下請けや派遣・請負の価格低減のためじゃなかったでしたっけ。消費者が購入する最終製品・サービス以外の生産性って微妙。

[society] 長期雇用と職務給
職務を明確に規定できないのは長期雇用(例えばその職務が要らなくなったからといって簡単に切れない)にも理由があるという指摘。

[society] 立て万国の貧困者 ワーキングプアの大逆襲
新しい労働組合の姿。

[society] 日本人のこれからの資産形成
預貯金から投資信託へ?

【2007/04/02】
[society] 社会意識に関する世論調査
良くなったのは、「科学技術」「通信・運輸」「医療・福祉」。悪くなったのは「教育」「治安」「雇用・労働条件」。

[society] ネクスト・ステージ・ソサエティ 市場経済+α経済の組み合わせを (pdf)
「何もしなくても生きていける社会」が来るかどうか。

[society] 地域格差の実態と「格差不安」の背景 (pdf)
現状は大きく地域格差が開いている訳ではない。ただし、地方から都市への人口移動による人口減少社会化や地方分権・公共事業削減の中で今後格差が開いていく不安がある。

[society] グラフで見る景気予報(4月)
輸出が減速も景気は回復基調。

[society] 就業・社会参加に関する調査
職業能力開発などについて。

[society] 継続雇用制度を導入する企業の7割が対象者の基準を設定 実際には6割強の企業が、希望する社員の「ほぼ全員」を継続雇用 (pdf)
「2007年問題」から「2012年問題」へスライド、というところ。

[business] 派遣・請負社員の直接雇用化の方向性が正しいと言えるかどうか
企業の視点、個人の視点によっても違うでしょうけど。

【2007/04/02】
年度末の忙しさも一段落というところです。

[society] 出生率の実証分析-景気や家族政策との関係を中心に
一般には景気が回復することで出生率も向上したとされてますが、景気の効果は限定的という分析。

[society] 高齢化・高学歴化による賃金上昇圧力
そのための「成果主義」。

[society] 27%に急増する無職世帯~2007年中に民間ホワイトカラーに代わり世帯の多数派に~ (pdf)
超高齢社会化による年金受給者の増加のため。企業の好景気が家庭に波及しない原因の1つにも。

[society] 団塊世代の定年に関する調査
定年後も働く予定の人は85%。退職金、預貯金、定年後の「希望」「不安」について。

[society] これからの経済社会を展望した格差議論を
経済同友会提言。格差「感」の払拭のため、持続的な経済成長、政策・制度によるサポート、企業の責務を挙げる。

[society] 格差に関する調査
8割が格差は広がっているとしているものの、その理由は2/3はメディアがそう報じているから。

[society] コーヒー1杯で「宿泊」 「マック難民」が急増
ネットカフェより安さを求めて。ここ数年マック行かないんで分かりませんが、長いできないように、椅子の座り心地を悪くするとかいった話はなくなったんでしょうか。

[society] エイジングプア
高齢貧困層。シングル化が進めば更に増えることになりそうです。

[society] リッチーノ
カネ+モテ。

[society] 第2次就職バブル
年代によって極端に異なる。

[society] 平成19年度・新入社員のタイプは「デイトレーダー型」
高齢の今年度の新入社員タイプ。んー。安定志向が高まってるんじゃなかったでしたっけ。

[society] 赤木智弘「「丸山真男」をひっぱたきたい――31歳フリーター。希望は、戦争。」を読んだ。
経済的な問題だけでないというのが鋭い。カネがなくては生きることもままなりませんが、カネがあるだけではただ生きているというだけです。

[society] 脱ひきこもり支援「レンタルお姉さん」川上佳美さん
昨年も毎日インタラクティブの記事を紹介しました。レンタルお兄さんもいるのかな、と思ったらむしろお兄さんの方が多いんですね。家族以外の他者による承認、ということなんだろうと思います。

[society] 「デフレ脱却の幻想」よ、さらば(2)
昨年の物価上昇は原油価格の高騰に因るもので、その要素を除けば依然としてデフレ状態にあるという指摘。

[education] 1万人の「教育」大調査 47都道府県別374校 息子・娘を入れたい学校
公立が強い地方と、私立進学校・「お嬢様学校」が強い都市部。

[partner style] はてなブックマーク > 藩金蓮の「アダルトビデオ調教日記」 - この胸の痛みも、いつかは
いい話、というのは変かもしれませんが、いいエントリ。

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2007年04月04日

ビジネスの慣性

Business

[business] テレビとネットはそもそも融合しないのではないか?

自作ポエム交換ソフト」であるWinnyやShareはともかく、MySpaceやYouTube、Second Lifeなどの新しい生活者参加型メディアの活用が海外を中心に進む中で、Webを著作権ビジネス、特にテレビ業界がどう取り組んで行くか、という点について、日本は現状かなり遅れを取っていると言わざるを得ない状況である(*1)。

(*1)同じメディア業界でもより先行してビジネス的に曲がり角を迎えている新聞社や雑誌社は比較的Webの取り組みにも真剣さが感じられる。

昨年後半には海賊版コンテンツのダウンロードしただけで違法ということにしようと議論されていると報道されたことも話題になった。技術的な現実性に対する疑問もある(「「ダウンロード、海賊版は禁止」は実施可能か?」など)が、その点はブラウザのキャッシュや揮発性メモリ内に一時的に配置される分にはOKだが、意図的にキャッシュの外部のストレージ・メディアに保存したらアウト、ということにすればある程度は境界線を引けそうである。その意味で、コンテンツ産業にとって嬉しくない利用をしている人に、いつでも訴えられますよ、という状態にしておくことは、一定の抑止力を持つ可能性はある。

しかしそもそも、コンテンツ産業にとってやりたいことは、コピーを防ぐ事自体ではなく、同じだけのコンテンツの生産によって、いかに高い収益を上げ、かつ産業の持続可能性を保てるか、ということであるはずである(*2)。その点においてどの程度合理的な選択であるのだろうか。

(*2)超流通などの、コピー時ではなく利用時に課金するモデルも検討されているが、必ずしも上手く行っているとは言いがたく、現状はコピー(された媒体の購入)時に課金するモデルが現実的ということになっている。

Web・ケータイWebの普及という要因だけではなく、利用シーンにおける要因として、消費者の時間・関心が限られてくるということがある。コンテンツを含む娯楽産業は本質的に消費者の時間・関心を買うという要素が強いが、様々な理由でこの総時間・関心が減少の方向に向かう(あるいは消費者層が少なくとも大きく変化する)ことが予想される。今後本格的に進行する、娯楽コンテンツを消費する年代を中心とした人口減少ということもあるが、それに加え高齢者や女性、若者を中心に労働力率が向上し、かつ長時間残業の常態化やホワイトカラー・エグゼンプションなどの施策の展開によって、消費者が自由に使える余暇は減る方向に向かう可能性もある(団塊世代の引退によって高齢者の時間は増えるが)。このような中では、限定された時間で濃密な経験が可能な比較的高価なサービスに関心が集まる可能性も考えられる。

このような消費者の時間・関心がボトルネックになる状況では、コンテンツ産業の発展という課題に対して、一部の悪い利用者に目を奪われる余りに、著作隣接権者としてのコンテンツ産業と消費者の利害が対立する構図(そしてしばしばクリエイタは蚊帳の外)と捉えるのではなく、コンテンツ産業とクリエイタ、消費者がともに同じ課題に取り組むというスタンスが必要ではないだろうか。消費者をどう味方につけるか、ということである。娯楽産業はコンテンツ産業だけではない。旅行業界にしろテーマパーク業界にしろ、消費者の限られた時間と関心を買うという意味で競合しており、手ぐすねを引いて消費者が流れてくるのを待ち構えている。コンテンツ産業だけが頑なな態度を固持すると、消費者が他の娯楽に流れてしまう可能性もある。

しかし、情報技術の進展によって、考え方を変えなければならない時代になっていることが、説明されればされるほど、著作権ビジネス側が態度を硬化させているようにも思える。ビジネスをしている裏側にいるのは私たち生活者と同じ人間であって、そこでは「行動経済学 経済は『感情』で動いている」で紹介されているような、限定合理性と呼ばれているものが働いていることが考えられる。

限定合理性とは、従来の経済学が常に利己的で経済的に正しい判断を下す「合理的経済人」ばかりによって成り立っているとしているのに対して、それは現実を表してはおらず、しばしば、感情の働きによって(経済的には)非合理的には選択をする一定の傾向が観察できるということらしい。著作権ビジネスで言えば、「現状維持バイアス」がそうである(お役所の事なかれ主義のようにあらゆるものにおいて現状維持という慣性は働くとも言えるが)。

それは、現状のビジネスモデルが何とか上手く行っている限りにおいては、新たなモデルにチャレンジすることで収益拡大を狙うよりも多少ジリ貧であってもそちらの道を選んでしまう、という思考停止での形を取って現れる。あるいは、もっとシンプルに「コピーされるのはむかつく」ということだけなのかもしれない。だとすると、仮にモノが見えている外野の人たちがいて、いくらネットに適した新たなモデルを検討すべきであるというビジネスとして合理的な提言をしたところで、本人たちに聞き入れられる期待は低い。

特にテレビは日本ではまだまだ圧倒的に強力なメディアである。テレビCMが効き難くなっており、これからは口コミだ、といった声もネット業界からは喧伝されるが、「あるある」問題で、逆にテレビの影響力が再確認されたように、「なぜテレビで紹介された商品を買ってしまうのか?」で指摘される情報バラエティ番組のプロモーション効果は大きい。

他の業界においては既存の成功体験を疑う、あるいは自ら破壊して新しいことに取り組んでいくのはむしろ当たり前であり、これまでと同じ事を粛々と続けていれば生きて行けるといったある意味ではラクなビジネスは、国の規制によって守られている(参入障壁が築かれている)一部の業界ぐらいだが、それゆえに日本のテレビ業界には当面積極的なモティベーションは働かないだろう。ただ、それが、将来取り返しのつかない状況を招かないかは危惧されるところである。

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