2008年11月27日
ニュースメモ(2008/11/23-2008/11/29)
News【2008/11/27】
[society] 経済政策における「選択と集中」
有権者は当然自分の利得に基づいて動くので、そう簡単ではないですが、それゆえに、政治の説明力が求められる。
[society] 誰がリスクを負うべきか (pdf)
年金は寿命の長い人と短い人がいることでリスクを少しずつ負う仕組みだが、平均寿命が延びると破綻する。今の20-30代が受け取る頃には受給開始年齢が75歳になっててもおかしくないでしょうね…。
[society] はてなブックマーク > 若手も恐々の新リストラ時代:NBonline(日経ビジネス オンライン)
とにかくキャッシュがない(借りることもできない)から解雇ってのは分かりやすいけど、日本って、欧州並みに正社員の雇用保護が厳しいということになってるんじゃなかったでしたっけ。これだけ事実上の解雇に抵抗がなくなってしまえば、一旦雇ったら「柔軟に」運用できないからという理由で正社員化を躊躇う要素はもなくなりそうな。
関連: [society] なぜ「非正社員」はリストラされるのか?: 29歳の働く君へ~いまからでも遅くない! : J-CAST会社ウォッチ
[business] はてなブックマーク > 経営者が「失われた10年」を繰り返してはならない――花王・尾崎元規社長:NBonline(日経ビジネス オンライン)
日本のように原価が高い国では、価格競争は最後の手段で、できれば選びたくないのは確か(NetBookとかもう最悪でしょうし)。気になったのは、人口減少・少子高齢化の中ではそうなるのも自然でしょうけど、生活消費財メーカも、自動車やハイテク業界と同じように、6-7割の売上げを海外で上げることを目指してるというお話ですね。内需拡大という意味(消費者としての労働者をどれぐらい重視するか)では、ますます厳しくなりそう。
[business] なるほど!訪日外国人の6割が感動した日本の魅力:NBonline(日経ビジネス オンライン)
サービス生産性の話なのでとりあえず。サービスの生産性って結局1人あたりの利益なので、人を減らして同じサービスレベルを提供できる、もしくは人を減らさなくても単価や客を増やせるのなら、それが生産性を上げる、ということになる。「おもてなし」という名の余計なコンタクトは不要ってのは普遍的にはどうですかね。個人的にはそれが嫌なので旅館系よりホテル系を選んでしまいますが(求めてるのは温泉、食事、部屋の雰囲気、アクセスといった人間以外の要素なので)。
【2008/11/26】
[society] 家計に眠る「過剰貯蓄」国民生活の質の向上には「貯蓄から消費へ」という発想が不可欠 (pdf)
(老後などの)将来への不安を解消することで、もっと使ってもらいましょう、というのはそうなんでしょうけど、その財源として消費税ってのはロジックとしてどうなのか。
[society] 医療の崩壊を食い止めるためには
コストが変わらなければつまるところ医療費を誰が払うか、という負担と再分配の話でしかない。医療費の削減は「自己責任」化を進めたい、ということになりますね。
[society] 甦る農業――企業が生産効率を持ち込む、製販一体で付加価値を創出(1)
製造じゃないけど、農業のSPAモデルというか? あらゆるものが効率効率でいい加減うんざりしてくるけど、実際、若いやりたい人(担い手)が増えない中で農業を持続可能にするには企業化するのが一番現実的だと思います。
[society] 情報源としてのテレビ・新聞・インターネットの国際比較
日本は依然としてTV、新聞が情報源として強い。ネットではTV局・新聞社の不調でメシウマ状態ですが、実際は普通の企業に比べれば給与水準が高いので、まだまだ「企業努力」の余地はありそう。ただ、広告モデルが基本的にきつくなってきそうですね。
関連: [society] はてなブックマーク > 痛いニュース(ノ∀`):朝日新聞、純損益103億円の大幅赤字に…発行部数・広告収入・投資利益の減少など
関連: [society] はてなブックマーク > J-CASTニュース : 朝日新聞100億円赤字に転落 広告大幅落ち込み、部数も減少
関連: [society] はてなブックマーク > キー局まで広がった“パチンコ広告依存”:NBonline(日経ビジネス オンライン)
関連: [society] はてなブックマーク > J-CASTニュース : 企業のテレビCM離れ始まる 「余裕があれば出すもの」になった
[society] はてなブックマーク > 貧困か?過労死か?「ノーと言えない労働者」つくる自己責任論が全労働者を貧困スパイラルに陥れる|すくらむ
各人は利己的に動いているだけなんですが、全体として負のスパイラルにハマってしまう。
[society] はてなブックマーク - 問題はひとを誰がどう育てるか - 雑種路線でいこう
環境対策は別として、最も重要な1つのはずの人材育成が企業の社会的責任として問われることはほとんどない不思議。Wikipediaの企業の社会的責任によると、ヨーロッパはそういう考え方に近そう。
2008年11月25日
「カエル!ジャパン」は広がっているか
Society内閣府が今年6月から、ワークライフバランスを推進するため、「カエル!ジャパン」キャンペーンを展開しているが、半年ほど経って、これは果たして企業に広がっているだろうか。
ワークライフバランスは働き方の自由度の問題というよりも長時間労働の問題である、という分析が出ている中で、「カエル!ジャパン」の働き方を変えることで早く帰ろう、という意図は基本的に正しい。ただ、企業にとっては目に見えるインセンティブがない限りは、単なる政府のキャンペーンでは広がらない。
企業がワークライフバランスを推進するインセンティブとしては、女性社員の定着率の向上(長時間労働のために育児との両立が難しいと感じて退職してしまうのを防ぐ狙い)というのが一番分かりやすいが、ここに来て新たな「追い風」が吹いてきた。
金融危機に端を発し(というよりもたまたま重なったという方が合っていそうだが)「トヨタショック」とも呼ばれる景気後退の中で、企業はまず非正規社員の削減を進めているが、更に人件費を削減をしたい企業としては、残業代を減らすということがあり、実際に企業の動きとしても出てきているようだ。
[society] はてなブックマーク > 越えられない壁( ゚д゚)【経済】正社員も月18万円減収 いすゞ 非正規社員解雇で波紋…神奈川
ここに来て、「カエル!ジャパン」はかなり使い勝手のよい名目となりそうだ。「クールビズ」が環境対策というよりは、空調費を下げるというインセンティブによって推進されたように、「カエル!ジャパン」は残業代を減らすインセンティブによって推進される可能性がある。
ただ、「ワークライフバランスが新手の「リストラ」になる」でも書いたように、ビジネスシステムの改善や生産性を上げることなく、単に帰宅時間だけをコントロールしようとするのは、「クールビズ」で生産性が下がっている可能性が指摘されているように、目に見えにくい歪みを生み出す危険性もある。
それと、残業代を下げるという「カエル!ジャパン」のインセンティブは、あくまでも、残業代をきちんと払っている企業の場合にのみ存在しているものであり、もともとサービス残業が蔓延している企業においては、社員を早く帰らせたところで何のメリットもない(「記録上の退社時間」のみが短くなる可能性はあるが)。そのため、「カエル!ジャパン」の普及は、「クールビズ」に比べると、限定的に留まるのではないだろうか。
2008年11月21日
ニュースメモ(2008/11/16-2008/11/22)
News【2008/11/21】
[society] 2008~2010 年度日本経済見通し~世界経済失速の影響から、2年連続マイナス成長へ~ (pdf)
[society] 2008/2009年度経済見通し(2008年11月)~戦後最長の景気回復のあとは、戦後最長の景気後退?~
[society] 2008・09年度内外経済見通し (pdf)
[society] 2008~2010年度経済見通し~高まる景気後退長期化のリスク
[society] 2008~2010年度 経済見通し(08年11月) (pdf)
(1年前は大ハズシしてて当てになるかはともかく)各シンクタンクの予想は、強気なところは2009年度から、多くは2009年度はマイナス成長で2010年度から景気回復へ。まだ金融危機が解消されてる訳ではないので、遅れてくる実態経済は来年まではガマンでしょうか。
[society] 過去20年で高齢層の貧困率が低下、子供や若年層で上昇―OECD格差報告書
昔は高齢層ほど格差が大きいということだった訳ですが(現在もそうですが)、年齢による違いがなくなってきている、と。
[society] はてなブックマーク > Business Media 誠:山崎元の時事日想:給料に不満を感じる理由――日本に根付く“陰気な成果主義”とは? (1/2)
「陰気な成果主義」という言葉がいいですね。むしろ日本ではあらゆるものが「陰気」なのかもしれませんけど(森永卓郎氏はそれに対してラテン系を目指せと言ってるのでしょうし)。
[business] 間違いだらけの組織・人事改革~改革が単なる「仕組みの見直し」に終わらないために~ (pdf)
「働きやすい会社」vs「働きたい会社」。
【2008/11/20】
[society] 高齢者雇用の促進に向けた取組みと今後の課題 (pdf)
一言で言えば、政府は年金がヤバいから70歳まで働いて貰いたい、企業はいや勘弁してくれ、という感じですか。
[society] 道州制の導入に向けた第2次提言 (pdf)
道州制にこだわるからには何か(大企業的に得になる)理由がありそうなものですが、イマイチ思いつきません。単に地方交付税交付金をなくして東京や愛知の負担を軽減したい?
関連: [society] はてなブックマーク > 失敗だった平成の大合併・・地域は衰退した - 四国の星 - Yahoo!ブログ
参考: [society] 日本の道州制論議 - Wikipedia
参考: [society] 道州制推進連盟
[society] 外需依存は問題か
「外需依存」なのではなく「世界経済一体化への適応」である、と。それはその通りでしょうが、少なくとも現在はGDPの7割が内需という中でとりあえずどうするか。
関連: [society] Espresso Diary@信州松本:内需の拡大を妨げる「モノづくり」の呪縛。 - livedoor Blog(ブログ)
[society] 大竹文雄のブログ: 定額給付金をめぐる議論のメリット
これは確かに。所得を把握されたくない人が裏で納税者番号反対を煽ってたのかな。
[society] はてなブックマーク > Let's downsize (内田樹の研究室)
上場しないという選択は、こういうところでもあるのかも。
【2008/11/18】
[society] コストプッシュに隠れたデフレ作用~デフレ時代に舞い戻るリスク~ (pdf)
資源価格の上昇で物価が上がっているように見えていただけで、需給条件が変わっている訳ではない(むしろ悪化している)。広告が単に安さに負ける時代ですし。人件費が高くて「高付加価値」で勝負しなきゃいけない業界(電機とか)も辛い。
関連: [business] 沈む消費、浮上する商品サービス
[society] 2010 年の控えめな回復の姿 (pdf)
景気回復は2010年以降に。
[society] はてなブックマーク > 日本経団連の移民受け入れ策は亡国の政策 / SAFETY JAPAN [森永 卓郎氏] / 日経BP社
数年生き残ればいい経営者に長期的視点を期待するのは難しいということですが、黙ってても、とにかく欲しい人材がいない企業がどんどん外国人を採用しているのがすでに現状なような。
[partner style] はてなブックマーク > 不況が招く婚活超氷河期 | AERA-net.jp
例によって壮大な「ミスマッチ」というのか、「年収300万の男性に対する女性側の躊躇と34歳の女性に対する男性側の躊躇は笑っちゃうくらいそっくりだそうです。」を思い出した。立ち読みしたけど、「600万円以上収入のある未婚男性は3.5%」とは言ってませんでしたね(実際はもっと多い。ただ既婚も含めてですが)。
[partner style] ユーキャン第2回「20代 vs 60代の夫婦観調査」
この調査はいつもながら60代がせつない。60代はまだ見合いが4-5割の時代ですから、こんな感じになるんですかね(そういう意味では現状は適正化?)。
2008年11月13日
ニュースメモ(2008/11/09-2008/11/15)
News【2008/11/13】
[society] 持続可能な社会保障制度とそのための安定財源の確保「中期プログラム」策定に向けた課題
長期的には15%程度、ですか。払ったものが社会保障として返ってくることに確信が持てるなら誰も反対しないんでしょうけど。
[society] 改善しなかった中小企業の景況感 (pdf)
[society] 消費者心理の悪化と消費への影響 (pdf)
波及する前に終わっちゃいました、というか、波及させる気微塵もなかっただろ、というような気も。
[society] 物価下落、再び?~来年度の消費者物価はマイナス転化の可能性が~ (pdf)
資源高騰の要素を除けば、根本的に需要が足りてないのでは。
[society] 金融危機にもかかわらず日本の景気が相対的に安定している理由
安定している? 金融業のようにはすぐには影響出てないというだけで、世界中での消費減で大企業の輸出に頼ってきた日本にはボディブローにように効いて来ますがね。
[society] グラフで見る景気予報:2008年11月
製造業の悪化が露骨に。
関連: [society] 経済フローチャート~日本経済の現状と6ヶ月見通し(10月7日時点)~ (pdf)
関連: [society] 日本経済展望 2008年11月 (pdf)
[society] 「貧しさ」からの脱出 (pdf)
参議院で公開されてる文章ということを合わせて考えると味わい深い。
[society] はてなブックマーク > 社員が壊れる【1】“抜け殻”正社員、派遣・請負依存経営のツケ:NBonline(日経ビジネス オンライン)
[society] はてなブックマーク > 社員が壊れる【2】管理職が壊れる~企業内 “多重責務者” の悲鳴:NBonline(日経ビジネス オンライン)
日経BPのコメントでは今更?みたいなコメントが多い(もともと昔の記事の発掘シリーズでもあるようですが)。経営者が50歳後半とかでようやくなって、あと2-3年逃げ切れば、という状態ではなかなか長期的な考えには立ちにくいのも無理はないとは思いますが。
[society] 「消費生活に関するパネル調査」について(第15年度調査分) (pdf)
「婚活」が流行った?からか今回の主な切り口は未婚者の意識に。10年前に比べると、具体的な活動をしている人は減っている、と。そういう意味で「婚活ブーム」は行動していない人への煽りなんでしょう。
[partner style] 異性関係の国際比較
日本は恐らく社会的圧力が一番低い国ですが、フランスは何故でしょうね?