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2006年06月30日

ニュースメモ(2006/06/25-2006/07/01)

News

【2006/06/30】
[society] 医師不足の真の原因とは? 労働環境の悪化で逃げ出す医師たち
一定の初期投資があれば開業医として稼げますが、訴訟リスクが急激に拡大している勤務医は割に合わない仕事になりつつあります。

[society] 長時間労働編 続ワーキングパーソン調査の森
20代、30代に負担が集中。

[society] 時代の先駆け、北九州市。その二。
担当者にとってみればマニュアル・決まりに従っているだけなんでしょうけど、公的サービスはサービスビジネスを勉強した方がいいのでは。もちろん決まり自身が問題ですが。

[society] 幸福度研究の現状と課題――少子化との関連において
幸福感に影響を与える要因に関する先行研究調査。

[society] 第13回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 夫婦調査について

[society] 少子化相、「出生率、06年は上昇も」 婚姻増などで
「景気回復」が大きいでしょうか。

[partner style] 二極化とセックス格差
低所得層ほどでき婚が多い印象があるので一見不思議と言えば不思議ですが、恋愛機会ということでは収入に相関するのは自然か。

【2006/06/28】
[society] 中流意識の国際比較
中流意識と経済状況は必ずしも一致しない。

[society] 格差と競争に対する志向(時系列)
格差を拡大する志向が拡大。

[society] 戦略としての選択と集中―廃村もひとつの代替案― (pdf)
周りから「選択と集中」と言われても。

[society] 生活者の価値意識 / 価値意識の推移 / 生活者の消費意識
色々な生活者の価値観について。

[society] 「出会い系」のサクラを集める求人広告の嘘 ニート量産の温床にも
コミュニケーションサービスとして考えると、そういうニーズがあるのだとしたら個人的にはアリなのかもとも思います。

[society] 最低賃金:人は時給608円で生きられるか 県労連4人が“実験” /青森
前もどこかで似たようなのやってませんでしたっけ。22日間8時間という仮定が間違っているような気もしないではないです。

[society] 元本確保型ヘッジファンドって、一体どういう仕組み?
12年前の投資金額と「同額」が確保されるだけというトリック。ま、これでも銀行の利率が低過ぎるから騙されてしまうんでしょうか。

[society] 「日本では、どうして一人一人お風呂のお湯を替えないのでしょうか、不潔では?」(ロシア人妻)
確かにこれだけ清潔志向が高まっているのに不思議と言えば不思議です。以前の農家の話じゃないですが、だから入る順番が家庭内の地位を示したりします。

[partner style] 離婚相談ビジネス
ある意味カウンセリング。

【2006/06/27】
[society] 「いざなぎ景気」超え (pdf)
実感ができないのは成長率が低いからという問題なんですかね。

[society] 少子高齢化と人口減少問題
少子化は今に始まったことではない。
関連: [business] 人口減少時代の経営戦略

[society] 平成18年度新入社員「働くことの意識」調査結果
母集団として3000人以上の企業の人が半数を超えてるところも意識しておく必要があるかも。

[society] 若者、女性、高齢者の再就職に“壁” 18年度国民生活白書
労働力不足を解消する鍵とされている3者に逆に壁。

[society] 5期ぶりに増加した正規雇用者
ただし非正規雇用も増えているので比率としては低下。また就職氷河期組には相変わらず厳しい。

[society] きみはまだ生きているんだ。
徒に「自己責任」を振りかざすと社会の不安定化が進み逆に社会保障費が高くなってしまうのでは、という「常識」的な考えは社会保障自体を抑制することで否定されそうです。ビジネスとしての社会貢献みたいな試みが日本でどれぐらい出てくるかでしょうか。

[society] 東京都も倒産する・・・・
地方自治体の財務がヤバい? 否応なくグローバル化、フラット化の波に飲み込まれています。

[society] 会社から家へ、居場所を求める父親が家族を変える
[society] なぜ今、「家族」なのか?
幸福な家族を持てること自体が希少価値がありステータスを持ち始めている。

[partner style] 性選択
「パラサイト仮説」による説明。もちろん単純な人間へのアナロジーは危険でしょうけど。

[communication] 小6サイズファッション
逆に言うと、小学校高学年のファッションが大人に似てきているということですね。

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2006年06月22日

「生きやすさ」のトランプ的非対称構造

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前回のニュースエントリで、社会で進んでいる少子化の一要因になっている非婚化の現象に対して、男性の責任(コミュニケーション能力の低下or要求水準への未達、家事・育児への非協力、収入の低下など)が問われたり、よりしばしば聞かれるものとして、女性の意識変化や社会進出による非婚化・晩婚化が語られたりするということがあったが、そこではトランプのような非対称性な構造が発生しているのではないだろうか。

「トランプ的非対称構造」とは、トランプ(playing cards)ではスーツの強さの関係は通常スペード>ハート>ダイヤ>クラブとなっている訳だが、「生きやすさ」ということにおいて、(何をもって勝ち負けを決めるかは別として)勝ち組男性>勝ち組女性>負け組女性>負け組男性のような非対称な序列が発生しているのではないかということである(図1)。

トランプ的非対称構造
図1 トランプ的非対称構造
(※スーツの画像はhttp://commons.wikimedia.org/wiki/Image:Anglo-American_card_suits.pngより)

つまり、全体としては男性の方が有利な場面が多いものの、その一方で、普段は言及されないインビジブルな男性にとって厳しい状況があるということである。例えば、引きこもりの男女比は 6:4〜8:2ということが指摘されているが、ストレス耐性やコミュニケーション能力の差というだけではなく、権利ではない義務としての社会的圧力が何らかの影響を与えていることは容易に想像される(*1)。先進国としては異常に多いとされる自殺者についても、男性が72.3%と、7割を占めている状況(*2)であり、「生きやすさ」という点で、何らかの差が発生していることが考えられる。

(*1)もっとも、いわゆる「家事手伝い」への風当たりの変化によって、今後は恐らく同率になっていくと思われるが。
(*2)「若いオレたちこそ危ない? 忍び寄る自殺の罠」など。

実際、こうした構造は色々なところで見られる。企業における依然とした男性社会がしばしば批判の対象になっており、特に仕事の場面において、男性の方が全体的に有利な職場が根強く残っていることは明らかである。非正規雇用・不安定雇用の問題は従来から女性において顕著であるし、専業主婦モデルが男性収入の減少により多くの場合非現実的になりつつある一方で、諸制度が依然としてそうしたモデルから脱却できておらず、仕事と家事育児の両立の負担や、離職後の再就職の難しさが主に女性のみにかかっていることがある。しかしその一方で、成人した男性が働かないこと、定職に就かないことに対する周囲の目の厳しさもしくは役割期待は、女性に対するそれとはかなり異なっている。

非婚社会化についても同様で、望ましい相手が現れなければ無理に結婚する必要はないという認識が広く共有され、シングル女性が(ある年代以下の人には)比較的市民権を得てきた一方で、一定年齢を超した独身男性への視線が依然として冷たいことが「『独身男性』に対するまなざしの変化」などで示されているし、その前提となる恋愛においても、「恋愛市場におけるロングテールの可能性とその限界」でも図にしたように、男性の方が格差が大きくなりがちな傾向があり、男性の非モテと女性の非モテの度合いの差(男女のオタクの恋愛機会・経験の差でもいいが)が天と地ほどの違いがあることが日露アナルファック戦争 大セックル帝国栞軍大本営などでも繰り返し指摘されている。

不平等に対する不満は基本的に上を見て出てくるため、下の方に目を向けられる事は、非難の対象になる時ぐらいしかない。このような社会にあって、負け組男性は、一括りに男性社会への批判に晒され、それをまじめに受け取ってしまうと同時に、コミュニケーション能力などの点で説教・非難の対象となり、かつある面では必ずしも間違っていないがゆえに反論もできないことから、ほとんど打たれっぱなしのサンドバック状態になっていると言える。「男性であることから降りる」(既存の競争原理から降りてある意味でジョーカーを目指す)動きが全体としては有利であるはずの男性を中心として出てくるのは、こうした非対称的な構造の状況下であると思われる。

【参考資料】
[society] 男女共同参画社会に関する世論調査

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2006年06月17日

ニュースメモ(2006/06/11-2006/06/17)

News

【2006/06/17】
[society] 柔軟な働き方を実現する労働形態として男性にも浸透中(イギリス)
どういう条件があれば「柔軟な働き方」は上手く行くんですかね。

[society] はてなブックマーク - asahi.com:労働法制見直し始動 一定年収で残業代なくす制度も提案 - 暮らし
いやま昨日今日で出てきた話じゃなくて、ずっとホワイトカラー・イグゼンプションは挙げられてる訳ですが。もともと管理職とか年俸制であれば残業という概念はない訳で、どこに線を引くか。
関連: [society] 少しお堅いニュースサイトちっくに(労働法制見直し始動)

[society] 所得税による少子化対策~子育て支援のための経済的支援の可能性~
事実上の無子税(or独身税)という訳ですが、経済支援という意味では、そもそも経済的に厳しい人ほど所得税減税では有り難味が小さいのでは…?

[business] 人間力とは何か
人間力を見る方法論。行動から内面を掘り下げていく。

[partner style] 結婚へ到達するのは難しい?
社会的圧力の低下が大きな要因か。

【2006/06/12】
6/18までの「ナポレオンとヴェルサイユ展」を観てきました。宮殿室内を再現というのはややチープ感がありましたが、作品自体はなかなか見応えがあると思います。

[society] 子育て負担と経済格差~若年層の経済基盤の安定が少子化対策の鍵~ (pdf)
新卒だけでなく「就職氷河期世代」の雇用政策が重要。ってもういい加減何度も指摘されてる気が。

[society] 所得格差の現状と展望―所得格差の拡大に歯止め― (pdf)
景気回復が格差拡大に一部歯止め。経済の持続的成長が重要。

[society] (最期に見る)格差社会 (via yodakaのブックマーク)
現代社会は色々と物入りで礼節知るのに衣食だけじゃ済みません。他にも「独居男の悲哀」とか「嫌な見積予約」とか現場の凄みがあっていいです。

[society] 少子化の現象から見えるもう一つの現実
「選択肢が多過ぎると選べない」ってのはそうですが、なくしていい訳でもないですし。専業主婦+長時間労働男性というかつてのモデルから、男性がそのままで女性が仕事をする(ことを企業が望む)というところに無理が起きているように思えます。
関連: [society] ほんとうに女が働くと出生率が上がるのだろうか
関連: [society] 家事しない夫、共働きでも2割

[society] はてなブックマーク - asahi.com:残業代、引き上げへ 月30時間超のみ、少子化が後押し?-?ビジネス
[society] 残業代の割り増し率アップは後でやれ
労使双方から反対されるというのも一見不思議な現象ですがそりゃまそうだ。結局やりやすいところから手を付けようとするからこうなるんでしょう。

[society] 団塊女性の意欲が市場に反映されるとき
「シニア」or「女性」ではなく、「シニア女性」。

[society] リュクス
ある意味では経済格差への適応ですが、正しい方向ではあるかも。

[society] はてなブックマーク - 川上佳美さん=ラウンジホステスから「レンタルお姉さん」に−ひと:MSN毎日インタラクティブ
チェンジはアリ?

[partner style] パンを食べないのはパンがないからだ
ググってもそうですが、一般には、少子化の原因は「女性の晩婚化・非婚化」と言われることの方が多いような感はありますのでバランスを取ったということかも。「女はすべからく結婚すべし」とか。結婚に合理的な理由がなくなった(ないことに気づいてしまった)ために必要な諸条件のベースラインが上がった中で、双方から「努力せよ」「妥協せよ」の説教(or 親切の押し売り)合戦になってる状況でしょうか。「子供がいるからカッコいい」のようなポジティブな方向性は、重要だとは思いますが。
参考: [society] 男女共同参画社会に関する世論調査(平成16年11月)

[partner style] カジテツ姫
ここでも「ミスマッチ」ですか。

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2006年06月08日

ニュースメモ(2006/06/04-2006/06/10)

News

【2006/06/08】
[society] 少子高齢化と2007年問題(3)団塊世代の考え方
2007年問題の論点整理。基本的には、○年問題は実際に問題にならないということだと思いますが。コメントの生の声も興味深い。

[society] 「我が国の経済格差の実態とその政策対応に関する研究会」報告書 (pdf)
社会保障や再分配機能に関する様々な論文。

[society] 潜在成長率は高まったのか―持続成長の必要条件と十分条件― (pdf)
生産性を高めるだけでなく、需要が拡大する必要。

[society] 女性が充実した生活を送るためには子供が必要か(世界価値観調査)
米国が低いので出生率とは必ずしも相関してなそう。男性と女性では割合に違いが出そうな感もあります。

[work] コンピューターに駆逐されない仕事を選ぶには
「優れた思考法」と「複雑なコミュニケーション能力」のいずれかを身に着けること。

【2006/06/05】
[society] 企業の若年層への採用意欲は旺盛 即戦力を求める傾向が顕著に (pdf)
ここでの「即戦力」の定義が「入社時に業界知識やスキルがあるということではなく、短期間で育成できること」ということで、なるほどと。多分正しい。

[society] 「ワーク・ライフ・バランス推進基本法」の提案~ワーク・ライフ・バランスを政府全体の取り組みに~
ごく真っ当なワーク・ライフ・バランスの提言。もちろん、同じ「労働時間比生産性」なら長時間労働の方が「賃金比生産性」が高くなる訳だから(企業が支払う保険料やオフィスの賃貸料などの固定費は変わらない)、話はそう簡単ではないと思われますが。

[marketing] 「団塊の世代」への目のつけどころ
キーワードは「運用益を狙う投資家」「趣味人」「参勤交代の大名」?

[misc] 「思考停止語」を「行動促進語」に変換する
これぐさっとくるつーか、確かによく使っちゃいますね。

【2006/06/04】
[society] 出生率向上は米国にも学んだら
米国では白人の出生率も低くない。へぇ。事実としての愛国心というのが今ひとつぴんと来ませんが、「国家の品格」で言う祖国愛みたいなものでしょうか。

[society] 品格ブームの謎
日本での適応を目指した姿か。

[society] 雇用増1年で79万人 9割以上が非正社員
景気回復の恩恵があまねく届いている訳ではない。

[society] 働くことが不安、社会性欠き孤立…ニート、フリーター
自分のことじゃなくて周囲の人について聞くというのが珍しい。

[society] なぜそこまで「ニート」を恐れる?
財源としての期待というよりは、厳しい労働環境で働く人たちへの悪影響を懸念しているのかもと思いました。隣の芝生ってやつ。
関連: [society] 再チャレンジ推進会議
関連: [society] 過労病:うつ、自殺が増加 職場でのいじめが背景

[society] 3319万人の青年たち。
統計間の関係は確かにほとんど示されているのを見たことがないですね。

[society] 麻生外相の「ニート」論
これも「誰が言うか」という話でしょうか。スローライフは自分から選択するもので偉い人が推奨したりすると邪推が働いてしまいます。

[society] 三つの格差社会
どれもしっくりこないのは日本がまだ格差という格差がないからでしょうけど、将来どの方向を目指すか。
関連: [society] 移民問題を問う③ ~大変化に気づかない「茹で蛙」~

[education] 格差社会を乗り切る 少ない費用で私立中へ
ある意味で地域格差というか、東京はカネかかり過ぎ。

[partner style] できちゃった結婚が増えてるワケ
「つくっちゃった婚」へ。意外と、計画的な部分が大きいのかもしれません。

[partner style] 慰謝料ドットコム
今のところ、不倫による離婚のみのようですが、今後機能強化されるのでしょうか。

[partner style] 40代ニッポン男児 童貞率10%のなぜ?
AVはともかく、偏差値教育はロジックの繋がり感がなぜ? って感もありますが。「失敗を恐れる」は大きな要因だとは思いますが、そうした心性が何によって生まれるかですね。

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