Back Numbers | Home

2005年12月31日

社会現象のハイプ曲線(2005-2006)

Communication | Society

今年も終わりという事で、恒例の(?)社会現象のハイプ曲線のエントリ。初めての方に軽く紹介すると、sociologicで扱っているような社会・コミュニケーション関係のトピックについて、世間でどのように話題になったかをグラフに表しつつ振り返るもの。通常、メディアで話題になり盛り上がった後、一旦クールダウンし、改めて本格的にその現象がホットになり出すに従って、また話題になる、という傾向を示すということで、ハイプ曲線(*1)をインスパイアした図を採用している。

(*1)もともとはテクノロジに適用されるもの。→hype cycle(新しい技術が登場した後の動きを類型化したもの。すなわち、(1)新技術が発表されると過剰な期待が起こる。(2)実際に利用してみると幻滅する。(3)正しい利用方法が知れ渡ると再度注目が集まる。(4)やがて安定期に入る。)

最近ではブログの普及に伴い、ブログであるキーワードがどれだけ出現したかを調べる便利なツールが出て来ている。期間も中期のものから即日のものまで様々あり、精度はともかく、眺めているとなかなか面白い。

今回、これらのツールも参考にしながらハイプ曲線を描いてみる。

社会現象のハイプ曲線(2005-2006)
社会現象のハイプ曲線(2005-2006)

「少子化」「高齢化」はここ20年来安定して話題になっているものの状況が変わっておらず、むしろ進行しているが、もはや国民が慣れ過ぎているためか、最近では「超少子化」「超高齢化」などとされることもある。寿命の伸びに限界が見えて来た「超高齢化」の方はともかく、「超少子化」は少し先の傾向を示す東京が出生率1を切っているだけに、まだまだ進む可能性が高く、今もう「超」を使ってしまったら次はどうするのだろう、という心配もなきにしもあらずである。

また、「少子化」に関連して2005年には予測より早く日本の総人口が減少することが確実となり、改めて「人口減少社会」として話題に上った。もちろん、人口減少自体が問題ではなく、労働力が確保されることが問題という話もあるが、「ワーク・ライフバランス」が十分に満たされない中ではますます少子化に加担してしまう原因にもなりうる。それゆえ「ワーク・ライフバランス」の重要性が研究者や生活者から繰り返されているが、企業における実践が進むまでにはまだ時間がかかると思われる。また、女性、高齢者、若者に加えて、第4の即戦力リソースとして、移民導入の話が来年以降改めて盛り上がる可能性が高い。

このような中では、「人口減少社会」を前提としてそれに対応した社会制度に変えて行き、ここ2,30年の団塊世代が高齢者となる期間を何とかしのぐという方が現実的であり期待されるが、とはいえ急激な変化を避けソフトランディングさせるための少子化対策も並行して実施されることになる。日本における少子化の第1要因は、晩婚化や「非婚化」によるものであるという認識が普及しつつあるが、その原因は経済(収入)面の2極化と恋愛面の2極化であることが指摘されている。

経済面においては、収入はそれなりだが長時間労働に蝕まれる正社員と、派遣社員や「フリーター」および「ニート」に代表される不安定雇用の2極化した「経済格差」がある(*2)。景気回復と学生数の減少による需給バランスの変化により、新卒学生の就職状況は改善しているが、それ以前の人が再挑戦できる機会は十分に広がっているとは言えない。育児で退職した女性なども含めて、再挑戦できるという本当の意味での「流動性」の実現が期待される。

(*2)終身雇用がなくなる中で正社員も不安定化しているが、比較として。

一方の恋愛面の2極化は、主に男性があぶれるという形で現れており(結婚の社会学―未婚化・晩婚化はつづくのか(山田昌弘)によれば「男余り」はウソらしいのだが…?)、特に2005年は「非モテ」論議がヒートアップした。十分に追いきれてはいないが、結局答えが出ている訳ではなく、単にブロガーに誰でも参加しやすいネタを提供しただけで、話題性を消費された後も、本当に悩んでいる人はそのまま放置されているように思われる(*3)。一方、より本質的な問題としては、コミュニケーションにおける困難さとしての「非コミュ」に関心が移りつつある。

(*3)話題を提供しただけ、ということでは、商業主義化・「見世物小屋」化された「アキバ系」も同様と言える。

このような2x2=4極化、すなわち「1)長時間労働+恋愛参加」「2)不安定雇用+恋愛参加」「3)長時間労働+恋愛不参加」「4)不安定雇用+恋愛不参加」のどの領域をサポートしていくかということで、1)が先ほどの「ワーク・ライフバランス」であり、2)が雇用支援ということになる。2)については2005年には「若者の人間力を高めるための国民運動」なる活動も始まったが、「人間力」が既得権益層に都合の良い概念に留まるのであれば、当の若者に届くのは残念ながら限定的と思われる。

また、2極化ということでは、9月以降には「下流社会」がヒットした。昨年から続く「希望格差」同様、「階層化日本と教育危機—不平等再生産から意欲格差社会(インセンティブ・ディバイド)へ」の焼き直しだが、ネーミングが良く、タイミング的にも格差社会化を肌で感じ始めている生活者の心を捉えたことが大きかった。意欲格差は、「経済格差」および「非モテ」(恋愛格差)の両方に効いてくる。言葉自体は2006年には次第に下火になっていくだろうが、これから10年をかけて更に実体化していくことになると思われる。マーケティング的な面でも、2005年には富裕層向けの商品・サービス開発が活発化したが、収入や資産だけでなくよりライフスタイルを意識した「LOHAS」も話題になった。

今回のハイプ曲線に載せたような様々な社会現象は、相互に関係し合っている。そのため、特定の現象や問題に対して場当たり的な政策を打つのではなく、どのような社会にしたいのかという社会全体の設計と最適化が求められている。

それでは、よいお年を。

【参考】
社会現象のハイプ曲線(2004-2005)

【関連書籍】

4883994422なぜ結婚できないのか 非婚・晩婚時代の家族論
菊地 正憲
すばる舎 2005-04-21

by G-Tools

4000093509格差社会をこえて
暉峻 淑子
岩波書店 2005-04

by G-Tools

4750321826日本の移民政策を考える―人口減少社会の課題
依光 正哲
明石書店 2005-09

by G-Tools

Posted by seraph : 08:00 | Comments

ニュースメモ(2005/12/25-2005/12/31)

News

【2005/12/31】
[society] 縦並び社会・格差の現場から:ヒルズ族になれなかった男
[society] 縦並び社会・格差の現場から:派遣労働の闇
シリーズもののようです。今年は格差社会が改めて話題に上りました。

[society] なんで年末になると少子化対策の話になるんだろう
[society] 年末は少子化問題がかまびすしいそうだ
1つにはその年の出生率(推計)が出るからですかね。年々下がってる訳なので毎年話題に上ると。

[society] 「家族」を社会の中心にせよ
[society] 人口減社会に思う。
[society] 人口減社会を救う?!ために:個人の自由を認めよ
[society] 非婚についてしつこく語ってみる
生の声系を集めてみました。

[society] [どうなる2006 社会保障](下)人口減社会 新たな“柱”必要
「何の」柱ですかね。

【2005/12/29】
[society] 女性の労働力参加と出生率の真の関係について : OECD諸国の分析
女性の労働力率と出生率の相関の話。日本で正の相関に疑問が投げかけられる状況があるのは「両立度」という別のパラメータがあるため、ということで、興味深いレポートです。

[society] 人口減少時代のまちづくり—地域コミュニティの時代へ— (pdf)
(特にニュータウンを中心に、)都市にも地域コミュニティの創出を。

[society] 会頭アンケート結果を発表〜今どきの若者には“忍耐力”が足りない!〜
出ました、「忍耐力」。いや、私も実際継続&量は力だと思いますが、上からこう言われると単に自分たちのために利用しようとしてるんじゃないかという反発が生まれてしまう気が。どうせなら(より)若い人のモチベーションをどう高めるために「自分が」何をできるか、という方を考えますけどね。他人を批判してても建設的ではないです。

[society] 失業率は悪化、求人倍率は改善。
AERAのこの記事はぱら読みしましたが、認識ズレ感が笑えます。上方婚に対応できる男性がほとんどいない層、ということだけを指しているとすれば確かに合ってますが。全国平均になってしまいますが、民間給与実態統計調査結果の概要(pdf)とか。

[education] 「子どもの個性」という幻想
あくまで「それでも」企業に就職するなら、という前提ですが、昨日の「人物本位採用」の本音と建て前を見れば明らかですね。もちろん、今の社会は教科書の勉強だけでも厳しいことは気をつける必要があります。

[communication] 「清潔感」と言ってるけど、それって「爽やか」の言い換えじゃない?
コミュニケーションは受け手が決める、ということの一例ですか。

【2005/12/28】
[society] 「人物本位採用」の本音と建て前
採用する前は学歴を見るけど、入ったら無関係、ってことで、カンカク的に合ってますね。短い時間ではどうせ深いところまで分からないのだから比較的確率が高いだろう方を取る、と。前も書いた気がしますが、人事が入った人のその後の活躍からトレースされて評価されるのでなく、採用した人だけで単年度評価されるとしたら、そのように採用活動が「最適化」されるのは当然かと。ブログ/SNS採用とかが増えると変わるのかな。

[society] ロハスの幸せ像
基本的な理解としてロハスとヒルズ族がごっちゃになってるような気も…。ロハスにはガツガツした上昇指向はないはず。ないけどそこそこ成功してカネ持ってるってことですけど。

[society] マルクス経済学的少子化理論
フルジョアジーとフラレタリアートというのは昔から使われてるようですが、どこが発祥なんですかね。笑った。

[society] それぞれの豊かさの時代
てか、よくよく読むと記事で書かれてる「多様化」されたという豊かさってカネで買えるものばかりじゃん。それって「それぞれの豊かさ」なんでしょーか。カネ持ってる年代・性別が多様化しただけでは(それすら偏ってる気もしますが)。

[society] 画一化、均質化を強める世の中
こちらの「多様化」への「もやもや感」には同意。

【2005/12/26】
[society] 2006年への視点 21世紀型世界秩序への道 (pdf)
世界と日本の動向。

[society] 希望学とは
hopologyは初めて見る言葉です。

[society] 自殺の深層心理〜 自殺願望の正体を探る 〜 (via 続・仕事を辞めた理由)
「復讐の自殺」という発想にはハッとするものがありました。この辺ですか。

[society] 平成17年 人口動態統計の年間推計
自然減1万人の元ネタ。

[society] 少子化対策は独身者から
[society] 少子化、真の原因は
政府の偉い人も当然、少子化の最大の原因が非婚化・晩婚化にあることは分かっていると思いますが、政策で人のこころを変えることは難しいので、第2因子である第2子増加の支援と、雇用の安定化の方向に行っているのだと思われます。ただし企業に強制が難しい中で「人間力」なる謎概念に走ってる訳ですが…。
関連: [society] 少子化の決定要因と対策について:夫の役割、職場の役割、政府の役割、社会の役割(再掲) (pdf)

[business] サービス業基本調査
平成16年度の結果が公開。

[partner style] SEO講座 セックス・エンジン・オプティマイゼーションとは?
笑った。恋愛マーケティングの一種、ですね。

[communication] 豆腐屋さんのリヤカー引きのコミュニケーション力
へぇ。面白い選考基準です。コミュニケーションは、相手にどのように受け取られたか、で決まりますから、相手によって必要な「コミュニケーション力」というのも変わってくるはずです(相手によって変えられるのがベスト)。この場合はどちらかというと「聞く力」が重要ってことですかね。高齢者はしばしば話を聞いてくれる人を求めてるので。
次の苦労話も興味深いです。

Posted by seraph : 00:00 | Comments

2005年12月24日

ニュースメモ(2005/12/18-2005/12/24)

News

【2005/12/24】
NHK「あすを読む」で「人口減少の処方せん」。女性、高齢者、ニートの活用による労働力人口の確保が重要であり、そのためには多様なワークスタイルを可能にすべき(両立支援、均等待遇、再チャレンジの道)といった優等生的な話でした。そろそろどうそれを実現するの、という話が聞きたいところ。企業の協力なくしては実現しえない訳ですから。

[society] 高齢化時代における地域活力の展望 (pdf)
単に縮小すると見るのではなく、新たな消費市場を捉えること。

[society] 「援助交際」を助長するロリコン男性の存在〜日本人男性の1割程度は潜在的なロリコンか?〜 (pdf)
日本特有、というのは社会的・環境的な要因による後天的なものでなく、先天的なものなのでしょうか?

[society] 下流社会:東京新聞の記事から
企画提案をしている立場からすると、企画のヒントなどに使えればそれでいいんじゃないないかという感じですね。社会問題本と捉えるから話がおかしくなる。

[society] 「子どもたちを“放牧”しよう」汐見稔幸・東京大教授の保育学講座
「放牧」という言葉に一瞬ぎょっとしましたが、そうした遊び(であり学び)の場が大切というのは同感です。

[partner style] いまさら恋愛のない世界なんて
後には戻れません。前に進むのみ。その「前」とは果たしてどんな形なのか…?

[communication] ディベートは 楽しくするもの したいもの
議論を建設的にするには、人格攻撃でなく、意見の内容について批判する。「叱る」場合でも同じことが言えますが、日本では言う方も受け取る方もなかなか慣れていないところがあります。

【2005/12/23】
NHKの視点・論点「少子化・未婚化の背景」で、山田昌弘先生が登場されてましたね。90年代以降、結婚に期待する生活水準が高止まりする一方で、男性の将来の所得見通しが不安定化したのが出生率低下加速の原因といういつもの。

[society] 人口、初の自然減に 少子化進み1万人 05年推計
[society] 「人口減社会」がやってきた 2人目産みたくても…
中位推計と下位推計の間ぐらいを見ておけば良いという傾向が依然続いています。
関連: [society] 平成17年版 少子化社会白書
関連: [book] 子どもという価値—少子化時代の女性の心理

[work] 休日・深夜割増賃金、一定年収以上ならゼロ
ホワイトカラーイグゼンプションの話。この場合はあくまで休日・深夜の割増賃金をなくすというだけなので、残業代自体は残る訳ですが、もちろん最終的には「残業」という概念自体もなくなる方向です。
参考: [work] マクドナルド店長残業代支払い裁判が労働基準法改定に及ぼす影響

[partner style] 男を追いつめないで!
バックラッシュ的ですが、これはこれでなかなか凄い言われよう。

[communication] 髪を切ったらまずほめろ
褒め力。

【2005/12/22】
[society] 2005年度新入社員 半年間の意識変化調査
保守化・安定志向が強まる? 「10代女の子、不安ゆえの超・安定思考。」とかと同じ傾向ですか。ま、これだけリスク社会化が喧伝されれば安定志向にもなるかも。

[society] 「リスク社会を考える-下流社会、その先にあるもの
スーパーニュースに三浦展氏が登場。

[business] 進化するわが国製造業の内外分業の影響〜アジアとの住み分けによる経済成長促進への展望〜 (pdf)
現地製造・現地販売の流れ。住み分けを進めるには、(1)産官学連携プロジェクト推進、(2)法人課税軽減、(3)知的財産権の実効性確保の推進が重要と。

[partner style] 結婚しない男たち〜30代前半 未婚率42%の理由〜
「ギャラリーウェディング」は初めて聞きました。

【2005/12/20】
[society] 少子化問題の現状と政策課題—ワークライフバランスの普及拡大に向けて—
散々言われ尽くされてることですが、改めてワークライフバランスの重要性を。肝心なのは研究機関の提言がどれだけ具体的な政策に反映されるかですけど。

[society] 少子化と労働問題 / 2 / 3
雇用から見る原因。

[society] 少子化の原因について
こちらは非婚化・晩婚化の原因。的確に思えます。

[society] 行政職員の成長につながる「評価システム」導入の進め (pdf)
公務員の「適正」な評価とは。

[business] 裏口入学の相場〜私大医学部で4000万円から6000万円〜 (pdf)
下世話な話で面白いと言えば面白いですが、調査の精度は?

【2005/12/19】
[society] 安心社会の実現にむけた改革の道筋
格差と消費税について。

[society] 最近の人は光ばかり求めて影がない。
事実としてはそうなんですが、若い人が自分たちでそう考えるのならともかく、偉い人が上から仰られても、また都合良く利用しようとしてるんじゃないか、と構えてしまうような気も。

[society] 少子化をどのように防ぐのか
森永先生の例の。雇用と所得の安定により、敢えて結婚する必要がない、という人が更に増える気がしますが、確かに一部のカップルは救われるかも。雇用と所得の安定で行くなら+シングルペアレント支援かと。

[society] 少子化問題についてのひとりごと
個人としては凄く歴史の長いサイトです。

[society] けっこうヤバいかも!? 筑紫の「スローライフ」
「スロー*」にはビジネス的な話だけでなく、政治的な匂いも?

【2005/12/18】
[society] マルチ・スタンダードな社会ビジョンを——サステイナブルな成熟社会へ (pdf)
マルチ・スタンダード、つまり「第2標準」だけでなく「標準が複数存在する」社会を。

[society] 京都女児殺害について。忘れないために。
「他人事」にできないこと。

[business] 露出狂と変態と「はてな」。露出できない人がそこから得る教訓。
はてなは露出狂マーケティング? 選択的にアピールするのが普通の企業。

[work] 部下力
部下もなかなか大変です。もちろん、他人に期待するのではなく、まず自分が何をできるか、という考え方が大切だと思いますけど。

[communication] 新・八方美人のススメ
要は他人への気配り。

[mental] 自分はベストを尽くしていると、自分で自分を認めればいいんですよ
「自分へのご褒美」ならぬ「自己承認」のお話。

[book] 孫にモテるための本
目次はこの辺。趣味がないまま引退すると孫の成長ぐらいしか楽しみがなくなってしまうのでしょうが、しかし孫モテですか。孫を使って団塊世代の財布の紐を緩めさせようという感じにも見えなくも。

Posted by seraph : 00:00 | Comments

2005年12月19日

サービス化する社会

Business | Society

現代先進国の飽食・モノ余りの時代にあって、コモディティ化するコンテンツ(製品や情報)を差別化するポイントは何か。その重要な1つは「サービス」である。そして、「サービス」はコンテンツの善し悪しとは別に、受け手側の感情的な受け止め方によって、満足度が異なってしまうという特徴を持っている。

『不快』化する社会、不快感を忌避する社会」 (via 「『非国民』に対する歴史的反応と現代的反応」)は、教育が、受け手側の「不快感」を元に善し悪しが判断されてしまうという一例で、興味深く読んだ。この件は、詳細なプロセスや状況が分からないため、何とも言えない部分もあるが、戦争の理不尽さを伝えるのに、赤紙を使うという着想、コンテンツ自体は必ずしも悪いものとは思わない。むしろ無味乾燥なテキストよりも強い、生きた印象を残すことが期待される。ただ、教育の顧客である生徒および生徒の親の感情を害してしまった時点で、教育「サービス」として失敗してしまった。コンテンツとは関係なく、ただ受け手側の感情で決まってしまっているのである。

高レベルの受験校である高校ぐらいにもなれば、教員の好き嫌いよりも、受験への役立ち度という点でコンテンツの質により授業が評価されることも多いと思われるが、このような義務教育ぐらいの段階では、教員との人間的な関係、感情的な好き嫌いによって、教員や授業が評価されてしまうことも多いのではないか。(余談になるが、先日の塾の事件も同様なことが言えるだろう。)

こういったサービスの「受け手の感情によって価値が決まる」という性質は、もちろん私たち自身も日常的に体験している。レストランなら食事がおいしいことは当然重要だが、それに加えてフロアスタッフの接客が店の満足度に大きく関係しているはずだ。終止無愛想な対応をされれば2度とその店に行くことはないだろう。高い専門性を持つ医療ですら、今や患者との人間的な関係が重要となっているサービスの1つである。

近年、若い人たちの間で「気配り」が最重要視されたり(*1)、しきりに、「コミュニケーション力」「対人力」「人間力」といった具体的な内容が余り語られない便利なキーワードや、社交性が重要なものとして流布しているのは、こうした社会の「サービス」に対する要求が非常に高くなっている事が背景にあると思われる。ビジネスを含むあらゆる場面において顧客(相手)に好感・快感を抱いて頂く事が競争力の源泉となっているのである。それゆえ、サービスレイヤにおける競争に満ちあふれた社会に生きる消費者は、ますますサービスを享受する際の自分の感情に敏感になり、要求水準を高めていく。

(*1)10代男の子は、社交性の有無で友達を判断する。 (博報堂生活総合研究所調査)

ただ、こういった流れは必ずしも全ての人にプラスである訳ではない。産業としても、先進国では、第3次産業(サービス業)が第2次産業(製造業)の規模を超えて久しいが、第2次産業でも差別化としてのサービスの重要性は高まるばかりであり(*2)、コツコツと真面目にコンテンツ(製品や情報)を作る事を得意としている技術者や職人にはますます不遇な時代が来ている。労働力のミスマッチは、産業構造の急激な変化に、人々の意識が対応しきれていないことがある。また、「コミュニケーション力」「対人力」「人間力」に不自由を感じていない人ですら、感情的な労働は、しばしばストレスの大きいものである。もちろん、サービスが重視される社会にただ不満を述べていても仕方がないので、そうした流れを踏まえて私たち1人1人がどう対応していくかが大切なのだが。

(*2)例えば、製造業の雄たるトヨタのレクサスがモノだけでなく、サービスを含む一連の経験(エクスペリエンス)全体を売っていることは明らかだ。

一方、こうした世の中の動きに対して科学的なアプローチも始まっている。IBMが取り組みを始めた「サービス・サイエンス」と呼ばれる領域がそれだ。受け手の心理的な状態によって価値が決まってしまうという性質を持つ「サービス」の重要性が高まる中で、それをどうマネジメントしていくのか、どう生産性や品質を高めて行くのか、あるいはどうイノベーションを起こしていくのか、といった問題意識があるようだ。もっとも、顧客の要求水準が高まる一方で、サービスの質の高め方はまだほとんど分かっていないのが現状である。

先のIBMなどが関わっているソフトウェアの世界において、SOA(サービス指向アーキテクチャ)や、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)といった「サービス」が流行語として語られているが、これは決してソフトウェアだけの話ではない。好むと好まざるとによらず、あらゆる経済的活動、あらゆる社会的活動が「サービス化」する瞬間に、今私たちは立ち会っているのである。

【関連資料】
[business] 9/08 TRL主催、「サービス・サイエンス・シンポジウム」 〜講演資料

【関連書籍】

4260331175感情と看護―人とのかかわりを職業とすることの意味
武井 麻子
医学書院 2001-03

by G-Tools

4790708039管理される心―感情が商品になるとき
A.R. ホックシールド Arlie R. Hochschild 石川 准
世界思想社 2000-04

by G-Tools

4062581779自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実
森 真一
講談社 2000-02

by G-Tools

4478374120サービス・マネジメント
カール アルブレヒト ロン ゼンケ Karl Albrecht
ダイヤモンド社 2003-04

by G-Tools

4761262788リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間
高野 登
かんき出版 2005-09-06

by G-Tools

Posted by seraph : 07:00 | Comments

2005年12月17日

ニュースメモ(2005/12/11-2005/12/17)

News

【2005/12/17】
[society] 人口動態から10年後の日本経済を読む〜来るべき上昇局面に行うべきことは何か〜 (pdf)
「シニアビジネス」「知識集約型製造業」「ビジネスサービス」の可能性。

[society] 少子化社会白書「日本は超少子化国」
社会全体での支援を。

[society] フランスのモザイク家族
[society] フランスの新家族のあり方
[society] フランス結婚崩壊と子供
日本にも新しい家族モデルが必要な時期に来ているのではないか。

[society] 「ハードワーク――低賃金で働くということ」書評
「先進」国イギリスと、後を追う日本。

[work] キャリアと希望
やりたいことを持つこと自体に意味がある、と。

[work] みずほ証券誤発注、無職27歳が20億円大もうけ
金融社会化が進む中で、「リスク化」が加わればデイトレーダーが増えるのは当然とも言えます。

[book] 新卒ゼロ社会—増殖する「擬態社員」
書評も参照。スキルアップなどを社員の自己責任としながら、同時にカイシャへの忠誠を求めてもそれは無理というもの。

【2005/12/16】
[business] 増殖する「仮面ニート族」への対処法
レコグ二ションもやはり「承認」ですね。

[work] 若い頃は1日14時間しか働けなかった〜マネックス・ビーンズ・ホールディングスの松本 大 社長CEO
人によって凄い反応が変わりそうです。

[partner style] 恋愛ニート
新語に登録ですか。

[book] コミュニケーション集中治療室
「あなたも、ビョーキかもしれません」。コスプレでセミナーって確かにインパクトあるかも。

【2005/12/15】
[society] 現代日本人の「楽しさ」の意識に関するアンケート (pdf)
「コミュニケーション」と「食事」が多くの人に共通する「楽しさ」である、と。年収は高くなるほど「イベント」が減少し、「自己表現」「仕事」が増加するらしい。

[society] 中国:「一人っ子政策」の中期的影響 (pdf)
日本でも男余りが顕著なようですが、「一人っ子政策」で男女比率が変化してる中国では更に深刻な可能性。

[society] 希望を科学する
希望と健康の関係。

[education] 「下流社会」を生み出さない教育とは
現代社会で求められる能力は論理的な思考力、俯瞰力、コミュニケーション力、交渉力、リーダーシップ・フォロワーシップであり、それらは従来型教育では身につけることが難しい、と。端的にまとめられてます。

[education] 科学者はみんなマニアで根暗?
物語の中でのマッドサイエンティストのイメージが強過ぎるのか、あるいはカネ・恋愛のどちらにも余りプラスに働かないことに現実的な反応をしてるのか…?

[work] 「じゃ、やめれば?
「can not」ではなく「do not」。ただこれ、相手を選んで言わないとヤバい気も。

【2005/12/13】
[society] 疑似問題としてのフリーター (via yodakaのブックマーク)
曖昧になる境界と変わらない価値観。

[society] 「フリーターにとって「自由」とは何か」書評
生存についての本である、と。

[society] 誰のために生きてるのか
「ミリタリーサービス」の方がラク。

[society] トリュフ・マツタケ・シイタケ
何か表現がツボに入りました。

[communication] 今日の「コミュニケーション能力」
ある種の部活動を通じて養える「コミュニケーション能力」って…。(中高)挨拶・礼儀・上下関係・ストレス耐性、(大学サークル)トーク力、空気読解力ってとこでしょうか。それを「コミュニケーション能力」と呼ぶのであれば。

[book] 高学歴ノーリターン
タイトルが煽りくさい本が続きます。何の事はない、例によって高学歴「だけ」じゃ(医者や一部の士業を除いて)意味ないよ、ってことだと思われますが。もちろん平均的には、ノーリターンということはないでしょう。ただこの「リターン」が経済的なもののみを指しているのも疑問はあります。例えば登山日記さんの「机に向かった分だけ世渡りスキルが失われる」といった指摘が的確ですが、いたるところでのミスマッチを避けるためにも、まだ可能性のある若い人には「社会」で要求されるものを正直に伝えていく必要があるかと思われます。

【2005/12/12】
[society] 東アジア共同体を考える
日本の比較的な存在感が弱くなる中で、地域的な連帯の必要性が高まるも、まだまだ長い道のり。

[society] Uターンするのか
出生率という意味では昔の方が高かった訳ですが、意識も社会ももはやUターンできない状態にあります。

[society] 「ファミリー・フレンドリー」が企業の「売り」に
そりゃま「効率性」で動く以上「売り」にでもならなきゃ誰も取り組まない訳で。

[society] 地下経済と地上経済の微妙な関係〜地下経済の拡大にもメリットはある〜 (pdf)
ある種「カネに色はない」ってヤツ。

[business] LOHASは「サブマリン商標」の成功事例か
へぇ。確かに一部を除いてはまだそれほどリアルな生活に浸透してないので早いかも。

[work] 均等法世代の働く女性の結婚問題
ライフスタイルは「多様化」したか。

[book] 実践!おひとりさま道
目次はこの辺

[misc] プレゼン資料の文章量が多い訳は...
資料の一人歩き対策ですよね、やはり。

【2005/12/11】
[society] 小中学生 赤ちゃん交流
職業教育だけでなく育児教育も小中学生から行う流れ。

[education] 10歳からの能力主義 日本経済 真の復活は教育にあり
巡り巡ってそこに来ました。

[education] 本田由紀『多元化する「能力」と日本社会』 (via Freezing Point)
上とも関連しますが、社会で要求される「能力」というのは何かということでもありますね(少なくとも従来の「学力」ではない)。

[mental] NEETの心理学 (pdf)
精神的な状態から「ホワイトニート」「グレーニート」「ブラックニート」の3タイプに分類。

[communication] 人は見た目が9割?
[society] ホンネとタテマエ
[work] 採用面接は第一印象が大事
[misc] フランスで顔面移植手術
[communication] メラビアンの法則
検索してこられる方がいるようなのでいくつか。1番下のリンクにありますが、メラビアンの法則は曲解されている、と。もちろん見た目が重要なのは確かでしょうがその割合は場合によって変化するというのが実際のところでしょうか。「書籍はタイトルが9割」ってヤツですか。

[book] パラサイト・ミドルの衝撃 サラリーマン、45歳の憂鬱
寄生しているのは誰か。逃げ切りモード、というところ。

Posted by seraph : 00:00 | Comments

2005年12月09日

ニュースメモ(2005/12/4-2005/12/10)

News

【2005/12/09】
[society] 下流、格差、貧困について。
「低所得者層のニーズに応えるビジネス」の不思議。んーロングテールとかその辺だけじゃないんだろうな。

[society] 先細り感
お役所もお墨付きのようです。

[society] イケシニ
「シニ」が「シニア」の略なんて言われなきゃ分からん。

[communication] 「年上部下」を生かしきるマネジメント
「Iメッセージ」を効果的に使う。

【2005/12/07】
[society] これからの者にとっての『立身出世』とは?(玄田有史) (pdf)
タフネスを身につけるチャンスを。

[society] 2005年社会階層と社会移動調査研究会
階層の固定化は進んでるのか、という調査ですね。

[society] 「快適な生活・家庭を維持する」という目的のために支払うべきコスト
そもそも世間では(統計には現れてこない)サービス残業が蔓延する中で、単に時間の違いで事実上の時間単金としてどうなの? という話もありそう。

[society] 自由な選択で子供を増やせる
意外と多くの公費が使われてるんですね。それにしてもそれを「自由な選択」と言いますか。

[work] 就職活動を考える
そろそろ来年度に向けて活動を始められてる頃かと思いますので。(色々思う事はあるかと思いますが、「新卒」は基本的に2度と得られない貴重なリソースです。)

【2005/12/06】
[society] 少子化社会の虚実を問う (pdf)
年金制度を積立方式に移行せよ、と。インフレに弱いのはこれからの時代、気になりますけど、納得感は高いですかね。
参考: [society] あなたのお金指南塾 第8回〜公的年金 早分かりのための三つのポイント

[society] 下校時の学童の安全はスクールバスを考慮すればいいのでは
スクールバス1つでもこれだけ色々あるとは…勉強になります。

[society] 「多様」な評価尺度
昨日一度書いて余りに露骨なので消してしまいましたが同じような話が。例えば、組織を活性化させるには多様性が重要だ、という言説に対してついシニカルになってしまうのがそこで言われる「多様性」が実に限定された範囲内での多様性に過ぎない、ということです。ただ一方で、組織をまとめようとすればそれは当然のことで、「GEバリュー」という言葉がありますが、業績やもちろん能力よりも、組織文化や価値観に共感できることの方が重要とされる訳です。私的な人間関係は、しばしばもっと残酷でしょうけど。
参考: [work] 変革の時代に活躍する「自立した個」となるために

[society] ホームレスのすべて
物理的な住居とは別に、「承認欲求」が満たされているかどうか。例え物理的な住居があっても「居場所探し」というのはある種こころのホームレスとも言えます。「ベーシックアクノリッジメント(基本的承認)」はそういう問題意識でしょうか。

[work] 2010年の経営戦略は“働くモチベーションの再生”がカギ〜上場企業20〜30代正社員に調査、やりがいは「報酬」「自分らしさ」「キャリアアップ」〜
「75%が現在の仕事に無気力感、約半数が潜在的な転職志願」と。明らかに業種や職種が間違ってない限り、単にモチベーションが上がらないから転職しても、同じことになりそうな気もします。

【2005/12/05】
[society] 労働一般 > 少子化対策・育児と仕事両立の仕組み必要で一致、大阪で少子シンポ(20051201)
こと(非・非婚者の)少子化対策に関しては「何が必要か(What)」はもう出揃ってます。後は「どう実行するか(How)」もしくは「何故実行できないか(Why)」。

[society] デート商法に見る若者の情報・知識・認識不足――被害に遭う若者たちの“なぜ”
「(妙に親しげな異性の)人を見たら「悪質商法」と思え」と。自分の「相場」を知っておく事も重要でしょうか(自己評価が低い人は(あらゆる可能性の否定と引き換えに)最初からシャットアウトして相手にしないのでまず引っかからないですよね)。

[society] 内田樹講演会『学びからの逃走・労働からの逃走』
スポーツが振興対象となるのは「負けることに馴れさせる」ためだそうです。なるほど。あれもいいけどこれもいいよ、というのじゃダメなんですね。

[communication] コミュニケーション能力・メモ
ITの場合サービス業なので新人からコミュニケーションが要求されますが、といってもマネジャー層、経営層では必要なスキルセットが違うため、優秀だからと上に上げても上手く行かないというパターンはよくありそうです。(そういう意味で単線型のキャリアパスを見直し、マネジャーでない上位職を作ってキャリアパスを複線型にしようという発想がありそうなのがITSSですか(賛否両論ありますが)。) ただコミュニケーションにおける完全な「機会平等」ってのはそれこそ「努力すれば身に付く→自己責任」を強化しそうでそれはそれで怖い気も。

[communication] 斎藤孝著(2004)『コミュニケーション力』 岩波新書――結局、コミュニケーション力とは何だったのか(読後も全く不明
[communication] 「コミュニケーション能力の育成」という論理に伴うあまりに多くの曖昧さ
[communication] 「コミュニケーション能力」の意味のブレ
[communication] 「感情理解・文脈把握」としてのコミュニケーション能力
少なくとも共感的コミュニケーション、ロジカルコミュニケーション、外国語コミュニケーションはそれぞれ別物かと。経済界「社会」が要求するビジネスコミュニケーションにはそれら全てが含まれていて、かつ適切なバランスで使い分けられるということでしょうか。

[partner style] 子の幸せな結婚願い 父母が「代理見合い」 南京
NHKニュースでもやってましたが、晩婚化・非婚化については中国や韓国は日本と同じ状況になりつつありますね。

[life] 母子二役日記
「その人のために」と考えるのではなく、ただ「その人の立場に自分を置いてみて考える」というメソッド(「なぜあの人だと話がまとまるのか?」では「相手主義」と表現されてます)の応用か。

Posted by seraph : 00:00 | Comments

2005年12月02日

ニュースメモ(2005/11/27-2005/12/3)

News

【2005/12/02】
[society] 少子化・晩婚化〜仕事と子育ての関係
オランダのワークシェアリングはヒントになるか? 少数で長時間働いて頂いた方がコスト面では得ですから、企業の協力が不可欠です。
関連: [society] 主要国における仕事と育児の両立支援策 (pdf)

[society] フランスで出生率が上がった本当の理由
今でこそラブハラとかありますが、日本は実はかなり(非恋愛系なピュア)シングルに寛容な国ですよね。ただ今後は変わるのかも。一夫多妻制+シングルペアレント支援がひとつの有力な解ですが、必ずしも常に恋愛とカネが両立してる訳ではないので、「社会で支える」ということで稼げるピュアシングルから所得移転する形になるのかな(マトリクスで言えば左中→右下)。

[society] 少子化阻止へ結婚応援団 セミナーで「人間力」磨く
ニートから少子化まで、カギはやはり「人間力」らしいです。

[society] パーティー券の販売代理店
うちのマンションでもとりあえず姉歯じゃないよとか調査結果が掲示されてますが、構造的なものな気がするので正式な結果が出るまでは安心できないですね。民間は原則としていつも「効率的に」動きますので、利害関係により危険をもたらしたり監査を無力化してしまわないようなシステムでなければ機能しません。

[work] プロの仕事人に必要な3つの要素
[society] 求人・応募者のミスマッチ?
社員の「流動性」が高まり、人材育成に投資できないという状況もありますが、「キャリア開発は自己責任」という名のもとでの単なるコスト削減とも言えます。

[partner style] 腐敗した世界に堕とされた人々
[communication] 電脳ポトラッチでコメントしているMK2さんって
昔から心を動かす魅力的な文章を書かれる方ですが、何でしょうね…多分他者への強い想いとか深い共感とかいうものがある点が違う気がします。たまたま対象が2次元か3次元かというだけだったのかもと。

[book] プレジデント Family
父親スキルとか家庭マネジメントとか、言葉の使い方がsociologicっぽくて笑えます。

【2005/11/30】
[society] 国の借金「体感」博物館がオープン
オフライン版、できました。

[book] 人は見た目が9割
タイトル+帯だけの煽り本っぽい? かなりの部分事実ではあるでしょうけど。

[communication] 口下手には住みづらい世の中
で、上のと合わせると、1次足切りがルックス、2次足切りがトーク、ということでしょうか。

[partner style] 強く優しく逞しく
異種交換から同種交換への変化や、リスク社会化・流動化(不安定化)により、双方とも要求水準が高くなっているのが実情のようです。

【2005/11/29】
[society] 非労働力人口の労働市場への流入の要因
景気回復と団塊世代引退を睨んで若者を中心に雇用情勢の風向きが変わって来た。

[society] ボボズ(BOBOS)マーケティングのコンセプトは少子化問題の救世主となるか?
以前も紹介した、フランスで育児の再発見のきっかけになった「ボボ」。価値観の重要性。もちろん物理的にフランスとは労働時間も違うので一概には言えないでしょうけど。ILOで調べると女性は日仏でほぼ同じですが、男性は週に9時間、年にして4,500時間労働時間が多い(労働時間の2極化が指摘される中での「平均」で)。共同参加を実現する壁の1つとも言えます。

[society] 「ニート対策・若者自立塾」<2>
機械/IT化とグローバル化が変えるニーズ。以前も書きましたが恐らく、将来的に国内で残るのは、専門性の高い仕事以外では、ハイタッチな(=情緒的・感情的なコミュニケーションが要求される)対人系サービスばかりになっていくことが考えられます。過去を懐かしんでいても仕方がない訳ですが…。
関連: [book] 花を売らない花売り娘の物語―ハイタッチ・マーケティング論

[business] 拡大する「別れさせ屋」ビジネス~調査会社と依頼者の間でさまざまなトラブルも発生 (pdf)
[business] 少子化が進むなかにあっても拡大する「援助交際」市場~2003年の市場規模は487.9億~634.2億円 (pdf)
[business] わが国の闇労働の大きさを測る (pdf)
面白いレポートですね。

[work] 「ハードワーク」は時代遅れじゃない!
一見時代錯誤で釣りっぽいですが必ずしも間違ってないかも。次回のは今日出るらしい。

Posted by seraph : 00:00 | Comments