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2006年01月28日

ニュースメモ(2006/01/22-2006/01/28)

News

【2006/01/28】
[society] 生活水準の変化と今後の不安
まだ中流意識が根強いが将来は悲観的な予測。

[society] 子捨て箱
写真も見ましたが国によってこういうのがあることがショック。

[work] 2005年度・新卒者採用に関するアンケート調査集計結果の概要
売り手市場を裏付ける結果に。採用時に重視する要素1位は例によって「コミュニケーション能力」。余りに幅広いのでブレイクダウンした方がいいと思うんですが。

[partner style] シンガポールにおける政府系出会い系
国がやってるから安心感があるんでしょうか。日本だとどうかな。

[communication] 外見力を高めよう!
「外見」ってもむしろシロクマさんの非言語コミュに相当するものですね。ビジネスでも偉い人はプレゼンスマネジメントのトレーニングを受けてたりとか。もちろん2つ上の「コミュニケーション能力」にも含まれてそう。
参考: [book] 男の仕事は外見力で決まる

【2006/01/27】
[society] 富裕層の相続の現状 (pdf)
遺産信託なんてサービスがあるんですね。分けるものが多い程モメるってことか。

[society] ニートの存在はあなたの家計を直撃する!〜座談会:なぜ、ニートが増えつつあるのか(前編)〜
まだまだ出てきますね。「甘い親」原因が基本論調。

[society] ニートにならないための授業伝授 鳥居さんが講演 さいたま
相変わらず賃金格差2億円の話ですか…「超入門 2億円稼いだ株之助の世界一受けたいデイトレ授業」とかと並べたら生徒どう思いますかね。

[society] 学校で階層社会が本格化。人気者バトルロワイヤル?
はてな語じゃなくて教育の場でもスクールカーストって使われてるんでしょうか。ただ、命名されてるかどうかであって、昔からあった構造であり「よくあるいじめ」そのものな気も。

[society] 「不快感を与えただけで犯罪に」--米国新ネット関連法の危うさ
ハラスメント社会。

[book] 日本をロハスに変える30の方法 — BUSINESS LOHAS
某脳内汚染じゃないですが、絶賛コメントばかりだと口コミマーケティング? とか勘ぐります。

[partner style] 「韓日の“負け犬”の現状は?」 酒井順子、チェ・ジェギョンと対談
お隣ではまだ社会的圧力が強いようで。

【2006/01/26】
[society] 日本の未来はスローな国家?(上) / (下)
この現実認識は…どうなんでしょうか。

[society] 意欲格差・希望格差の復習,問題の概観
タイトルの通りですが、一連の流れをおさらい。

[book] フリーター漂流—日本の若者の5人にひとりがフリーターだと言われている。
NHKのあの人気番組が書籍化。

[work] 週40時間労働制限、高収入社員は撤廃 労基法改正 (via 新しい自律的な労働時間制度? なんて欺瞞的な!)
業務量を自由に決められるっても、事実上、労働時間帯は「顧客対応の必要性(CS向上)」で、労働時間数は「売上/利益予算による管理(株主価値向上)」、そして成果主義でコントロールできますしね。
関連: [work] 今後の労働時間制度に関する研究会報告書(案)

[business] 「第9回 生活者の"企業観"に関するアンケート」の集計結果
CSRへの意識は高まりましたが、「企業の信頼感」は低くなった?

[partner syle] カップル宿命の「育ち格差」
「性格の不一致」はコミュニケーション能力不足の証拠、だそうです。AERAは相変わらずの煽り好きなことで。

[partner style] 家事OK「好男人」推奨
幸福な家庭を作るため行政指導も。

[misc] 銀行の粉飾は適法でホリエモンの粉飾は違法?
[misc] ライブドア問題と民主主義
[misc] 「いきなり検察当局が出てきた」、日経新聞が明かしたライブドア捜査の内幕
複眼的で勉強になります。本当にメディアは「事実」だけを報道した方がいいかも。

【2006/01/25】
[society] 高年齢者雇用の実態と法改正に伴う企業の対応ー多くの企業は継続雇用制度で雇用延長の方針ー (pdf)
他の選択肢が定年延長か定年廃止ですから、普通はそうでしょう。

[society] 団塊の世代が地方を変える (pdf)
社会貢献意欲の高い引退世代を地方の活性化にどう活かすか。

[society] 少子化対策は“負け犬男”の救済にあり〜イケメンと金持ちに群がる女性たち〜
先日の番組の話、ですか。気になったのは1)「イケメン」「カネ持ち」以外が全員アキバ系に走ってるようにも読めてしまいますが、どちらにも入っていない空白地帯の方が明らかに大きいのでは。2)あと、解決のための提言が「終身雇用の復活」1行なのは弱いかも。それで対策されるのは「不安定雇用にあるフツメン以上(もしかしたらイケメンのみ)の男性」だけですからね。(ま、現実問題としてどんな対策をしても救いうるとしたらそこだけなんでしょうけど。)

[partner style] 年齢別未婚率の推移
生涯未婚率も男性で12.6%に。2005年のデータもそのうち反映されるのかな。
関連: [partner style] 結婚した男女の出会いのきっかけ(見合い結婚、恋愛結婚)の変化

[education] 大学に「勝ち組育成実践コース」
「勝ち組」には趣味も重要。

[education] 2006年から大学生の「学力低下」が劇的に進む
会員登録してないので2ヶ月遅れですが。どうも、「ゆとり教育」だけの問題とは思えませんね。

[misc] ネットで見つけた噂:ライブドア強制捜査タレコミとディズニー次期会長
損害賠償請求訴訟まで先を読んでいたとしたら、さしずめ結婚詐欺ですか。

[misc] 改革を求められるジャーナリズム (pdf)
どの「事実」を報道するかだけでも十分に偏りが出ますが、「事実」と「意見」を明確に分ける、というのはキホン。

【2006/01/24】
[society] 人口減少問題、別の切り口で考える必要も
つまり「生産性」で見るべき、ということですが、何か、騙されてる感もするな。

[society] おかしなフリーター統計
意図はともかくとしても、男女ともに働いて頂きたいという偉い人の思惑と矛盾しているようには見えます。

[society] ライヴドアへの強制捜査に関する基礎知識。
[society] ライブドア、買収会社を黒字偽装 関連会社が増資資金
[society] つまり、ライブドアは偽札を刷ったってこと?
[society] ライブドア取引の整理:逆飛ばし疑惑を見てみる
[society] ホリエモンの錬金術
話のネタとしてトリックを理解するため今更ながら眺めてたのですが、良く言われる「錬金術」ってやや語弊がある気がします。(物理的な意味で)偽札を刷ってるなら「錬金術」ですが、明らかに一般投資家(など)からカネが移動してるだけなのですから、むしろ普通に「詐術」ですよね。

[communication] 汎用性の高さがコミュニケーションを制する時代——昨今注目の集まる“コミュニケーションスキル”と、ポストモダン的状況の関係についての一考察
汎用性に加えて柔軟性、適応性、ですか。

[book] 「見た目」依存の時代—「美」という抑圧が階層化社会に拍車を掛ける
これもそういう意味では汎用性・普遍性の話かな。

【2006/01/23】
週末は「アートと話す アートを話す」に行ってきましたが、面白い趣向で割と楽しめました。作品について質問が書かれており自由に書き込みが可能なワークブックというのが貸し出されるのですが、それによって作品との対話が生まれるだけでなく、他の人の書き込みも読めるので不思議な繋がり感が感じられたりします。2月には説明員がつくギャラリークルーズも開催されるようです。

[society] 「小さな政府」・「大きなNPO」
「官民」と「公私」は一体ではない、というのはなるほど、ですが、もう一歩踏み込んでどうしたらNPOが育つか、という提言があると。

[society] 拡大する貧富の格差
元ネタは「家計の金融資産に関する世論調査(平成17年)」の調査結果かな。昔も見た気がする。

[society] 今日の社会運動と「欲望の断念」について
今日のいくつかの社会運動が目指しているような共同性が、ある種の社会的な撤退を基礎としている」など非常に含蓄のあるエントリ。

[business] 曲がり角に立つ日本のパチンコ業界〜参加率上昇のカギを握る透明性の向上〜 (pdf)
カネのかからない(時間はかかる)ゲームやネットよりよほど生活を破壊してそうなパチンコ業界ですが、株式投資への消費者の移行で厳しいらしい。

[education] みんなのシケプリ on line
大学ではいかに過去問や優秀な講義ノートを手に入れるかということで、コネとコミュが重要になりますが、リソースが不足している人にも公平な、奇特なサイト。ま、考えようによってはスキルが磨かかれないとも言えますが。

[communication] ポストモダン的状況における「見た目」の効果
お姉さんの「男の恋愛相談室」さんのコメント欄とか、時々荒れてますが、正しいか正しくないかではなく、(自分にとって)使えるか使えないか、ということだと思ってます。

【2006/01/22】
[society] 高齢者就業、こう予測する—「継続雇用」で60歳の引退半減も— (pdf)
60歳代の労働力率の変化について。基本的には企業は定年廃止よりも雇用条件を変えやすい再雇用型を選ぶ気がしますが。

[society] 経済格差の拡大は本当に「誤解」なのか?
一連の「見かけ上」問題の分かりやすい解説。

[society] やはり東大卒の2割はニート予備軍!?
昨年物議を醸してた記事の続編ですが、前回突っ込まれていた内訳も追っかけてくれてますが、今回は修士・博士課程も含めて2割ということで若干数字操作感も。家庭的に、それを許す環境があるってことはあるかもしれません。

[society] 消費税論議……低所得者層からむしり取る「最悪の消費税」である農産物価格の高さをどうして無視する?
先生のいつもの農業嫌いですが、消費税以前にそもそもの商品自体の価値が価格に見合ってるか、という視点は重要でしょうね。

[society] ライブドア事件は「時価総額追求の終焉」か?
カネが余って投資先がないぐらいなので変わる訳はない、と。「そらみたことか」とか溜飲を下げてるんじゃなくて、あくまで金融化された社会でどうサバイバルするか考えることが大切。

[society] 成果主義で手取り月2万円 社員の訴え、和解し制度改正
後日談。完全成果主義はボトムラインをどこに設定するかが問題になりそうです。

[society] 結婚率も大幅ダウン!少子化は何が原因か。
まさにパートナースタイルの意識変化、ということですが、「性」への興味がどの程度薄れているんでしょうね。恋愛がある種「義務」的なものになっていることもあるのかもという気も?

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2006年01月21日

ニュースメモ(2006/01/15-2006/01/21)

News

【2006/01/21】
[society] 経済的格差の動向 (pdf)
これが「見かけ上」の元ネタですか。

[society] フリーターの「37歳」は犯罪年齢?
35歳が転職や派遣などキャリアのそれぞれの場面での境界になっていることは一般に言われますが(フリーターやニートの定義も35歳未満までですし)、それにしても三浦氏言いたい放題。

[society] 週刊ダイヤモンド2006/01/23発売号の特集は「上流社会 下流社会」。
2極化流行りですね。

[society] 少子化対策考 / 続少子化対策考 / 続々少子化対策考
女性社会化による少子化対策。基本的には、現行の企業の仕組みがいまだにかつての「標準家庭」モデル(男性の長時間労働+専業主婦)で組み立てられているのがもう無理が来ているということがあります。

[society] 少子化の有力な原因
[society] おひとりさま
上のとセットですね。男性の価値観もまだ「標準家庭」から余り変わっていない(あるいは「標準家庭」を前提とした企業に対応することを要求される)状況。

[partner style] ライフスタイルと恋人の有無
具体的なデータで見るとまた興味深いです。そういえば「ミリオネーゼのファッションルール」にも「恋愛で成功する服とビジネスで成功する服は違います。」とか書かれてました。

ライフスタイルということで言うと、マイレッツ倶楽部のスタイル分けも面白いです。皆さんはどれに当てはまります?

[communication] メールにハートマークはセクハラ
ハラスメントは面と向かってやめてくれと言えないからこそ第3者の窓口が必要な訳ですが、職場でパートナを見つけることまで躊躇される一因にはなってそうです。
関連: [communication] 「守る文化」は気を遣わせる

[communication] スナック女性客に「デブ」、侮辱罪で大月市議に拘留刑
「キモい」とかいうのも侮辱罪になるのかな。

【2006/01/20】
[society] 職場におけるメンタルヘルスの現状と課題 (pdf)
[society] 職場におけるメンタルヘルス対策—アンケートと事例からみる最新事情— (pdf)
[society] 仕事が「志事」ではなく「死事」に (pdf)
[society] 働く人のメンタルヘルス対策—最近の動向と新たな課題— (pdf)
メンタルヘルスが企業のパフォーマンスにも影響。人の買い手市場時は「タフな人だけ残ればいい」でも行けたかもしれませんが、人口減少でそうも行かなくなってきます。
関連: [work] 新日鉄ソリューションズが深夜残業、休日出勤を全面禁止
許可を得れば良いだけなのでどこまで現実的かは分かりませんが、この業界では画期的かも。

[society] フリーター、ニートを企業は正社員として雇うのか? (pdf)
求められる能力など。

[society] 所得格差の拡大「見かけ上の問題」 内閣府が否定
もちろん統計はそういう場合も多いですが、都合が悪くなると「見かけ上」ですか。

[work] ニートを働かせる方法を教えてください。
釣られました。

[partner style] 日本も「一夫多妻制」になる
適材適所で行きましょう、ということで。

[partner style] 助けて下さい・・・
1日で凄いレス。

【2006/01/19】
[society] 孫と祖父の会話(2007年、その後…)
「執筆者の家庭を題材とした実話ではありません」って。

[society] 変わる"働く価値観" (pdf)
「主体性」と「社会性(社会と関係していると感じられること)」が重要、と。

[business] 立命館小VS同志社小、新入生獲得に火花
小学校から人間力教育。

[partner style] 親の焦り 子は知らず
水準が高くなって「狭き門」に。

[subculture] 子ども部屋に侵入したゲーム、ネットという麻薬「脳内汚染」
ゲーム脳2.0キター。…いや、2.0ですらないか。

[subculture] 軽々しい発言をご容赦下さい - 人生ゲームM&A
確かに人生ゲームシリーズはボードゲームという認識がないかも。ところで、フリークの方から見て、「キャッシュフロー 101」はどうなんでしょう。興味があるんですが、勉強になる以外の面白さがあるのかなと。ボードゲームデータベースにも登録されてなさそうですし。

【2006/01/18】
[society] 勝ち組・負け組意識
性x年代別、世帯年収別、職業別の勝ち組・負け組意識。
間連: [society] だれやみ評論:勝ち組・負け組

[society] テレビ「ニッポン"貧困社会" 生活保護は助けない」/ 「チェチェン 市民の証言」 (via 不可視の貧困者)
本当の不可視者は経済的なもの。もうその領域に入り始めている。

[society] 「雇用ミスマッチの分析と諸課題」 (pdf)
「仕事の内容」と「能力・技術」のミスマッチ。

[society] 有給休暇、計画取得義務づけ・厚労省検討
元記事では、無限に労働時間が伸びかねないホワイトカラーイグゼンプションな人こそが対象外のようにしか読めなくて不思議だったんですが…ですよね。

[work] 即戦力といわれても
転職時はともかく、新卒では普通期待されてないはずですが。ただサービス系だと明るさとか、人好きとか、性格的な「即」さはあるかも。
間連: [work] 即戦力幻想
労務屋さんの中の人でしたか。「コミュニケーション能力」については多分仕事で一番使えるのは「政治的」なものですが、他にも「共感的」「論理的」など色々な概念が含まれてしまってますね。基本的には、ある年齢までは、弱点の補強に努め、ある年齢からは強みを伸ばすのが良さそう。

[communication] 人間力をアップする
みんな普段の生活の中で人間力を鍛えているはず、らしいです。
間連: [communication] 人間力運動批判Vol.1「『人間力』…ハァ?」

[communication] 自分改造計画は「大人の美徳」から
本物の笑顔。この本、広がってますね。

【2006/01/16】
わたせせいぞうの世界展を観てきましたが、いいですね。私の印象では、「こころ」とか「それから」とかの角川文庫の表紙のイメージが強かったのですが(古い)。大人の絵本「HEART COCKTAIL eleven」も購入。(公式サイト)

[society] 東京法哲学研究会例会・森村進氏の報告を傍聴
とても興味深いエントリです。やはり、衣食住を始めカネに依存するものが多くなった社会で、どの程度が「最低限」なのかが気になるところ。

[society] 2006年の景気動向に対する企業の意識調査 景気回復基調、「持続する」は4割にとどまる
定率減税半減で個人消費はどうなんでしょうね。

[business] 企業経営戦略上、「ホンモノ」の「ロハス(LOHAS)」を追求せよ!
マーケティングワードとして消費されることへの警鐘。

[business] 5年間で8倍の規模に膨らんだデリヘル〜2004年の市場規模は2兆円〜 (pdf)
2兆円って。「萌え」市場888億円より2桁も多いじゃないですか(当たり前か)。ポルノ税だけでなく風俗税もある種の独身税として効果があるかも。

[education] 学力も二極化時代 下位層、より低下 高校数学「ゆとり」のツケ
ツケというか、それが目的かと。あと、数学が何の役に立つのかというのもありますね。確かに依然として大学名は就職活動に効果がありそうなのですが、一方で机に向かう事で失われるスキルも気になります。「安定雇用-恋愛不参加」「不安定雇用-恋愛参加」のクロスな2層を増やしたことが非婚化の一因な訳で。

[partner style] 最近どう? 結婚しないの?
社会に出て皆がバラバラの方向に進むと、共通して話せる話題は限られて来ます。

【2006/01/15】
[society] 「日本の2006年と近未来」(前編)—景気は上向きと見るも、社会や個人生活には厳しい見方—
[society] 「日本の2006年と近未来」(後編)—9割近くが犯罪増加と回答、4割弱が賃金低下を予想—
景気回復も社会や個人の豊かさには繋がらず?

[society] 人口の増加が続く大都市圏と減少局面に入った地方圏 (pdf)
県によって非婚率や出生率に大きな違い。

[communication] 大学は学生が場数を踏めるような施策を打つべき (via yodakaのブックマーク)
凄い納得。自信は経験から、ですね。

[misc] あなたの脳タイプ診断 ビジネス編
今更ながらやってみた。結果はDa型/新感覚推進タイプでしたが嘘くさいな。多分「こうありたい」というのが選択に反映されてしまってる気が。あと他の診断系と違ってどのタイプでも凄いポジティブな捉え方がされてますね。

[subculture] はてなブックマーク > 27歳無職男、自宅に...
フィギュア燃え族笑った。

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2006年01月14日

ニュースメモ(2006/01/08-2006/01/14)

News

【2006/01/14】
[society] 就職内定率、大卒77.4%に改善 高卒も70%台
この景気回復+2007年問題で改善しない訳はないでしょうけど、それにしてもたった1年でも年度によって運不運が大きいですよね。正直。

[society] フリーターやニートを定職に就かせても解決できないこと
生活者としては安い商品、安いサービスの恩恵を受けていますが、働く側は当然その分厳しくなっている訳で(その点で「働いたら負け〜」はある意味正しい)。家庭の収入と支出を比較して、デフレの中で結局のところ、どこからどこへ富が移動してるのかを考えてみると。

[society] 金持ちになるには宝くじ
宝くじよりはまだ競馬やパチンコの方がリターン(還元率)いいですし、技術が反映される分まだマシか。投資するリソース(時間や能力、経験などを含む)がないほど「一発当てる」バクチに走りやすくなり、そして統計的に搾取される構造。もちろん胴元は絶対儲かる(ってもtotoは大赤字出してるようですが…何やってるんだか)。

[communication] 銀行の知られざる採用の舞台裏と『採用されるコミュニケーション能力』
面白いアナロジー。人数比とかも人間の部位の大きさと対応してたりしそう。現場のビジネスはしばしば政治力がモノを言う泥臭いものです。

[book] 「人間力」のプロになる—誰もここまで教えてくれなかった仕事ができる人の基本メソッド
「人間力」で思い出したので。昔読んだのですが1)自分の心を「無」にする+2)相手の気持ちを優先するということで、まー間違ってはないでしょうね。「基本」ってもカンタンとは思えませんが。
間連: [communication] 人間力ラボ
本家。「人間力」とは何かが分かります。

[communication] むしろ非コミュ牧場だと思った
「非コミュ牧場」とか「家畜化するポストモダン」とか名キーワード連発。

【2006/01/13】
[society] 団塊の世代が高齢者になる時—何が起こり、どう対処すべきか (pdf)
豊かな老いのためには健康、所得だけでなく、「心のあり方」や「人との関係性」が重要。

[society] 重要になる高齢者雇用
15年後には、主力の20-30代が800万人も減少。
関連: [society] “人口減少元年”が意味するもの 〜複眼思考で“この国のかたち”を考える〜

[society] 高齢運転手のタクシーはヤバス
ということで高齢者に頑張って頂く訳がある訳ですが…笑ったけど笑えん。もともと若い運転手を余り見かけないのはある種の受け皿になっているのか。

[society] 縦並び社会・格差の現場から:やり直すために
最終回。建前としてはやりがいは自分で創るものといっても、どんな仕事でもできる訳ではないのも確かです…。

[society] 意識調査:能力主義減り、終身雇用や給料重視志向
ここでも不安による保守化?

[society] ニートは若者だけの問題ではなく、
年齢以外でニートの定義に当てはまる人は、若者世代と大人世代でほとんど変わらないらしい。

[partner style] 結婚産業も大事だがその前に恋愛産業も大事
へぇ、合コンマッチングサービスですか。

【2006/01/12】
[society] 2006年、若者の二極化は一層深刻化する〜“コミュニケーション能力”が明暗を分ける〜
出ました。というか、コミュニケーション教育については1年近く前にsociologicでも話題に上ってて、シロクマさんが専門家の観点から効果は限定的では、という見解(1/2)を頂いている話で、「天下の日経(BP)さん」なのに掘り下げが物足りないかも。ただ学校が行うかどうかはともかく10代に何かが必要そうなことは言えると思います(ちょうど次のテキストエントリで書こうとしていたところ)。

[society] 雇用の現状 (pdf)
この時期に完全失業者数が増加? と思ったら就業者数も大幅増加してます。

[society] 外国人労働者と雇用税(1) (via yodakaのブックマーク)
日本でも近いうちに現実の話になって来そうなだけに、先行者として非常に興味深いです。

[society] 名前をつけ分類するのが好きな日本人 社会を映すラベリング
取り上げ漏れ。忘れられるのも早いですね。

[communication] 接客力格付け
感動接客、とかそういう感情系サービスの話かと思ったら、もう少し前段階のようにも。苦情対応は簡単ではないですけど。

[partner style] 自信のない男性には惹かれない
自信はどこから生まれるかというと、経験。2極化が起こるのは無理もありません。

[book] 電車の中で化粧する女たち—コスメフリークという「オタク」
「単にウチ・ソトの区別がなくなったからではなく、化粧そのものが変わった」らしいです。興味深い。

【2006/01/11】
[society] 働く過剰—希望学の視点から若者の人材育成を語る— (pdf)
玄田先生の希望学シリーズのまとまったレポートが出てます。うーん、学校はカイシャに備えてワケの分からなさに慣れる場なんでしょうか。例えば、超アツい「知能販のプロになれ!」だとこう。「小さい仕事はない。あるのは、小さい想像力だけ」。常時試験週間のような厳しさがある一方で、やり方や答えは1つじゃないです。

[society] 「世代間の不公平は誤解」の誤解
70年代生まれどころか、何と1965年生まれはすでに払い損?

[society] 親の心、子知らず Part4
団塊世代は豊かなことになってますが、本当に豊かなのは何割か。やはり、世代間格差もあるけど、世代だけじゃないですね、これは。偉い人はもっと高齢者に働いて頂きたいと仰ってる訳ですし。

[work] ポール・グレアム「就職なんてもう古い」
面白いです。要は何で起業しないの? ってことですが。日本だと、どうかな。まだまだ途中から入る方の流動性は高くない、ということは考慮した上でキャリア戦略立ててもいいかも。ポール・グレアムの「不平等とリスク」も合わせて読みたい。

[misc] ウェブの二つの文化圏の衝突【前編】無断リンク禁止問題にみるリンクする側・される側の論理
自分が当然と思ってることが必ずしもそうでないという例。別にWebの原則論や正しさを押し通したい訳ではないので、「目立つところに」無断リンク禁止って書いてて頂ければ敢えて嫌がらせのように張ったりはしないのですが。

[book] ひとつ上のプレゼン。
奇麗に整えた厚いプレゼン資料に慣れてる身からすると、手書きで小枚数なスタイルが多くて新鮮でした。1ページ1文とか、例の高橋メソッドにはびびりましたが、実は広告屋さんは普段からやってることなんですね(必ずしもでかい訳ではない)。
広告代理店やコピーライターの超一流の方だからかもしれませんが、皆揃って自分自身を売り込むとか競合プレゼンが嫌とか仰っているのが面白いですね。ビジネスパートナーとして一緒に考えたいというのは同じです。

[subculture] 紗綾「気持ち悪い」問題 (via 片思い)
ま、「プロ」はサービス(顧客に感動&いい気持ちを与える)に徹してるだけですよね。

【2006/01/10】
渋谷で出会うポーラ美術館の印象派コレクション展」を見て来ましたが、自然が豊かなポーラ美術館にも行ってみたくなりました。遠いな。あとPOLACARDが面白げなので買ってみた。

[society] 少子化の原因なんて、はっきりしてる
少子化はともかく離婚の理由としては非常に説得力があります。男性は要注意(っても毎日終電+休出とかでは物理的に厳しいかもですが)。

[society] 成人の日のメッセージ
いつもながら渡邉美樹氏はまぶしいぐらいにポジティブ。

[society] また「格差社会」ですか?
格差再生産については例えば「階層化日本と教育危機—不平等再生産から意欲格差社会へ」が詳しいですが、価値観が変わればもちろん話は全く違いますね。

[society] 税財政改革、長期金利で波乱含み、政府内の対立深刻、政局・金融政策も絡む。日本経済新聞
「人口減社会」が最近の新聞のお気に入りの言葉らしい。

[soicety] 人口減社会は明か暗か、という話
社会の捉え方によって見解が真っ向から対立してるのが非常に面白い。不安好きなのが日本人ですが、確かにポジティブに考えられるならその方が良いです。

[book] 貧乏クジ世代—この時代に生まれて損をした!?
70年代生まれは貧乏クジ世代? んー、年金とかだけみればシステムが大きく変わらない限りより下の世代の方がもっと厳しいですが、そういうことではないんでしょう。人数的にだぶついてるとか、初めて本格的に右肩下がり時代を経験することになるだろうとか?

【2006/01/09】
[society] オーエムエムジー、「新成人の結婚・出産・育児・大人・社会参加意識調査」結果を発表
不安だらけながらも明るい意見も。好景気を反映か。

[society] 縦並び社会-誰も格差を埋めてはくれません
「危機感を持つ」ということは「危機に怯える」こととは違う、と。

[society] 斎藤学コラム 大衆社会の主役 東京新聞 1月4日
プラス面を伝えるよりも不安を煽った方が行動に繋がりやすいと言えます。

[soicety] 一番の子育て支援策
こうした生の声が偉い人に届いていないということはないと思うのですが、好景気による人不足で状況の改善はますます難しそう。

[society] 少子化対談野口美佳×倉田真由美
いつものご主張。幸福拒否症時代の処方箋でもそうですが、あくまで自分が何をするか、という視点でなければないものねだりな評論家になる気もしますが…。

[society] 年金や医療漂う不安、年金、資産少ないほど悲観的。 日本経済新聞
新しく収入を稼ぐ手段を持たない人が年金や資産によって第2の人生の捉え方が異なるのは当然とも言えます。

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2006年01月09日

空気の読める社会(2)

Communication | Society

前回の「空気の読める社会(1)」は大きな反響を頂いた。いかに多くの人が、「空気を読む」ということに対して思うところを持たれているかということを示していると思う。そこで、コミュニケーションの形態によって、空気を読むということが求められる度合いがどのように変わってくるかということを検討し、それに基づいてより良く過ごすためのヒントについて考えてみたいのだが、まずは、何故、価値観が多様化したにも関わらず、コミュニケーションを成立するために論理的な言語によるやりとりが発達するのではなく、ますます空気を読むことが求められるようになったのかについて、いくつかの補足を加えながら、改めてまとめておきたい。

前回も書いたように、コミュニケーションの場においてますます空気を読むことが求められるようになった最大の要因は、「相手の感情を害してはならない」、という認識が強まったことにあると考えている。これは「サービス化する社会」などsociologicで何度も取り上げているが、「自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実」では「人格崇拝」として指摘されている(もとはデュルケムという社会学者が提唱した概念)。また、セクハラや、これまたよく参照されている「ラブハラスメント」にしてもそうだが、言動そのもの以上に、受け取った側がどう感じるかによって「ハラスメント」かどうかが決まる、というのは、まさに受け取る側の感情を重視する風潮を示している。

意思疎通であるところのコミュニケーションもまた、受け取る側の受け止め方で成否が決まる。それに上記の受け取る側の感情を重視する風潮が重なれば、コミュニケーションの成否を受け取る側の感情が決めることになるのは自然である。

その一方で、価値観が多様化し、共有する知識やコンテクスト(文脈)が小さくなっている訳だが、加えて交通機関の発展や情報化の進行によって、社会の流動化が進み、そうした異なるバックグラウンドを持つ人が出会い、コミュニケーションを行わなければならない機会が格段に多くなっている。

このような価値観の多様化や社会の流動化の進行といった現象は、海外でも同じではないかとも思えるが、日本に特徴的なものとして、実はまだ「ムラ社会」的心性が根強く、私たちの考え方に大きく影響を残しているということがある。つまり、心理的に「内」の人間には好意や関心を持つが、心理的に「外」の人間には敵意を持ったり無関心になったりする傾向が強い。(「儀礼的無関心」などを見ていると、どこまで日本固有なのかは微妙なところだが、無関心以上の感情を持ちがちなのが日本の特性だろうか。)

まとめると、

1)相手の感情を害してはならないと考える。(心理主義化)
2)共有する知識やコンテクスト(文脈)が少ない。(価値観の多様化)
3)異なる背景を持つ人同士がコミュニケーションを取る機会が増加。(社会の流動化)
4)心理的に「内」の人には好意や関心を持つが、「外」の人には敵意または無関心。(ムラ社会的心性)

という背景が組み合わさって、コミュニケーションを円滑に行うためには、流動的な「場」においてその都度その都度、瞬間的に居心地(雰囲気)の良い「内」空間を構築する必要が出て来たということである。これは例えばカードの表裏で模式化してみると分かりやすいかもしれない(図1)。(*1)

コミュニケーションの「場」の変化
図1 コミュニケーションの「場」の変化

(*1)正確には流動性と共通するコンテクストの多少が必ずしも相関している訳ではないので、2軸でマトリクスを書いた方が適切かもしれない。最初は寡黙だが共通するコンテクストを見つけた瞬間に突然饒舌になる一部の人たちも存在する。

しかも、相手の価値観が分からないので、下手に相手が好ましく思っていないものを話題にしたり褒めたりして気まずい雰囲気になることを避けるため、可能な限り事前に相手について情報の収集を行い、コミュニケーションの場では声や表情の変化から相手の気持ちを読み取ってリアルタイムに機転を利かせる必要がある。例えば、題名を忘れてしまったが、「阪神ですが」のように始めても、相手が「阪神」を好きかどうかは分からないので、相手の表情の変化を読み取って「好き」「嫌い」を言い分けろと教えているハウツー本を見かけたことがある。ここまで来るとかなり極端ではあるが、相手に好感を持って貰うために、自分の意見すら曲げて相手の期待に沿い、楽しませることも必要であるらしいのが、今の「空気の読める社会」なのである。

有名な山本七平の「『空気』の研究」があるように、「空気」は昔から日本の集団における意思決定において重要な役割を果たして来た訳だが、社会の流動化や心理主義化により即時性や感情を重視する要素が加わったのが現代の「空気」である。近年、コミュニケーション力の低下が指摘されているが、学校、ビジネス、恋愛など様々な場において、要求されているコミュニケーション自体が高度化していることが、相対的なコミュニケーション力の低下として見えていると言えるかもしれない。

【関連リンク】
[communication] 「空気を読む」は「言論の予測市場」
[society] 社会の心理学化 「○○力」といった言葉にも言及されている。

【関連書籍】

441303533X頭のいい人は「場の空気」が読める!―たった1分で“うまくいく流れ”をつくるノウハウ
中島 孝志
青春出版社 2005-03

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4167306034「空気」の研究
山本 七平
文芸春秋 1983-01

by G-Tools

4763195948「場の空気」を読む技術
内藤 誼人
サンマーク出版 2004-07

by G-Tools

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2006年01月07日

ニュースメモ(2006/01/01-2006/01/07)

News

【2006/01/07】
[society] 少子化での人口減、日本史上初
人口減社会の基本。

[society] 派遣の記事
ちぐはぐな少子化対策。ここしばらくは人不足で派遣業が成長に向かうでしょうが、その恩恵が生活者まで落ちてくるかどうか。
関連: [society] あなたがたは、いったい誰について語っているのですか

[society] 2006年に「高卒採用」は復活するか (via もじれの日々)
「思考の柔軟性」の捉え方の例が興味深いですね。企業や社会の問題は答えがなかったりいくつも解法があるもので、学校の問題とは考え方を変える必要があります。

[society] リスクが個々人に降りかかる社会の是非
経済格差+リスク社会化(自己責任社会化)=リスク格差社会。

[society] 縦並び社会・格差の現場から:棄民の街
[society] 縦並び社会・格差の現場から:中間集計から
確かに2極化どうよ? な記事のアンケートが2択じゃあというのも。

[society] 教育の機会均等を (pdf)
小さい政府 or 大きい政府の2択では余りにも大雑把過ぎる、というか、だからこそ偉い人はそういう選ばせ方をさせるんでしょうね。

[society] 10年目を迎えた『ライフデザイン白書』 (pdf)
「シングル・ライフ」特集らしい。
関連: [book] ライフデザイン白書〈2006‐07〉景気回復がもたらしたライフデザインの変化

[subculture] フリーのオンラインRPGで廃人になりかける
タダより高いものはないというか、MMORPGが本当に喰うのは時間であり、最も貴重なものですね。付け加えれば今の1万円が10年後の1万円よりも価値があるように(→現在価値)、通常、今の1時間は10年後の1時間より価値があります。この辺はシロクマさんのオンラインゲームが侮蔑されやすいオタクにもたらす影響への、危機感の表明が詳しい。オタクに限らず割と誰にでも危険。


【2006/01/06】
[society] 縦並び社会・格差の現場から:時給は288円
288円はあくまでも中国の話ですけど。IT業界にも広がり始めてますね…ってライブドアも一応IT業界ですか。日本で稼いで中国で使うならいいんですが、これだと資産が現地相場になりますから、普通に2度と日本に戻れなくなる気もするのですが(いつでもどこでも稼げる能力を持った人は別として)。もちろん、将来的に、中国と日本の物価が逆転すれば話は全く別です。

[society] 縦並び社会・格差の現場から:株に乗り遅れるな
これも素人がカモになってる構図…ですね。

[society] 少子化について思うこと / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7
若い人から見ると凄い違和感/反感があるかと思いますが、若い人がひよってる中では、これはこれで筋が通っててある意味潔いです。

[society] 少子化についてゴニョゴニョと
結婚投資にも多夫多妻制によりリスク分散?

[book] 這い上がれない未来 Never-Climbing Society
9割が下流化する「新・階級社会」。また煽り文句が強烈な格差本が出て来ました。

[business] 職に商機あり(上)転職支援、急速に拡大――採用事務丸ごと代行も。
好景気による人材不足でホント手のひらを返したように売り手市場になってます。

[mental] 身の丈に合った幸せを探そうとしない病理、弱い心の病理
基本的には「身の丈」を決めてるのは自分であり、そこに向けて行動してるかしてないか、ということではありますが…。

NHKの「にっぽんの現場 『秋葉原・年の瀬の物語』」が再放映でやってたので遅ればせながら。

[subculture] 竜騎士07さんTV出演・NHK 年末年始の特集番組
[subculture] 12月27日NHK「にっぽんの現場」で12月11日に秋葉原を訪れたオタクたちをレポートする
なかなか中立的な番組だったのではと。この手の番組作りはさすが。

【2005/01/05】
[society] このビンボー人再生産システムをなんとかしろ!
田舎には娯楽がパチンコぐらいしかなかったりするんですよね…ホント、儲かる仕組みは、すべて頭のいい人が作っています。

[society] 胸が痛い記事
コメントの、「合理的には割り切れないもう少し複雑な現代の貧困のイメージ」というのがどういうのか気になりました。

[society] 少子化問題の解決のためにはヤンキー文化の保護育成が必要
ヤンキーはともかく、考え過ぎるから躊躇ってしまう、というのはそうですね。

[partner style] 格差社会の「自分探し」— オトコが揺らぐ
社会的圧力が弱くなった中では、他人と比較しても意味はなく、自分が良ければそれでいいと思いますが、怖いのは、30代後半過ぎてからどう感じるか、ということはその時になってみなければ分からないことですよね。孤独力(ひとりで充実した時間が過ごせること)が高いと特に、スタートダッシュで差がつく20歳前半までは、1人でも気にならなかったりしますし。後からではなかなか取り返すのが大変です。

[partner style] シンゲルリンゲン
へぇ。「気づき」の仕組みですね。

【2005/01/04】
[society] 幸せにならなくていいから、不幸にならなければいい
[society] 「失われた10年」の中で育った「老ティーン」
12歳は人生悟るには余りに早過ぎる気がしますが…私たちの時とは全く状況が変わっているのでしょうか。

[society] 国民をタダ働きさせる前原誠司
ボランティア自体は尊いですが、福祉政策の担い手として前提とされた瞬間に無賃労働化し、有償労働市場との競合が始まります。

[society] 縦並び社会・格差の現場から:患者になれない
医療における米国化。

[society] ニートのいない国
取り上げ漏れ。ハングリーに、愚直に実行し続けること。

[business] フユーマガジン
へぇ。

[education] 就学援助を受ける児童の増加について
学校という同調社会における貧困の疎外感。容姿やスポーツ、コミュニケーションだけでなく経済的要因が生み出すカースト。

【2005/01/03】
[society] 縦並び社会・格差の現場から:年金移民
日本国内でも物価の違いで東京で稼いだ後、地方で暮らした方が効率いいでしょうが、更に突き詰めればこういうことになります。昨日の話とも繋がりますね。

[society] 人口減に克つ(2)「女性が辞めない会社」が飛躍する
女性の力は活かしたいが、次世代育成の負担は重い、という企業の意図が反映されたのが今の状況と言えます。
関連: [society] 国土交通省が掲示板を開設。
何故か国土交通省で少子化論議。掲示板にあった「少子化問題と女性の社会進出の是非」自体については、いつも書いてるように政策間の整合性ですよね。ビジネスの場で活躍したい人を妨げる理由がありませんが、ワークライフバランスとセットでなければ少子化にも繋がりえます。個人的には性別よりも個人の適性や希望を尊重した方がいいと思うのですが。適性という意味では例えばコーチング 4つのコミュニケーションタイプ診断(簡易版)とか。

[society] 活力ある成熟社会を目指せ…超少子・超高齢時代
社会保障制度の立て直しを急げ、と。
関連: [book] 少子高齢化の死角—本当の危機とは何か
前期高齢者中心の「豊かな高齢者社会」から後期高齢者が増加する真の高齢化社会へ。

[society] 縦並び社会・格差の現場から:眠りながら走れ
どこの業界でも、多重下請け構造なんですね。

[education] 幼稚園から義務教育、延長幅1〜2年…政府・与党方針
教育による早期の2極化を防ぎたい狙い。
関連: [education] 就学援助率上昇〜下流社会の形成か?〜

[subculture] ハードコアゲーマーな高齢者が増加中
2,30年後はこういう老後の暮らし方が増えるんですかね…そこまでゲーム熱が続くのか疑問もありますが、何も趣味がないよりは全然いいです。ゲームは凄い安価な娯楽でもありますし。

【2005/01/02】
[soicety] 待ったなし変革、激動2006、「2007年問題」定年控え、「まだまだ現役」、働き 日本経済新聞
普通、親が苦しむ姿を見たら、ああはなりなくないと思うんじゃないかな…今は「背中で語る」時代ではなく、コミュニケーションとコーチングの時代ですから。産業によって違うのかもしれませんが、労働力という面では2007年問題ってそれほど問題になるような感覚はありません。熟年離婚の方は来そうですけど。

[society] 農水省 - ニート・フリーター対策
過疎化の進む田舎の実態を見てるとうーん…半農半X(食べる分だけは作る)なら価値観次第でいいですが、専業はハイリスクでなかなか難しいんじゃないでしょうか。

[society] 効率的生活保護
ソサエティ・アウトソーシングの時も、同じカネでより多くの人を支えるには、より物価が安い国での生活保護が社会保障費の急増を押さえられるはずというのがありつつも書きませんでしたが(年金についても同様ですね)、効率だけをみると、やはりそうですよね。

[misc] 職種別モテ系ファッション福袋
この3職種ですか…というかむしろ職種?

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2006年01月02日

幸福拒否症時代の処方箋

Society

2006年の初エントリということで、今年もよろしくお願いします。いつもは斜に構えたsociologicですが、年初のエントリぐらいはスーパーポジティブ(超建設的)路線でお届けします。

昨年末に読んだ「この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人」は、非常にあっさりした本だが、精神科で悩みを抱えている人々に接して来られた経験からか、生活者がおかれている状況を肌で捉えたものとしては割とポイントを押さえていると感じた。若者は外面と内面の2つの分裂した世界を使い分けているとか。で、本によると、日本は、他の先進国に比べて幸福を感じている若者が極端に少ないらしい(*1)。

(*1)付け加えれば、仮に未開社会で調査をすれば更に幸福度は高いのではないかと思われるが。

ちょっと長めの引用になるが(*2)、

 ソウルの小学五年生では、「幸福を感じる」のは八割です。北京では、九割以上。ところが東京では、五七%。六カ国中、最も低かった。
 幸せだと思っている子どもが、八割、九割いるのが普通の社会です。だけど日本では子どもの幸福感が低く、しかも年々下がっていく傾向にある。
 「幸福か?」という設問ではないんですが、二〇〇一年八月、文部科学省の財団法人、日本青少年研究所が行った調査で、「この社会に対して満足か?」という、満足度を聞いています。それに対して、社会全体についての満足度についての設問では、満足と感じるのは、アメリカの青年では七二%、フランスでは五四%、日本では、僅か九%です。
 また、「二一世紀には希望に満ちているか?」という問いに対しては、肯定したのが、アメリカでは八六%、韓国で七一%、フランスで六四%、日本では三四%です。
 こういう数字が表しているように、日本では、若年層にも、幸福感があまりないんです。子どものときからすでに、希望を失っている。なおかつ、成人に近づくにつれて、ますます希望がなくなる。
 この数字に、ゾッとしないといけないんですよ、私たちは。しかしあまりゾッとしていない。なぜか。大人も幸せでないから。「当たり前だ」と思っているんです。社会全体が幸せでないから、子どもが幸せでなくても、異常が起きているとは思わずに、「なるほど」「お前たちもか」くらいに思っている。学年が上がって行くに従って幸福感がますます減っていくのは、「成長してるんだなあ」くらいにしか認識していないわけです。
 社会を構成している人の相対多数が、幸せだ、と思っているのが、社会として普通なんです。

という箇所にはかなりガツンとやられた気分になった。まさに「大人になるってことはそういうことだ」ぐらいに捉えていた感覚があったからだ。

(*2)ちなみに、調査の元ネタはそれぞれこちらと思われる。
[education] 第5回-国際教育シンポジウム報告書-「子どもにとっての教師」~国際比較を通して教師のあり方を考える~
[society] 新千年生活と意識に関する調査 日本・韓国・アメリカ・フランス国際比較

ただ、これだけ(比較的)豊かで安全な日本において、幸せや未来への希望を感じられないというのは、ある種の「幸福拒否症」のようなものがあるようにも思える。実際に、少子化+高齢化+ニートの3連コンボによる労働力や社会保障の課題があったり、「日本の借金時計」で示される日本が抱える巨大な借金といった国レベルの課題、あるいは個人のレベルでの雇用の不安定化や様々な2極化があるのは確かだが、バブル崩壊後自信が持てなくなってしまったのか、そこにあるのはむしろ「漠然とした不安感」のようなもののように集約されるように思われる。何故か日本では、(特に社会の)問題探しと「犯人」探しが好まれており、悩む事、心配すること自体が目的化しているようでもある。その一方では、「この社会の歪みについて」にもあるように、「現実を追認するメンタリティ」、つまり、社会に対して不満を持った時に、選挙以外の行動を起こさないという意識が育まれている。これでは、閉塞感を感じるのは当然であり、幸福になることを自ら進んで拒否しているかのようだ。

こうした「幸福拒否症」に対して、「すごい考え方」のような建設的思考法を適用した処方箋を考えてみる。つまり、普通の考え方では、「正しくあるべきだ」→「何かが間違っている(自分は正しい)」→「誰かが悪い(被害者意識)」→「直せ」となってしまうところを、「効果的になろう」→「何が起きているのか」→「(自分は)何が可能か」→「(自分は)どんな行動をとるべきか(コミットメント)」と考えるのである。

具体的には、次のようになるだろう。

1)まず初めに、何がおきているのかということで、「漠然とした不安」の内容を出来るだけ具体的に、ノートやPCに「全て」書き出す。脳が空っぽになるように外部記憶に吐き出してしまう。

2)次に、各項目に対して、「自分が何ができるか」を考える。より幸せに生きるための、セカイを変える方法は「『ゲームのルールを変える』ゲーム」で書いたように、i)社会を変える、ii)自分を変える、iii)価値観を変える、の3つだが(*3)、これらを全て「社会/自分/価値観を変えるために、『自分が』、いつまでに、どうする」という可能な限り期限付きのアクションに落とし込む。もし、アクションがどうしても思いつかない場合は空欄にしておいても構わないだろう。

(*3)「自分」と「社会」しかないところがセカイ系チックだが、「社会」には、ごく身近な人から、広く友人、あるいは自身が所属するグループや地域社会で会う中距離の人などグラデーションな距離感が含まれている。

3)最後に策定した各アクションを粛々と実行する。合わせて、アクションを実行する以外の普段の生活では、そうした心配事は全て忘れ、身近な人との充実した触れ合いや、自分の趣味の時間を楽しむことに集中する。一時的に意識の外に追いやっても問題ないように、外部記憶に吐き出した訳だ。

4)その後は例えば1週間ごとなど定期的に、心配事リストを見直してアクションをアップデートしていく。

もちろん、社会全体の巨大な問題については具体的なアクションが思いつかない項目もしばしばあるだろう。それゆえに、普段私たちは「〜すべきだ」「〜が必要だ」「〜した方がいい」のような、「官」あるいは誰でもない「誰か」に期待するような他人頼みの言い方をついしがちになってしまうのだが(sociologicもそうだが)、アクションが思いつかない場合は、結局のところ何ひとつとして解決に近づくことはない。自分ができることについてはベストを尽くしているという感覚が得られていれば、あとはより楽しいことに心を配り、時間を割いた方が得な訳だ。それが、あくまでも「効果的になる」ということである。

こうした「建設的」思考はひとつ間違えると、つまり上から強制された瞬間に、「社会なんてものは存在しない、あるのは個人だけだ」というネオリベ的自己責任論に転換しそうで、注意が必要ではあるものの、自分で取り組む分には、閉塞感や不安感をいくらかでも解消する手助けとなるのではないだろうか。

【参考リンク】
[misc] Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (1)/(2)/(3)/(4)
すべきことを吐き出した上で、がしがし片付けていくためのGTDメソッドについて参考になる。
[misc] check*pad
ToDo管理ツールサイト。ネットに繋がっていればどのPCからでも使える上、他の人とも共有できるのが便利。

【参考書籍】

4877585001この社会の歪みについて―自閉する青年、疲弊する大人
野田 正彰
ユビキタスタジオ 2005-08

by G-Tools

4806122963すごい考え方
ハワード・ゴールドマン 松林 博文
中経出版 2005-12-01

by G-Tools

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