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2004年12月31日

社会現象のハイプ曲線(2004-2005)

Communication | Society

2004年も今日で終わりということで、社会・コミュニケーションに見られる様々な現象(*1)について、ハイプ曲線(*2)を借用して今年を振り返りつつ来年を考えてみたい。

(*1)もちろん社会には当サイトで取り上げない現象あるいは問題がたくさんあるが、当サイトではテーマを絞り込むため、主にコミュニケーションが原因で起こっているものを対象としている。
(*2)ハイプ曲線とは、緩やかに伸びてきた(黎明期)のが一時期に急速に関心が高まった(流行期)後、その反動で急速に冷め(反動期)、その後a)一定の範囲で盛り返し(啓蒙期)定着するもの(安定期)と、b)冷めたまま完全に廃れていくもの(衰退期)の2つに分かれる、といったトレンドを記述・分析するためのフレームワークであり、IT系調査会社のガートナー社が使用している。

今回、社会現象を対象とするため、横軸に時間、縦軸に話題性を取った上、各社会現象が本格的に社会問題となると思われる時期を色で塗り分けている(図1)。話題になる時期と本格的に問題になる時期がずれているのが通例である。

社会現象のハイプ曲線
図1 社会現象のハイプ曲線(2004-2005)

【安定期】
まず、安定期には「少子高齢化」と「フリーター」を配置した。
「少子高齢化」は「少子化」+「高齢化」が同時に起こっている現象で、両方とも毎年状況が進行しているため、常に話題の耐えないテーマである。後続の「パラサイトシングル」「おひとりさま」「負け犬」「オニババ」といった多くの現象と繋がっている。社会保障の仕組みの破綻が目に見えており、団塊の世代が引退する5-10年のスパンで、本格的な問題へと発展していくと考えられる。高齢者雇用の拡大、大量移民導入で労働力を支え、経済の維持に努めるか、あるいは人口減少を前提とした社会へとシステムを変革していくのか、残された時間は余りない。

「フリーター」はもはや「社会問題」というより、雇用の流動化が「既定路線」であると言うべきだろう。課税対象にする動きはその存在が事実上容認されている印だ。全体として、ワーク・ライフ・バランス、つまり仕事と生活のバランスを重視する流れから、あるいは雇用者側の都合から、被雇用者は長時間労働を課せられる一部のa)中長期被雇用者と、比較的生活重視のb)専門型短期被雇用者およびc)非専門型短期被雇用者と分かれて行くと思われる。ただc)非専門型短期被雇用者は経験の積み上げがないため、年齢が上がるに従って仕事を見つけにくくなるのはなかなかカイゼンが期待できないかもしれない。この場合、後述する「ひきこもり」「パラサイトシングル」「ニート」と同様の問題に直面する。「フリーター」が命名されもてはやされたのは20年近く前だが、最初の頃の「フリーター」が40代に突入しており、様々な課題が顕在化するのは時間の問題だ。

【衰退期】
衰退期に配置したのは「(社会的)ひきこもり」および「パラサイトシングル」である。もっとも、衰退期、と言っても該当する人々が減った訳ではなく、むしろ、増えている傾向にあると考えられる。衰退しているのはあくまで「話題性」である。「(社会的)ひきこもり」は「ニート」という言葉の登場により「ニート」概念に吸収されつつあり、一方、「パラサイトシングル」は「パラサイト(親との同居)」「シングル(独身)」が別に何も珍しくなくなってしまったため、取り立てて話題に上がるようものではなくなってしまった。あるいは「負け犬」や「おひとりさま」に回収されていったとも言える。問題になる、ということでは、安定した仕事に就いている「パラサイトシングル」を除けば、親の世代が引退した頃からが本番となる。

【啓蒙期】
次に、啓蒙期に配置したのは「おひとりさま」。「おひとりさま」は一時期話題になった後一旦落ち着いたが、「負け犬」ブームにより再び注目されるようになったとされる。「おひとりさま向上委員会」もメディアにしばしば登場し活発に活動しており、まさに「啓蒙期」にある。問題になるとすれば、5-10年経って第2次ベビーブーム層が40代になってからでは遅いということだが、女性は男性よりも結婚しなくても構わないと考えている人が多いようなので、心配の必要は余りなさそうだ。むしろ大きな問題になりそうなのは女性よりも非婚率が高く、ひとりでは生きていけない男性版「おひとりさま」である。

【反動期】
反動期は「経済格差」「負け犬」「オニババ」。
「経済格差」は森永卓郎氏の「年収300万円時代」を想定して配置。経済格差を示すジニ係数は確実に格差が広がりつつあることを示しているが、生活者はもはや一億総中流社会の崩壊を受け入れており、敢えて話題に上ることもなくなっている。

「負け犬」もその言葉の強烈なインパクトで2003年-2004年前半に大きく話題になったが、浸透し尽くしたためすでに落ち着きを取り戻している。一方、「オニババ」は余り浸透することなく消えて行く可能性が高い。問題になるかどうかということでは、「おひとりさま」と同じであり、今後も様々な形で煽られ続けるだろうが、実際困るのは男性側と思われる(だから煽り続ける訳だが)。

【流行期】
流行期は「ニート」「アキバ系」「学力低下」。
コモディティ版「ひきこもり」とでも言うべき「ニート」ブームのピークは「働いたら〜」発言でカリスマニートが一世を風靡した2004年前半だが、後半に入っても波状的に関心を持つ人が広がっている。現時点ではレイトマジョリティからラガードに移りつつあると言えるだろうか。来年には沈静化していくだろう。もちろん、話題として沈静化するだけであって実際の「ニート」がいなくなる訳ではなく、むしろ増加傾向を辿ると思われるため、親世代の引退に従って社会保障の破綻に拍車をかける可能性がある。「ニート」が皆裕福で将来も心配がないことを祈りたいところ。

「アキバ系」は2chを発祥とするクロスメディアコンテンツ「電車男」で話題に。これも現時点ではレイトマジョリティからラガードに移りつつある。一部では「負け犬」との組み合わせがメディアで取り上げられたりもしており、恐らくネタで言っているのだろうが、そうでなければ真の「アキバ系」を知らな過ぎる。ライト化されたオタク的コンテンツはマーケットに広がって行くと思われるが、「アキバ系」の人自体は取り残され続けることになるだろう。

「学力低下」は2004年末になって各種の国際比較調査で話題に。「ゆとり教育」への反動が起こっているが、「勉強しても仕方がない」という子どもたちの側の事情、言わば学業ニートの影響が大きく、教育制度をいじくりまわすのは無策批判の回避以上のものにはならないのではないか。

【黎明期】
最後に黎明期として「コミュニケーション力低下」「希望格差」を。
「コミュニケーション力低下」問題には、古くは「ひきこもり」、新しくは「ニート」(の一部)という時代の先駆者が存在したが、更にコモディティ化が進み、一部の人に留まらず、だんだん子どもたちや若者全体に広がって来ているようである。教育の現場では、「学力低下」と並んで問題視されていくだろう。

「希望格差」は「パラサイトシングル」を世に送り出した山田昌弘氏によるものだが、上記の様々な現象のバックボーンを説明するのに都合の良い言葉だ。インターネットを通じてセレブや成功者の実態がより身近になり、自分とのどうしようもない落差を実感させられるようになったことも大きい。この言葉が来年にかけて広がるかどうかはともかくとしても、この希望格差、あるいは意欲格差の広がりが今後も様々な現象を引き起こして行くことは間違いないと思われる。

4年前、小説「希望の国のエクソダス」で「この国には何でもある。ただ、『希望』だけがない。」と登場人物に語らせたのは村上龍だが、ここに来てまさにこの「希望」のなさが未来にくっきりと暗い影を落とすようになってきた。厳しい現実をしっかりと見据えた上で、どうしたらより多くの人が希望を持てる社会にできるのかが今、問われている。

関連: 希望格差社会と不幸の「発見」

Posted by seraph : 12:27 | Comments

2004年12月30日

ニュースメモ(2004/12/26-2005/1/1)

News

【2004/12/30】
[partner style] 結婚の効能 (posted by anomyさん)
あくまでも、「幸せな」結婚の効能というトートロジカルな話ではあると思いますが。離婚→養育費天引き→年金分割コンボは「自己責任」とは言えなかなか効きます。
参考: 「離婚促進政策」で熟年離婚は激増する

[society] 企業が取り組む次世代育成支援 (pdf)
ワーキングマザー支援から、多様なワーク・ライフ・バランスの実現へ。簡単に言えば、仕事一筋の人は酷使する代わりに賃金を高くし、家庭や自分の時間を大切にしたい人は勤務時間を減らす代わりに賃金を下げる、ということですね。

[society] 福祉国家批判
家族の復権」系? 社会保障が過剰ゆえに少子化が進むと指摘。老後を子どもに頼らない高齢者が増えて来ている中で逆行しているような感もありますが、こういう意見もあるということで。

[society] 心の東京革命
「7つのルール」はあながち間違ったこと言ってないかも?

[society] 「みんなが好きなことしかしなければ、必然的に年収 300 万円になる」
それを買ってくれる人が必要という話。

[communication] ネットワークの使えない人たち
SNSは「増幅装置」なので行動力やネットワーク力の格差がますます大きくなっていくことになります。

【2004/12/28】
[society] 「ドロップアウト」の話
「ドロップアウト」という言葉が使われる時には何からの「ドロップアウト」なのかを明確にする必要があるのかも。会社から解雇されるのか、「親や社会が敷いたレール」から外れるのか。もしかしたら「ゲットアウト」なのかもしれないし。
いずれにしろ自分が持ってないもの持ってる人には一目置くものがあります。

【2004/12/27】
[society] 「要するに勉強する必要がなくなった」

なぜ学力は低下し続けているかというと、これは簡単で、単に子どもが勉強しなくなったからである。 (中略) では、なぜ子どもが勉強しなくなったかというとこれも簡単で「要するに勉強する必要がなくなった」からである。

シンプルで的確な指摘。付け加えれば、「勉強しても階層を上れるという希望を持てなくなった」という例の希望格差の側面もあるかも。学歴だけで希望する就職ができるようになれば別ですが、企業は「使えるか使えないか」しか見ないですし。
団塊老人(出典。「定年夫は、なぜこんなに「じゃま」なのか? 「大量定年時代」の夫婦学」の方は厳しい)はある種の「逆襲」ですが、基本的に親の背中を見て育ってる訳で。

ただ学校の勉強は面白いかどうかというと微妙ですけど、社会に出てからは勉強したいことがたくさん出てくるって人も多いんじゃないでしょうか。個人的には経営とか社会心理とか。そういう幅広さを高校ぐらいから取り入れられないですかね。

[society] 少子化(非婚化)の原因
政策レベルでは個人の内面にまで関与できないので、経済問題に終始しがちですけど、(恋愛)偏差値格差も大きい、と。単純化すると一昔前は経済とコミュニケーションの異種交換だったのが、「経済+コミュニケーション」と「経済+コミュニケーション」の交換のがっぷり四つになってますから。
関連: 平成13年度 国民生活白書〜家族の暮らしと構造改革〜
関連: 平成15年版 国民生活白書〜デフレと生活−若年フリーターの現在(いま)〜

この辺、カテゴリが[society]というのか、[partner style]というのか、[communication]というのか、[subculture]というのか分かりませんが、どうも色んなことが根っこで繋がってます。

[subculture] コミュニケーションにおける希望格差
本来はオタク-非オタクと可コミュニ-不可コミュニが2x2のマトリクスだったんだと思いますが、オタク+可コミュニ層が少ないためか、最近の文脈・用例を見ていると限りなく逆ベクトルに近くなってる気も。

整理するとこんな感じでしょうか。

カテゴリ可能コミュニケーションタイプ話題
同質異質一般オタク的
論理的共感的
一般人-
オタクx1--
x2---
x3----
a1
a2-
b1-
b2--
b3---
b4----

【好きでやっている系】
オタクa1…「兼オタ」。コミュニケーションスキルには問題なし。趣味についてはポジティブで時には一般人を「引っ張り込む」。パートナはオタクa1,a2でも一般人でも可だが一般人を好む場合も。
オタクa2…旧世代オタク。コミュニケーションスキルには問題なし。趣味についてはポジティブ。パートナはオタクa1,a2のみ可。
※コミュニケーションスキルには問題ないが、恋愛の必要性を感じておらず、特にパートナを求めない場合もa1 or a2に含まれる?

【それしかなかった系】
オタクb…b1-b3はコミケなどサークルで活躍可能。趣味についてアンビバレントな思いを持つこともあるが、止めることができない。

【恋愛至上主義巻き込まれ系】
オタクx…いわゆるオタク的趣味はノータッチだが恋愛については不器用。下に行くほどいろいろ不器用になり、x3はむしろひきこもり。「オタク」定義の拡大に巻き込まれる。

大体文脈で分かるとはいえ、どうも混用して使われるのでトートロジー話とかが出て来てしまうんじゃないでしょうか。

[subculture] 「オタクをやめる」と決意した時に考えること (2004/12/24)
単にマイナスしただけでは空っぽなのでむしろプラスでという話。実際にはキャパシティの問題があって、どっちもこなせる人もいるにはいます(兼オタ層)が、多くは時間とカネの面で投資先が換わっていくことになりそう。「換オタ」?

Posted by seraph : 01:09 | Comments

2004年12月29日

「おひとりさま」市場

Business | Partner Style

現代日本において晩婚化・非婚化が進展し、パートナスタイルが多様化する中で、昨今「おひとりさま」(*1)への注目がますます高まっている。今回はこの「おひとりさま」市場についてまとめておく。

(*1)「おひとりさま向上委員会」が商標登録を申請中らしい。商標、ですか。

世の中の多くの飲食店や娯楽施設は、従来、家族やカップル向けにデザインされており、それゆえに1人では行動範囲が非常に狭くならざるをえ得なかった。しかし、晩婚化・非婚化が進展し、パートナスタイルが多様化する中で、1人でもポジティヴな行動派女性が増加。こういった流れを受けて「おひとりさま向上委員会」が誕生する。「おひとりさま向上委員会」が提唱している「おひとりさま」は何故か女性に限定されている(*2)のだが、家庭を持っているかどうかやステディなパートナがいるかどうかに関係なく、自分1人の時間を大切にできることがポイントとなっている(*3)。

(*2)男性の「おひとりさま」も対応して増えているはずだが、こちらはしきりに「ひきこもり系」と断定されている。
(*3)JapanKnowledgeでは「負け犬」と同じ境遇、としているが、おひとりさま向上委員会の定義を見る限り、(ポジティヴに捉えているという点では共通するものの)全く異なる。もっとも、「おひとりさま」を自負する人たちがどの程度結婚して子どもを持っていたり、ステディなパートナがいたりするかは不明。

では実際に、飲食やレジャーのシーンにおいて、「おひとりさま」はどの程度受け入れられているのか。そうした問題意識から、当サイトでは、2004/10/4〜2004/11/14にかけて次のような質問を行った。集計結果と合わせてご覧頂きたい。

Q.今、「おひとりさま」がひそかなブームですが、あなたが下記の中で「おひとりさま」で行けるものを全て選択してください。(当てはまるもの全て)
映画館

(66.1%)
カフェ

(61.7%)
ショッピング

(87.0%)
テーマパーク・遊園地

(6.6%)
動物園

(19.7%)
美術館

(67.4%)
洋食レストラン(ランチ)

(49.3%)
洋食レストラン(ディナー)

(14.1%)
吉野家

(71.0%)
旅行

(58.0%)

当初2週間程度の掲載期間を想定していたのだが、連日多数の回答を頂いたためアンケートをクローズするタイミングがなく、結局1ヶ月以上に渡って掲載することとなった。回答数は2200以上。読者の関心の高さが伺える結果である。

このアンケートはたった1つの質問で行っているため、もちろん調査の信頼性は低い。ちゃんとしたマーケティングリサーチであれば少なくとも、性別、年齢、未既婚等の属性データが必要だ。例えば、「吉野家」の入りやすさは性別によってかなり異なることが想像される(逆に言えば、間接的に回答者の男女比率がある程度推測できる)。また、回答の選択肢も「選択肢のレベルを揃える」という調査のキホンがなっていない。同じ飲食系でも先ほどの「吉野家」はいきなり具体的な店名なのに対して、片や「洋食レストラン」では余りに幅が広過ぎる(*4)。

(*4)「行ける」と回答された人でさえ、例えば汐留のスカイレストランとかになるとなかなか躊躇するものがないだろうか。

ただ、傾向を見るだけならこれでも十分興味深い。趣味・教養系の「映画館(66.1%)」「美術館(67.4%)」が2/3程度と比較的抵抗感が小さい一方、利用する機会の多いはずの飲食系では「カフェ(61.4%)」「洋食レストラン[ランチ](49.3%)」「洋食レストラン[ディナー](14.1%)」ときちんとした食事になるほど相当抵抗感が高いようだ(*5)。「『おひとりさま』の旅」が広がりつつあり、対応した宿泊施設が増えているとは言うものの、「旅行」も58.0%に留まっている。

(*5)「レストラン」や「吉野家」という選択肢でなく、例えば「大戸屋」とか「おはち」だったらどうだったろうか?

これはマーケティングの教科書に載っているような「2人の靴のセールスマン」のケースと見ることができる。現状本格的な店になるほど、「おひとりさま」で食事を取るお客が少ないことから、そういった「おひとりさま」ニーズはないと結論づけることもできなくもないが、それよりも、「おひとりさま」でも入りやすい店づくりをすれば莫大な潜在ニーズを掘り起こすことができるという仮説の方が面白い。

電通の調査「『ひとり』も楽しい〜ひとり消費の実態に迫ってみました〜」にもあるように、「おひとりさま」の楽しさは広く受け入れられているものの、その消費シーンは自宅でインターネットやテレビ、ビデオゲーム、という答えが多く、外食や旅行で外出してというところにはまだ十分なっていない。女性の「おひとりさま」市場もこれからが本番と考えられるし、男性に至ってはほとんど未開の地だろう(*6)。

(*6)男性のおひとりさま向け室内娯楽はすでに十二分に充実しているが。

社会的には、女性にしろ男性にしろ「おひとりさま」の居心地が良くなり過ぎると、ますます非婚化とそれに伴う少子化傾向が止まらなくなり、偉い人のアタマを悩ませることになる可能性も少なくない(*7)が、個別のビジネス的には確かに面白い市場が広がっているということが言えそうだ。

(*7)現状でも、他人の干渉が低め、生活サポート環境が充実し、シングルにとって居心地がいい東京都では全国よりも非婚化・少子化がはるかに先行している。当初の「おひとりさま」の出発点がどうであれ、現在のブームは開き直り型シングルな人の賛同を得て広がっている側面もあるのかもしれない。

【関連ページ】
「お一人さまですか」
都会で急増、ひとりを楽しむ30代女性 おひとりさまが元気だ

「男性が逃避的なこもり系なのに、女性はショッピング、カフェ、芝居、コンサートなど幅広く1人で参加して楽しんでいる。女性の方がひとりを楽しむ商品やサービスを多岐にわたって求めているようです」

トレンド?!【おひとりさま】…「おひとりさま向上委員会」
コラム(晴雨曇) 11/18

【関連書籍】
男が知らない「おひとりさま」マーケット―最強のリピーター&クチコミニスト
カッコイイ女は「おひとりさま」上手

Posted by seraph : 01:28 | Comments

2004年12月25日

ニュースメモ(2004/12/19-2004/12/25)

News

【2004/12/25】
[society] 可能性と必要性の高まる本格的なシニアタウンづくり (pdf)
現代の「うば捨て山」は快適?

[society] 「生きることしか許されないが、脱落者は見殺し」な社会
関連?: 05年度予算 : 膨らむ一方の国債残高 財務省原案
社会保障系の話では「社会の成熟度」という言葉をしばしば見かけますが、一方で否応なく社会保障費が増えてきて国のバランスシートが大変になっていることは確か。

[society] ニートにおける非対称性

[communication] オタクの考えるモテとは? (再度)
12/22で書いたようにこれまで「モテ-非モテ」は「可コミュニ-不可コミュニ」と読み替えていたので余り気にならなかった訳ですが、個別対応でなく標準的な強さを求めるってことではそういえば、女性の場合でも、anan10月号「逆転にはマーケティング理論を駆使して”市場操作”すべし。」の話、

「皆、欲しい相手を落とそうと狙う”買い手”になっているけど、それではダメ!好きな相手に買ってもらう”売り手”になることこそが、恋の逆転には必要なのです。売り手になるためには、市場操作をして自分の価値を高めなくては。オークションの原理と同様で、まずは”自分のファン=自分を買いたいと思う人”が増えるとその分、あなたの値段が上がります」

というのと何だか似ているような。プッシュ型セールスじゃなくてプル型マーケティング(というコメントをつけました)。いや、非コミュ系オタクはむしろある意味でのアンチマーケティング的な行動を取りますが…。

[subculture] 続きすぎる「セカイ系」「能力系バトル」ブームへの疑念
ここで「セカイ系」と繋がるのか。「適度な挫折を知らない」とか幼児的万能感とかその辺の話かな。
関連: 「生まれながらに最強」である方が古くて普遍的

【2004/12/24】
[partner style] NPO法人花婿学校

女性が社会進出を果たし、結婚しないという選択肢を持った側面で 、結婚したいが仕方がわからないという男性が増殖しているのだ。花婿学校では、服の選び方やデートの仕方などを講義で彼らに教えている 。

ようやく社会がコミュニケーション教育の必要性に気づき始めました。

【2004/12/23】
[partner style] 「値段よりも気づかい」〜“おひとりさま”だからわかるサービスの勘違い
一昨日の記事なのにもう消えてる? 個人消費は価格じゃない。

[partner style] 「勝ち犬」の実態
「働く自由」か「働かざるを得ない現実」か…この辺にも凄くミスマッチがありそう。
関連と言うか、この辺とか読んでると4,5年前と余り状況変わってないんですかね…?

[partner style] 注意! 負け犬取り扱い
非常に面白く読みました。好みのタイプということではこの辺とか。いくらラーメン好きでも、どんなラーメンでもおいしく感じるか、ってーとそんなことはない訳で、個別対応なんですね。

[partner style] 就業経験がない人と誰が結婚してくれるのか
「本人たちが幸せになるのが先」というのはホントにその通り。わざと一般論とごっちゃにするのは自分もしばしばやってしまいますが…。

[society] 第3回21世紀出生児縦断調査結果の概況
「縦断」というのは同じ家族を継続的に調査対象とする、ということですね。よく言われることですが近頃は夜が遅いらしい。
関連: 2歳半の1割 一日4時間以上テレビ

[society] 年金の誤解
明解過ぎて逆に怖いですが、分かりやすい年金の世代間格差の説明。「誰でも制度設計できるソフトを開発中 ネットが年金を変える」を読むと「時の人」の名前も。

[society] 「ニート」「ヲタ」で怒濤のアクセスとTBが押し寄せている件について
ツリーが奇麗。ただR30氏も書かれているように、それぞれ様々な思い・考えがごちゃ混ぜになっているはずなので論者単位では奇麗に分けきれないでしょうし、対象となるニートタイプによっても違うんじゃないかな、と。個人的には、(少なくとも2億ぐらい資産があって贅沢しなければ一生暮らせそうな)勝ち組ニートと、享楽系、退却系で違うかも。

[misc] 「NHKが受信料不払いに対抗手段」と東スポ
……。

【2004/12/22】
[society] 無業者(ニート)に関して
前のエントリはあえて取り上げることはないかなとスルーしましたがこれは是非。
膨大なコメントを含めて眺めてみましたが、「自分の本質は今日の一コマにあり」を想起しました。前も書きましたがまず行為、と。又引きになりますが、

「人間は自らをあまりに深刻に考えすぎる。すなわち、これを原罪という」

は、いい言葉。

なお、コミュニケーション能力・対人能力が根っこの1つとされますが、問題を抱えているのが対人能力「だけ」なのであれば、IT業界の3次請け以降は活躍の場があると思います(技術だけで食おうとすると一層ジアタマの良さが必要になる。リンク先のコンサルはコミュニケーション+ジアタマなので厳しいですが)。そうは言っても40歳以上になると厳しいこと、それ以前に受託開発自体未来がない問題はあります…。

[society] 少子化対策とそのコスト
家庭の貯蓄率をいかに減らすか、というのは「デフレとバランスシート不況の経済学」でも「『消費は美徳、貯蓄は悪徳』キャンペーンをやるべき」といった形で語られていた話ですが、文化的な違いもありマインドからのアプローチは難しそうだなという印象。強制力を持った税法での対策はシングル税 or 子無し税?

そういった意味ではニートは貯蓄率低下に貢献しますね。

[commuication] そもそもオタが「モテ」とか「非モテ」とか言い出すのはおかしい。
あぁ、「モテ」「非モテ」って普通はそういう意味で捉えるのか。loveless zeroでは「1)誰かを好きになることができる+2)好きになった人から好かれるように行動し成果を得られる」レベルで使ってました。「可コミュニ」と「不可コミュニ」の方が正確でしょうか(ゴロがイマイチ)。仕事で言えば、ヘッドハンターからひっきりなしに電話がかかってくるレベルじゃなくて、働く意欲がある+働いてお金が稼げる、レベルで。

[subculture] “オタクマーケティング”の時代到来?——NRIに聞く「オタク市場の力」
コンサルタント(アナリスト?)の方の各ご担当を拝見して何か傾向出てるなーとか。偏見?

【2004/12/21】
[partner style] 「結婚することはない」と経験者は悟る
「結婚することはない」というのは「無理に結婚する必要はない」ということですね。子どもの数によって違うというのは面白い。

[society] 夫の働き方の柔軟性にかかっています。
[society] お金のかからない子育て環境の実現が決定打
人によって言ってることがバラバラなのが面白いのですが、やはり自分が悩んでいる方向の原因を一番の問題と考えるのかなと。金銭的に十分豊かであればカネの問題じゃない、ということになるでしょうし、子育て費の負担を感じていればカネの問題だ、ということになる訳で。

ところで、フレックス+裁量労働って、時間で歯止めがかからなくなるから際限なく仕事が増える方向にしか働いていない気がする(その方が当然より生産性が高くなるので)んですけど、勤務時間短くなってる方います?

[society] 少子化・高齢化の経済への影響 (pdf)
1)人口減少よりも人口構成の変化(非労働者層の増加)が問題、2)生活水準を維持するには1人当たり労働時間の減少を上回る生産性の向上を果たさなければならないといった話。

[society] ついに高校新卒派遣登場!
高校新卒にも「多様化」の波。

[society] 梅田氏 新刊書評 「ニート フリーターでもなく失業者でもなく」
原因究明よりも地に足着いた現実的な対策を、というのは確かに。もう原因はあらかた分析さていてそれぞれ正しいのでしょうけど、「だからどうしようもない」という方向に行っても意味ないですし。

[society] たかる社会にたかる人々(posted by anomyさん)
面白く読みました。「働いたら負け」という言葉がすとんと落ちて来た。日本の経済状況がもっと悪くなっきたところに、自己決定至上主義(自己責任論)が組み合わさると、「働かざるもの食うべからず」(聖書の「働きたくないもの食うべからず」の方がまだしっくり来ますが)といった古い言葉が復活してくるのかな。

[subculture] イモキャラ
別の「イモ」を想像してしまいました。

【2004/12/19】
[partner style] ちっとも出会えない「出会い系」
取り上げようと思っていて忘れてました。割高な会話サービスの一種と考えた方が良さそう。

[society] 定率減税廃止に反対します

(少子化)対策として、子供という扶養家族がいる世帯に対する所得減税を提案します。誤解を恐れずに言えば、子供を持つ父親、世帯主の所得に対して大幅な減税をして、その地位を高めることが少子化対策として不可欠です。減税分は必ず消費に回されます。と同時に、事情がある方を除いて、独身やDINKSなどの所得者への大幅増税を提案します。

「子育てを社会で支える」というのを金銭面で行うとこうなりますね。
ただ第2要因である既婚者に対しては効果が期待できますが、第1要因である非婚化は一律大増税でますます深刻化してしまうので、例えば35歳とか年齢で切るということになるのでしょうか。

[society] 社会評論メルマガJapanese Windowのニート評論3連発
社会システムの変更の前で立ちすくむ若者たち

皮肉なことだが、ポストを争っているのは父と子であり、変化を嫌う日本の中高年男性の間違った保護主義が、社会の変化や改革に水をさすとともに、彼らの子ども達の自立も阻んでいる。自立と成長と社会参加の機会を奪われた若者、ニートが、この先に日本社会を次第に腐らせていくということに、中高年はまったく頓着していない。

社会倫理としての労働観とそれへの反発

今日、産業化された多くの国では、終始「需要」の増大を強いられており、労働には過剰すぎるストレスを伴う。なので、それに対する社会的な反動が顕著に見られる。つまりそれは、労働に伴う疲弊感や家族の断絶や崩壊の形で顕われており、社会が教育や就労を推進することは、青年たちの究極の不満をあおる強い要因となっている。

増えている若年無業者への悲しみと憂い

日本人がもっとも大事にするのは、私的な会話の中で生まれる人と人との「近しさ」である。(中略) 『労働経済白書』の中で、「コミュニケーション能力や基礎学力」を「青年たちが修得すれば企業に採用される可能性が高まる能力」と書かれているが、日本のNEETは日本特有の奇妙なコミュニケーションのあり方をよく知っているしそれになじめないでいるし、学問を積んでも報われないことを知っている。

[misc] 隊員不足 敵より怖い少子化
エントリのテーマとは違う部分に反応。これは昔の記事のようですが、今、偉い人がしきりに自衛隊に入れろとか言ってるのは人が足りないんでしょうか?

Posted by seraph : 16:08 | Comments

2004年12月18日

ニュースメモ(2004/12/12-2004/12/18)

News

【2004/12/18】
[partner style] しない女 私たちがセックスしない理由
価値観が多様化・コミュニティがたこつぼ化した中でも恋愛や性愛は「全国区」ですから、その同調圧力は凄いものがあります。
男性版でそれっぽいのはないかな…全然違うけど「バチェラ―結婚しない男の心理」とか。英語ではバチェラ―(bachelor)と言うのか(女性はbachelorette)。

[partner style] リベラルぶりっ子<萌えヲタの時代
面白いエントリですがコメントが難しいかも。変に皆が自分は大丈夫なんだと安心してしまっても微妙です。
負け犬マトリクスのii)男性版では、左上/左中/左下/中下/右下のセルが「退却系」に属する訳ですが、右下の(判断保留2)層が今後有力なターゲットになるのは確かとして、それ以外がどうかというところですね…。

ところで、電車男が22歳という設定なのは絶妙だと思います。世間一般からするとかなり遅いけど、まだまだ変われる年齢。これが25歳を超えてくると変化への抵抗力が強くなってきますし。

[partner style] 「負け犬の遠吠え」の酒井順子さん / その2
[society] 出生率低下 : 誰の?
そういう意味で一夫多妻制はどうですか、ということで。多夫多妻制でもいいですが。
(参考)もしも国会で「日本を一夫多妻制にしよう法案」が提出されたとしたら?

[society] モノと心のバランス

日本で少子化が進んだ原因を京都大学総合人間学部教授の中西輝政氏は、「ものとこころのバランス」「進歩と伝統のバランス」「個人と集団のバランス」が崩れたからだと語っている。

[society] 経済再生は錬金術に学べ! (via カトゆー家断絶)
所得税のような「持っているひとから取る」税をなくして全て消費税のような「使った人から取る」税にすればフリーライドを防止できる(所得のない退職者やニートからも取れる)訳ですが、もちろん経済格差は積極的に容認することになります。
(参考)消費税がアップすることに賛成の方がいましたら,なぜ賛成なのか教えて下さい

[society] 「年1800時間労働」、時短の旗降ろす 厚労省審議会
感覚的には年3000時間労働ぐらいな気がしますけどね…。「多様化」が「何でもOK」の理由付けになっているのが現状。

[society] アルファニート
「働いたら〜」は釣りとして実に名台詞でした。

【2004/12/17】
[partner style] クリスマスの“小悪魔”願望
「甘えるってことは、好きな男へのサービス」とか。甘え上手は得。

[society] 平成16年版少子化社会白書
総本山の政府報告書。長大。「少子化社会対策関係予算」では「若者の安定就労や自立した生活の促進」の伸びが大きい。「退却マップ」における右下ゾーンを上に引き上げて結婚可能層に持ってくる対策と言えますか。左上ゾーンの対策は困難ですからね。

[society] 「少子化フォーラム」で人気作家・鈴木光司氏が語った子育て術
昔とは違い、私立に通わせるのはもう勉強面とか、あるいは親のメンツとかだけでは語れなくなってきていないでしょうか。(公立で)学校が荒れているとメンタルな面での成長にも影響を与え、学力だけでなくコミュニケーション格差、あるいは苅谷氏の意欲格差、山田氏の希望格差に繋がることにもなりかねません。

[society] ひきこもり−−「村の学校」のすすめ
「知人がいる地域が苦手」ということで、昨日の「地域の逆効果」の一種かも。

[society] neet or hole
今の大学生の就職は以前よりも大変、と。「即戦力」はともかくとしても、間違いなく要求されるようになってきているのが「ストレス耐性」。こころの病気で辞めてしまう人が続出しているのが理由で、いくら優秀でもこころがタフじゃないとアウトということになりつつあるようです(もっとも、「優秀」の意味にだんだんコミュニケーション能力の占める割合が高まりつつありますが)。企業としては簡単に辞められては困る訳で当然なんでしょうけど、どうなんですかね…。

【2004/12/16】
[society] 地域が「ニート」を救う
地域、ですか。確かにもう一方の非婚化においても、地域の世話焼きおばさんがいなくなったという一因もあるでしょう。ただ、地域コミュニティはひとつ間違うとその閉塞感が重荷にばかりなるような気も?

同じ玄田氏と地域の重要性については以前の記事ですがこちらもどうぞ。
[society] 多様なライフスタイル実現を可能とするSOHO by 中小企業白書

[society] 文科省「ゆとり」転換、授業時間増を検討
振り回されっぱなしの先生方はご苦労様です。

[misc] 2割が「死んでも生き返る」=「何となく」理由に−小中高生の意識調査
「見たことがある」は凄い。

【2004/12/15】
NHKの「視点・論点」という番組で山田昌弘氏が登場して「ステイタス格差のもたらすもの」というタイトルだったかな、ニューエコノミー(グローバル化,IT化,サービス化,文化産業)へのシフトの結果、誰でもコツコツ仕事をすれば能力が蓄積される仕事はなくなっていき、努力が報われると感じる人と、努力してもしなくても同じと考える人に2極化する、という希望格差について話してました。将来の見通しが立たないので「享楽的にならざるを得ない」といった話とか。

[society] 大阪府が全国初の「ニート」の就職支援、05年度から

[society] 保守エリートのPCコードに騙されてはいけない
昨日の「女性の就業」だけが進んで他が追いついていない、っということにも繋がりますが、何が変わらないって人の意識が一番変わるのに時間かかりますね。
ヤマトナデシコはともかく、男性がそうであるように専業主婦希望者は必ずしも少なくないと思いますが、どうなんでしょう…?

[society] 若年層で増加する派遣労働者

[society] パチンコ - 日本最悪の問題
福岡はともかく、もっと田舎の娯楽ってパチンコしかないのが問題かも。

【2004/12/14】
[society] 少子化と人口減少社会への対応
少子化の原因・影響・対策、という3点セットで、目新しくはないですがコンパクトにまとまった記事。「女性の社会参画(就業)」が進むのは望んだ結果ですが、それだけが進んで他の社会・経済システムが追いついていないのが問題、と。

[society] 少子化の決定要因と対策について:夫の役割、職場の役割、政府の役割、社会の役割
こちらは非常にしっかりしたレポート。方向性はほぼ同じですが、女性の出生意向が最も大きな要因であるため、各種政策だけでは限界があり、子育ての喜びを広めることも重要といった指摘など、これまでも紹介したポイントも含めつつ、原因の分析と対策の効果についての詳細なレポートであり参考になります。夫の家事育児分担程度が出生意向に影響しないといった意外な結果も。

【2004/12/12】
[partner style] 女性のコミュニケーションスキル向上が未婚化を防ぐ
昨日の通り、一般に男性のコミュニケーションスキルの低さに原因が求められるのは、今でも男性が「声をかける側」にあるからなのでしょうけど、逆説的で興味深い。ガードが固過ぎる(受け入れ方が分からない)などでしょうか?

[communication] 大人力
うーん…「空気嫁」+α?

[society] 頑張ろうと思い直せる道まで消滅 (via 「選択されない」リスクの増加)
「パラサイトシングル」を普及させた山田昌弘氏の新作「希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く」のレビュー。かつては階層を上る手段が学問でしたが、希望格差社会ではコミュニケーションがカギと。しかし、それは結局新たなコミュニケーション格差社会を作るだけな訳で、必要なのはコミュニケーションをカイゼンする具体的な方策です。

Posted by seraph : 07:47 | Comments

2004年12月11日

ニュースメモ(2004/12/5-2004/12/11)

News

【2004/12/11】
[society] ますます社会問題化する「ニート」
特に目新しい話はないですが、まとめページということで。

[society] 引きこもり解決へ2つのキーワード
いまも「のんびり」が「頑張る」にかならず負ける、という構造はなにも変わってない。
株式会社な時点で会社の持ち主である株主の意向には逆らえず頑張らざるを得ないので、競合しないところでNPO法人、というのがスローワークの解になるのでしょうか(あるいは先日の半農半Xとかのような)。

[partner style] 「オニババ」ってなに? : /下 社会学的に晩婚化を考える
結婚難以前に恋愛難の「一人でいる方が落ち着く」時代。男性のコミュニケーション能力が低下したのが原因とか。

[partner style] 男が結婚を焦るのは、いくつ?
現代は、男43歳、女35歳、とのことのようです。
自分が希望する相手の年齢と、相手が希望する年齢が噛み合ない、って記事は以前にも取り上げました

[partner style] 男オタクの脳内の女フォルダは「他人」「親族」「彼女」しかない
オタク/非オタクとモテ/非モテ(or コミュ/非コミュ)は2 x 2のマトリクス(偏りはあるにせよ)ですのでここは「非モテの〜(or 非コミュの〜)」がしっくり来ますけど。まず異性の友人を増やせ、ってのはこの辺の話でしょうね。

[misc] 取材も知識もない「報道」のむなしさ
少し前の話ですが。「Think! 2004年夏号[No.10]」の「企業の社会的責任(CSR)論の本質」という記事にあったんですけど、日本は欧米と比較すると、大企業や国会・政治家よりも遥かにマスコミに対する市民の信頼度が高い傾向があるようなんですね(日本: 79%, 欧米: 14%)。中にいるのは感情を持った一介の人間(の集まり)であることを私たちは見落としているのではないでしょうか。子どもの頃は大人って凄いものように思ってたのに、いざ自分がそうなってみるとこんなものか、というのと似てますし、要は相手の立場になって考えてみる、っていうことですね。

【2004/12/10】
[society] 男性の家事・育児に時間目標 新新エンゼルプラン原案
今でも結婚していないと昇進できない、といった裏資格要件が根強く残っているところもありそうですが、反面、現場のワーカーとしては、独身の方が使いやすい、ということになってきそうですね。

[society] 少子化 いびつな福祉給付の是正を
これまでの見方には「若い世代」の気持ちが欠落してきた。

[society] お金で解決するのか、少子化、高齢化社会
年齢の離れた方との触れ合いは「異質との対話」な訳ですからなかなか難しいですが、その分コミュニケーション力の強化に繋がります。この辺にもヒントがありそう。

[society] 「自衛隊にでも入ってサマワへ」 フリーター巡り武部氏
うわ…ホントに「異質との対話」だなこりゃ。

[misc] 「雑学」と「教養」の違い
八月の残りの日さんとかを全くかなわないなぁ、と思うのは単に知識量が凄いだけじゃなくて、情報と情報のリンクを見い出す力がズバ抜けてるということを(内輪で)言ってた訳ですが、あぁなるほど、と膝を打ちました。

【2004/12/09】
[society] 不倫で少子化対策
既婚者の子どもの数が約2人でそれほど減っていないことから、晩婚化・非婚化が問題視される訳ですが、最終的な目的を考えれば別の方法もありえるはず。1)子どもは欲しいけど夫は要らない、2)いいと思った人は皆既婚者、という現代の2つの悩みを同時に解決する不倫は少子化対策の決め手となるかも? 事実上の一夫多妻制とも言えます。

[society] 次世代法 : 仕事と子育て両立目指し 行動計画づくり、企業が動き始める
確かに女性は育児休暇取ってますが、男性では見かけないですね…。ノー残業デーも平日と何の違いもありませんし。

[society] 負担の軽減よりも、子育ての楽しみを
そもそも、本当に産みたいと思っているのか、という話。
選択の自由とか経済的合理性だけで考えるからどんどんマイナス思考になってしまう、っていう観点では「失われる子育ての時間―少子化社会脱出への道」とかがジャストかな。

[society] 性的能力指数「SQ」を開発

[society] 身体の逆説: 出会い系とネット自殺の類似性
ちょうど2年前のこの方の日記(2002/12/8)ですが、本当にその通りになっています。

[society] ボーダーな人たちを救う
コミュニケーション負荷の小さい仕事を増やす、というアプローチも考えられますが、コミュニケーションをカイゼンできる仕事であればよりいいはず。

[society] 東大、公立出身者が増加=「親は高額所得者」間違い−03年の学生生活実態調査
他の大学の動向と比較しないと何とも言えませんが、官僚や学閥があるところ以外では東大って何もいいことないってことが分かってきて、カネのある家は慶應とか海外に流れてるのかも。
→詳細: 学内報/学生生活の背景

【2004/12/08】
[society] 多様性があるということは「決定的にラクな道がある」ということではない
仕事が嫌だから家事、ってのじゃダメだよ、と。逃げの選択じゃ後悔するだけ、ってのは適齢期の"逃げ道婚"は後悔のもとを想起したりしなかったり。

関連してこちらも。
[society] 自信を持って家事をやろう

[society] アートとニートは似ている…? (via ARTIFACT@ハテナ系)
国的には、本人が好きなことやっていようが、苦痛な労働をしていようが、社会が価値を見いだすものを提供している限りは問題ない、と考えるんじゃないかと。

東京都写真美術館は行こう行こうと思いつつまだ行ってないのでこの機会に行ってみようかな。

[society] 教育問題三連発
ニートは家で全く勉強していないことと関係あるんですかね…。ちなみにはてなの投票では、1位「本人」、2位「社会、環境」となってます。教育機関は最後。もちろん、責任論に終始しても仕方ないと思いますが。

[society] 日本は数学6位、読解力14位に転落 OECD学力調査
同じく学力調査から。冒頭に上げられている問題の大半は日本語というよりコミュニケーションが原因のような気も。

学力調査の話についてはバランスを取るためこちらも。
[society] 問題解決能力が評価されていない
物事のプラス面よりマイナス面に着目しがちな日本人っぽくはあります。

[economy] 日本経済ウォッチ : 2004年12月
経済面は特に素人なんですが、いろんなBLOGなどを楽しく読むためにも経済の基礎理解は不可欠かな、と。
で、上記のレポートとしては、企業が負債の返済を進めていて財務体質をカイゼンしつつあるけど、逆に人件費は圧縮してるので個人消費が伸びないかも、ということで目新しくもないですが、やはり合成の誤謬とかフリーライダーな話。個人・家庭が将来を不安視して貯蓄にまわすからますます景気が悪くなる、という消費者側の合成の誤謬も言われがちですが、むしろ貯めるところまでいかなくなってきてるらしい。「一億総フリーライダー」の様相を呈してきました。

【2004/12/07】
世代間不公平論の終着駅 (pdf)
えーとつまり、日本は先進国の中でも少子高齢化が一番進んでいて、日本人が皆利己的だとすれば、すでに終わってる(=高齢者が政治的マジョリティとして投票行動をするから高齢者に優しい政策しか行われない)んだけど、日本の特性としてそんなに個人主義は徹底されていないんじゃ、ってことでしょうか。でも、個人主義の拡大を食い止め、利他的な人を増やすには「家」の復権が大事ってのはあれ? というカンジ。

【2004/12/05】
[society] 初の少子化社会白書発表 「皆婚社会崩れつつある」
社会保障費、出産・子育てに重点…初の少子化白書
少子化白書 : 人口減少へ危機感「今後5年が重要」
この5年が勝負ということで、高齢者に傾斜していた社会保障を少子化対策へ配分見直しなど、重い腰を上げた形。

[communication] 差異のエンジン
かつてのケータイ新機種みたいな感じかな。
関係ないんですが、m:robeがMacで使えればなぁ、と。

Posted by seraph : 01:41 | Comments

2004年12月03日

ニュースメモ(2004/11/28-2004/12/4)

News

【2004/12/04】
[misc] 「個性偏重教育」は悪か?
「個性重視教育」が悪い訳じゃなくて、問題視にされてるのは「基礎無視教育」なのでは。
クリエイティブの世界は分かりませんが、IT屋の場合なら、技術だけじゃ生きて行けないのはその通りなんだけど、でもまず最低限技術ぐらいは何とかしようよ、みたいな。

[subculture] キス一つでイッちまうところだったっ

【2004/12/03】
[communication] 「10万円借して!」と言える人、何人います?

先日も紹介したネットワーク分析の第一人者安田雪氏の「人脈づくりの科学」の話。いつもながら面白い。長めの引用になりますが、

「『自分探し』という言葉を、私はどうしても好きになれない。この言葉は、職業選択、結婚など、人生で大切な何かとのかかわりを決定するときに、自分の内面を見つめる行為に対して使われることが多いようである。だが、自分とは自分の中に存在するものなのだろうか。自分というものは、個人が孤独に己自身について考えることによって見出せるものではないように私には思える」

いま、「働くことが怖い」という若者が増えているという。それは、気心の知れた家族や友達という人間関係から一歩踏み出して、「組織」や「社会」という、自分では選べない人間関係のなかに飛び込んでいくことである。怖いのは当たり前だ。(中略)ただ、怖いけれども、それを上回って得るものも絶対ある。人に会わずにいくら自分探しをしてもドツボにはまるだけだ。

この辺とか。馴れ合い系SNSやMMOのような均質な空間は居心地はいいですが、そこに人間的な成長はなかなかないんですよね(そもそも「成長」を語ることこそ古いと言われればそうですね、としか言えませんが)。

以前も紹介しているものもありますが、最近当ページに来られた方向けに、労働社会現象系で過去の必読記事も。

自己責任と自己分析
フリーター問題の核心

【2004/12/02】
[business] 意思決定を促進する「選択肢削減の法則」
選択肢が多いほど迷い、後悔もしやすくなる。現在の様々な社会問題にも共通していますね。

[society] 韓流スターは、なぜ日本人の心をつかむのか
ってもこの「本分」ってのは唐突感がありますが。ヨタな反ジェンダーフリーと区別がつかないような。

[partner style] 女性とうまくつきあえない男性の見分け方は
見分けがつかないらしい。「同年代の女性とうまくつきあえない男性」までならある程度つきそうなんですが、「幼い女の子を連れ去ろうとしたり、わいせつな行為をする」はつかないかも。

[partner style] 元気のよい女の子とイジケた男の子
「恋人でもできれば」。

[marketing] ニートに効く広告
ニートマーケティングは「教祖になる」。

【2004/12/01】
8周年ありがとうございます。もう9年目ですか…。

[partner style] 日本のネット恋愛が変わる!?
Match.comの紹介。進むグローバル化。月々3500円。

[partner style] “負け犬”の理想の結婚
ライフスタイルをいかに変えなくてすむか。いかに変えないか、ってところを突き詰めると、必要な時だけ会う「オンデマンド夫婦」とか極端には「ペーパー婚」とかもアリ?

[partner style] はてなQ 女性の方で、子供のいる方で、離婚をした方にお願いします。
技能や訓練の問題と、そうでない問題。

[society] 長男の叫びに耳を傾けよ。
昨日の「ひきこもり」「茨城」「社会に出ろ」に加えてもう1つの共通点が「長男」。ただこれは「茨城」「社会に出ろ」に回収されると言えるかも。「長男」が圧力として機能するのはなぜ「少年」は犯罪に走ったのかでも「人間関係が希薄だからではなく、煮詰まりすぎたところで犯罪が発生している」などとあるように地域コミュニティが根強く、親が「世間体」を異常に気にする地方ならではとも言えますし。

ただ、変えられない属性のせいにしてもどうしようもないんで、変えられるところで変えていくしかないとは思います。

[society] 一般職業紹介状況(平成16年10月分)について
有効求人倍率は順調に改善中。産業ごとの違いや求められるスキル、雇用形態等のミスマッチはあるでしょうが…。

[book] 「ズッコケ三人組」50巻で完…時代とらえ子供つかむ
うわー無茶苦茶懐かしい。小学生の時読み漁ってました。「ズッコケ時間漂流記」「あやうしズッコケ探険隊」「ズッコケ山賊修業中」あたりが特に強く印象に残ってます。お疲れさまでした。

【2004/11/30】
[partner style] どうしてこんなに男運が悪いのでしょうか
自分で選んでるよ、と。

[society] なぜ「少年」は犯罪に走ったのか
メディアはニュースコンテンツビジネスであって、いかに「面白」くするかが商品性のカギですからね。

[society] 2つの事件の共通点
放任すれば取り返しがつかなくなるけど、圧力をかければ暴発する…。教育・子育てのマネジメントもやはり矛盾に満ちていて答えなどありません(親子においても「コーチング」が恐らく答えに近いんでしょうけど)。

[society] 「一億総中流意識」に揺らぎ…読売世論調査
最近この手の調査が多いですね。こういった調査自体が格差意識を根付かせて行く部分も多分にあるのでしょう。

【2004/11/29】
[society] ニートだけか、生き方の迷い子たち [ブログ時評01]
以前にも何度か紹介させて頂いている「インターネットで読み解く!」の方のBlogがオープン。誰もが生き方モデルを失っている時代。

[communication] 自閉症の極端男性脳理論
システム化能力を男性脳、共感能力を女性脳とした上で、自閉症は極端な男性脳であるという理論。その他興味深い訳・論文が多数。
ちなみに、元コメントについては「仕事力≒男性脳」じゃあないと思います。職種によって割合に違いがあるでしょうけど、女性脳と男性脳のバランスが取れている方がよりいいですから。
(via Your tut-tut is by design, (´・ω・`)?)

[misc] 少年の心を忘れないのと大人になりきれないのとは違うんだよ!
ぐはぁ。

[subculture] アキハバラから排除される「萌え」と、プチ「萌え」化していく日本
宮崎駿や村上隆のように1)海外で評価される(日本は「外圧」に弱いので)ことと、2)ビジネスになることの2つによって従来オタク的だったものの一部はキモさが取り除かれた形で一般化していく可能性が高いのかもしれません。ただメジャー化を望まない層はむしろ秋葉原をより「前衛的」な方向に変えて行くのではないかと。

【2004/11/28】
[partner style] 人間、結局は見た目かも
繰り返し出てくる話ですが、「足切りライン」として機能しないこともないけど、そのラインは非常に低いところに設定される、と考えればいいのかな、と。謙虚に自分の市場価格を正しく認識することに尽きる(何故かスルーされてますが農家にはいくらでも需要があるでしょうし)んでしょうけど、実際の値付けは「相性」という言葉で語られるように、「購入」する側によって変わるのが面白いところでもあり、変に希望を持ってしまうところでもあります。

Posted by seraph : 07:31 | Comments